精の付く栄養素のまとめ

精力増進効果(生殖機能向上、スタミナ増強、ストレスや疲労回復、滋養強壮、血行促進作用)のある栄養素をまとめてみました。栄養素別で具体的にどのような効果が見込めるのか?また、それらを多く含む代表的な食材の詳細も記しております。

zinc

亜鉛

亜鉛は、体内で作れない必須ミネラルで、酵素反応や細胞の増殖・修復など「生命維持の土台」に関わります。具体的には、亜鉛は300種類以上の酵素の働きに関与し、DNA合成・細胞分裂免疫機能傷の治り(創傷治癒)味覚・嗅覚など幅広い機能を支えます。

男性の体では、亜鉛が精子形成(生殖機能)や性ホルモンの働きに関与するため、「セックスミネラル」と呼ばれることがあります。ただし、亜鉛は“飲めば性機能が上がる”というより、不足するとコンディションが落ちやすい(=土台を維持する栄養)として位置づけるのが医学的に安全です。

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、亜鉛の推奨量は成人男性で9.0〜9.5mg/日(年齢で差)、成人女性で7.0〜8.0mg/日が目安と整理されています。また耐容上限量(UL)も設定されており、過剰摂取(特にサプリの高用量)には注意が必要です。

亜鉛不足で話題になりやすいのは、味覚の異常(味が分かりにくい)皮膚トラブル傷の治りが遅い免疫低下下痢などです。消化吸収が落ちる病気や慢性的な下痢があると、亜鉛が不足しやすくなることも知られています。

食事で亜鉛を増やすなら、食品では牡蠣が突出して多く、ついで赤身肉レバー魚介ナッツなどが選択肢になります。植物性食品の亜鉛は、吸収が阻害される要因(フィチン酸など)の影響を受けることがあるため、現実的には「動物性たんぱく質と一緒に」を意識すると説明しやすいです。

一方で、サプリなどで亜鉛を過剰に摂ると、吐き気などの消化器症状だけでなく、長期的には銅の吸収低下(銅欠乏)を招くことがあるため、「足りない人の穴埋め」という発想で、食品中心・適量が基本です。

亜鉛に関するよくある質問

亜鉛を多く含む食材

牡蠣、ほたて、牛赤身肉、牛レバー、そら豆、油揚げ、納豆、ナチュラルチーズなど

ミネラル ビタミン アミノ酸
亜鉛 セレン マンガン E B1 B2 C アルギニン アスパラギン酸
牡蠣100g(5個)
※1個80g可食部20g×5
14mg 46μg 0.39mg 1.3mg 0.07mg 0.14mg 3mg 370mg 590mg
ホタテ100g(1個)
※1個200g可食部100g
2.7mg 0.12mg 0.9mg 0.05mg 0.29mg 3mg 920mg 1100mg
牛もも肉100g 3.8mg 0.01mg 0.5mg 0.08mg 0.19mg 1mg 1300mg 1800mg
牛タン100g(6~7枚) 2.52mg 9μg 0.01mg 0.81mg 0.09mg 0.21mg 0.9mg 864mg 1170mg
牛レバー100g 3.8mg 50μg 0.3mg 0.22mg 3mg 30mg 1200mg 1900mg
豚レバー100g 6.9mg 67μg 0.4mg 0.34mg 3.6mg 20mg 1100mg 1900mg
コンビーフ80g(1缶) 3.28mg 8μg 0.03mg 0.64mg 0.02mg 0.11mg 1040mg 1520mg
サバ缶(水煮)200g(1缶) 3.4mg 0.04mg 6.4mg 0.3mg 0.8mg 2400mg 4000mg
納豆50g(1パック) 0.95mg 8μg 0.7mg 0.25mg 0.07mg 0.15mg 1.5mg 475mg 950mg
油揚げ30g(1枚) 0.75mg 2.4μg 0.47mg 0.39mg 0.02mg 0.01mg 600mg 930mg
プロセスチーズ36g(2枚) 1.15mg 4.68μg 0.01mg 0.4mg 0.01mg 0.14mg 298.8mg 612mg
チェダーチーズ36g(2枚) 1.44mg 4.32μg 0.58mg 0.01mg 0.16mg 316.8mg 720mg
玄米160g(1膳) 1.28mg 1.6μg 1.66mg 0.8mg 0.26mg 0.03mg 384mg 416mg
大豆30g(大さじ2) 0.93mg 1.5μg 0.68mg 0.69mg 0.21mg 0.08mg 0.9mg 870mg 1350mg
そら豆60g(10粒) 2.76mg 1.8μg 0.42mg 0.3mg 0.12mg 1440mg 1680mg
カシューナッツ15g(10粒) 0.81mg 4.05μg 0.09mg 0.08mg 0.03mg 360mg 300mg

参考レシピ

selenium

セレン

セレンは原子番号34の元素で、栄養学的には「セレノプロテイン(セレンタンパク質)」の材料として働く必須微量元素です。セレン自体が“強い抗酸化物質”というより、体内でグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)チオレドキシンレダクターゼなどの酵素として機能し、過酸化物を分解して酸化ストレスを抑える点が重要です。さらに、セレンは甲状腺ホルモン代謝(脱ヨウ素酵素)にも関与するため、抗酸化だけでなく“代謝の土台”として説明しやすい栄養素です。

「ビタミンE・ビタミンCと一緒に」という点は、抗酸化ネットワークとして整理すると堅いです。たとえばビタミンEは脂質の酸化(細胞膜の過酸化)を抑える話題に登場し、セレンはGPxなどで過酸化物を処理し、ビタミンCは酸化されたビタミンEの再生などに関与する、といった形で役割分担が説明できます。したがって「活性酸素を積極的に除去する」と断定するより、酸化ストレスに対抗する仕組みを“支える”という表現が安全です。

摂取量の目安として、日本人の食事摂取基準(2025年版の整理)では、推奨量は成人男性で30〜35µg/日(年齢で差)、成人女性で25µg/日、耐容上限量(UL)は成人男性で400〜450µg/日、成人女性で350µg/日が目安として示されています。食品からの摂取で上限を超えることは多くありませんが、サプリや「ブラジルナッツの食べ過ぎ」は過剰摂取につながりやすい点が重要です。

食品では、セレンは魚介類(特に海産物)肉類穀類などに含まれます。中でもブラジルナッツは例外的に高濃度で、資料では1粒で68〜91µg程度とされ、毎日たくさん食べると毒性リスクが出る可能性があります。

健康効果については、セレンが「がん抑制」「心疾患・脳疾患予防」などで語られることがありますが、結論は限定的です。たとえば前立腺がん予防を検証した大規模試験(SELECT)では、セレンやビタミンEで予防効果は確認されず、むしろビタミンE単独群で前立腺がんリスク増加が報告されています。よって、セレンは不足を避けることが基本で、高用量サプリで予防を狙う発想は慎重にするのが安全です。

男性の体では、セレンは精巣や精子の形成・運動性に関わるセレノプロテイン(特にGPX4など)の話題で重要です。研究レビューでは、酸化ストレスと精子機能の関連、セレン不足が生殖機能に不利になり得る点、セレン補充で精子所見が改善した報告がある一方、対象や用量がさまざまで「誰でも効果が出る」とは言い切れないことも整理されています。LOH症候群(男性更年期)についても同様で、セレンを「十分に摂れば予防できる」と断定するより、不足を避け、生活習慣全体で土台を整えるという位置づけが堅いです。

最後に過剰摂取の注意点です。慢性的な高摂取(セレノーシス)では、ニンニク臭様の口臭金属味脱毛爪の脆弱化、消化器症状、神経症状などが報告されています。セレンは「多いほど良い」ではなく、適量を食品中心でが基本です。

セレンに関するよくある質問

セレンを多く含む食材

鮪・鰹・鯖・などの青魚、牡蠣、たらこなど

ミネラル ビタミン アミノ酸
亜鉛 セレン マンガン E B1 B2 C アルギニン アスパラギン酸
牡蠣100g(5個)
※1個80g可食部20g×5
14mg 46μg 0.39mg 1.3mg 0.07mg 0.14mg 3mg 370mg 590mg
イカ105g(7切れ)
※1切れ15g×7=105g
1.58mg 43.05μg 2.21mg 0.07mg 0.05mg 1.05mg 1260mg 1575mg
うなぎ100g 1.4mg 50μg 0.04mg 7.4mg 0.37mg 0.48mg 2mg 1100mg 1500mg
マグロの刺身100g 0.4mg 110μg 0.01mg 0.8mg 0.1mg 0.05mg 2mg 1500mg 2500mg
カツオの刺身100g 0.9mg 100μg 0.01mg 0.1mg 0.1mg 0.16mg 1400mg 2200mg
サバ140g(半身) 1.54mg 98μg 0.01mg 1.82mg 0.29mg 0.43mg 1.4mg 1680mg 2800mg
たらこ35g(1本:1/2腹) 1.09mg 45.5μg 0.01mg 2.49mg 0.25mg 0.15mg 11.55mg 420mg 665mg
豚レバー肉100g 6.9mg 67μg 0.4mg 0.34mg 3.6mg 20mg 1100mg 1900mg
鶏レバー40g(焼鳥1本分) 1.32mg 24μg 0.13mg 0.16mg 0.15mg 0.72mg 8mg 480mg 720mg

参考レシピ

manganese

マンガン

マンガンは原子番号25の元素で、栄養学的には体内で作れない必須微量元素です。体内ではさまざまな酵素の“部品(補因子)”として働き、骨の形成糖質・脂質・アミノ酸の代謝創傷治癒など「生命維持の土台」に関わります。特に重要なのが、ミトコンドリアにある抗酸化酵素MnSOD(マンガンスーパーオキシドジスムターゼ)で、マンガンはこの酵素を通じて酸化ストレス対策の文脈で語りやすい栄養素です。

摂取量の目安として、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男性(18歳以上)の目安量は3.5mg/日、成人女性(18歳以上)は3.0mg/日が目安で、耐容上限量(UL)は男女とも11mg/日とされています。つまりマンガンは「不足を心配して追加する」より、過剰摂取にならない範囲で、日常の食事から適量を維持するという整理が安全です。

マンガン不足は、普通の食生活では起こりにくいとされます。むしろ注意したいのは「摂りすぎ」の側で、マンガンは高用量のサプリや特定の条件(肝機能低下など)で体内に蓄積しやすい可能性があります。慢性的な過剰では神経系への影響が話題になり、「多いほど良い」栄養素ではありません

男性の生殖機能との関連については、マンガンは精巣や精子機能の研究で話題に上がる一方、不足だけでなく過剰でも精子の数・運動性などが悪化し得るという報告があり、バランスが重要です。したがって「マンガンを増やせば男性機能が上がる」と断定するのではなく、“不足と過剰のどちらも避ける”という形で説明するのが堅いです。

食品では、マンガンは穀類(全粒)豆類ナッツ海藻お茶などに含まれます。水にも含まれ得ますが、通常は食事からの摂取が中心です。まずは「主食を精製しすぎない」「豆・ナッツ・海藻を少量足す」といった食事設計が現実的です。

  • 基本方針:不足より過剰(サプリ・特殊条件)に注意
  • 取り入れ方:全粒・豆・海藻・ナッツを“少量”で追加(食事全体のバランス)
  • 注意:肝機能が気になる方、サプリ使用中の方は自己判断で高用量にしない

マンガンに関するよくある質問

マンガンを多く含む食材

玉露茶、玄米、そば、大豆、納豆、蓮根、高野豆腐など。植物性食品に多く含まれ、通常の食事をしていれば不足することはまずない。

ミネラル ビタミン アミノ酸
亜鉛 セレン マンガン E B1 B2 C アルギニン アスパラギン酸
玉露茶100ml 0.3mg 4.6mg 0.02mg 0.11mg 19mg 84mg 120mg
玄米160g(1膳) 1.28mg 1.6μg 1.66mg 0.8mg 0.26mg 0.03mg -mg 384mg 416mg
白米160g(1膳) 0.96mg 1.6μg 0.56mg 0.03mg 0.02mg 320mg 352mg
ざるそば260g(1人前) 1.04mg 0.86mg 0.26mg 0.21mg 0.05mg 598mg 650mg
高野豆腐16g(1個) 0.83mg 3.04μg 0.69mg 0.3mg 0mg 0mg 704mg 1072mg
豆腐150g(1/2丁) 0.75mg 1.5μg 0.51mg 0.15mg 0.17mg 0.06mg 705mg 1080mg
大豆30g(大さじ2) 0.93mg 1.5μg 0.68mg 0.69mg 0.21mg 0.08mg 0.9mg 870mg 1350mg
納豆50g(1パック) 0.95mg 8μg 0.7mg 0.25mg 0.07mg 0.15mg 1.5mg 475mg 950mg
くるみ20g(5個) 0.52mg 0.69mg 0.24mg 0.05mg 0.03mg 460mg 320mg
蓮根100g 0.3mg 1μg 0.78mg 0.6mg 0.1mg 0.01mg 48mg 120mg 690mg

参考レシピ

vitamin e

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一つで、植物が作るトコフェロール(tocopherols)トコトリエノール(tocotrienols)を含む“ビタミンEファミリー”として整理されます。体内で中心的に利用されるのはα-トコフェロールで、食事摂取基準でもα-トコフェロール量(mg)で示されるのが一般的です。

ビタミンEの代表的な働きは、細胞膜など“脂質の多い場所”で起こる脂質過酸化(脂が酸化して連鎖的に傷む現象)を抑えることです。ビタミンEは連鎖を止める(ラジカル連鎖停止)タイプの抗酸化ビタミンとして説明され、いわゆる「若返りのビタミン」という表現は、この“脂の酸化を抑える”機能から連想されています。ただし医療系コンテンツでは、「若返る」と断定せず、酸化ストレス対策の“土台を支える”という言い方が安全です。

また「ビタミンEは血流を良くする」という表現は、研究領域としては血管内皮機能血小板凝集の話題で検討されてきましたが、万人に確実な効果があると断定するのは避けるのが無難です。ここも、血管の健康は生活習慣全体(体重・運動・睡眠・喫煙・塩分等)の積み重ねで決まるため、ビタミンEは“食事設計の一部”として位置づけるのが堅いです。

ビタミンEは単独よりも、体内の抗酸化ネットワークとして説明すると分かりやすくなります。例えば、ビタミンEが抑えた脂質酸化の“後始末”には、セレン(セレノプロテイン:GPxなど)が過酸化物の処理に関与し、ビタミンCは酸化されたビタミンEを還元して再利用する話題で登場します。したがって「活性酸素を積極的に除去する」と言い切るより、酸化ストレスに対抗する仕組みを“支える”という表現が安全です。

摂取量の目安(日本人の食事摂取基準2025の整理)では、男性は18〜64歳 6.5mg/日65〜74歳 7.5mg/日75歳以上 7.0mg/日、女性は18〜29歳 5.0mg/日30〜64歳 6.0mg/日65〜74歳 7.0mg/日75歳以上 6.0mg/日が目安として整理されています。通常の食事で不足が問題になることは多くありませんが、サプリで高用量を続けると出血リスク等が問題になり得るため、食品中心が基本です。

「トコフェロール(tocopherol)」という名称は、ビタミンEが発見当初“生殖(妊娠)に関わる因子”として研究された歴史に由来し、語源としてギリシャ語のtokos(出産)pherein(運ぶ)に由来すると説明されることがあります。ただし、人で「ビタミンEを摂れば妊娠しやすい/精子が必ず増える」と断定するのは避け、不足を避けて“土台を整える”という位置づけが堅いです。

ビタミンEに関するよくある質問

ビタミンEを多く含む食材

鰻、いくら、アボカド、南瓜、パプリカ、ブロッコリー、アーモンド、サバ缶など。肌の調子や女性ホルモンのバランスも整えるので作る側の奥様にも嬉しい栄養素。

ビタミン ミネラル アミノ酸
E B1 B2 C 亜鉛 セレン マンガン アルギニン アスパラギン酸
イカ105g(7切れ)
※1切れ15g×7=105g
2.21mg 0.07mg 0.05mg 1.05mg 1.58mg 43.05μg 1260mg 1575mg
うなぎ100g 7.4mg 0.37mg 0.48mg 2mg 1.4mg 50μg 0.04mg 1100mg 1500mg
たらこ35g(1本:1/2腹) 2.49mg 0.25mg 0.15mg 11.55mg 1.09mg 45.5μg 0.01mg 420mg 665mg
いくら50g(軍艦巻5貫分) 4.55mg 0.21mg 0.28mg 3mg 1.05mg 0.03mg 1000mg 1500mg
サバ缶(水煮)200g 6.4mg 0.3mg 0.8mg 0.04mg 0.04mg 2400mg 4000mg
アボカド100g 3.3mg 0.09mg 0.2mg 12mg 0.7mg 1μg 0.19mg 91mg 220mg
カボチャ135g(1/8個)
1個1200g(廃棄率10%)
5.27mg 0.09mg 0.11mg 58.05mg 0.41mg 0.09mg 162mg 175.5mg
ブロッコリー80g(1/3株)
※1株300g(廃棄率20%)
2.4mg 0.14mg 0.18mg 112mg 0.64mg 1.6μg 264mg 392mg 120mg
パプリカ63g(1/2カット)
※1個140g(廃棄率10%)
2.71mg 0.04mg 0.09mg 107.1mg 0.13mg 0.08mg 22.68mg 182.7mg
アーモンド10g(10粒) 3mg 0.02mg 0.11mg 0.36mg 0.25mg 220mg 230mg

参考レシピ

vitamin b1

ビタミンB1

ビタミンB1(チアミン)は水溶性ビタミンで、体内では主にチアミンピロリン酸(TPP)という“補酵素”の形で働きます。TPPは、糖質(ブドウ糖)からエネルギーを取り出す代謝の要所(ピルビン酸脱水素酵素、α-ケトグルタル酸脱水素酵素、トランスケトラーゼなど)で必要になるため、ビタミンB1は「糖質をエネルギーに変えるビタミン」として説明されます。

「スタミナ」「疲労回復」と結びつけられやすいのは、糖質代謝が回らないと体はエネルギー不足になりやすいからです。食事摂取基準(2025年版)の算定では、ビタミンB1の必要量はエネルギー摂取量(1,000kcalあたり0.30mg)を基準に考える、と説明されています。つまり、糖質を多く摂る人・活動量が多い人ほど不足に注意という整理ができます。

ビタミンB1は脳の話題にも重要です。脳はブドウ糖依存度が高く、代謝が滞ると神経機能に影響が出やすいため、重度の欠乏では脚気(beriberi)や、特にアルコール依存などで見られるウェルニッケ‐コルサコフ症候群が知られています。

「アルツハイマー型認知症の予防につながる」という点は、医療系コンテンツでは表現を慎重にするのが安全です。研究レビューでは、チアミン欠乏と認知機能低下の関連や、アルツハイマー病で見られる脳の糖代謝低下との類似性が議論されていますが、ビタミンB1を摂れば予防できると断定できる段階ではありません。したがって、「不足を避けることが脳の土台になる」という位置づけが堅いです。

また「にんにく注射」は、一般にビタミンB1(チアミン)またはその誘導体を含む注射として提供されることが多い、と説明されますが、医療行為なので、適応や安全性は医療機関の方針に従うのが前提です(食事での改善とは別枠)。

最後に調理の注意点です。ビタミンB1は水溶性で、長時間の茹でこぼしなどで失われやすい性質があります。食事で活かすなら、汁ごと食べる(豚汁・スープ)短時間加熱“ゆで湯を捨てない”調理を意識すると説明しやすいです。

ビタミンB1に関するよくある質問

ビタミンB1を多く含む食材

豚ロース、豚タン、豚レバー、ハム、鰻、鯖、たらこ、そら豆、大豆、玄米など

ビタミン ミネラル アミノ酸
E B1 B2 C 亜鉛 セレン マンガン アルギニン アスパラギン酸
うなぎ100g(1人前) 7.4mg 0.37mg 0.48mg 2mg 1.4mg 50μg 0.04mg 1100mg 1500mg
サバ140g(半身) 1.82mg 0.29mg 0.43mg 1.4mg 1.54mg 98μg 0.01mg 1680mg 2800mg
鮭80g(1切れ) 1.04mg 0.21mg 0.12mg 0.4mg 0.01mg 1120mg 1760mg
たらこ35g(1本:1/2腹) 2.49mg 0.25mg 0.15mg 11.55mg 1.09mg 45.5μg 0.01mg 420mg 665mg
いくら50g(軍艦巻5貫分) 4.55mg 0.21mg 0.28mg 3mg 1.05mg 0.03mg 1000mg 1500mg
豚ロース肉100g 0.3mg 0.69mg 0.15mg 1mg 1.6mg 21μg 0.01mg 1300mg 1800mg
豚タン100g 0.3mg 0.37mg 0.43mg 3mg 2mg 960mg 1400mg
牛レバー肉100g 0.3mg 0.22mg 3mg 30mg 3.8mg 50μg 1200mg 1900mg
豚レバー肉100g 0.4mg 0.34mg 3.6mg 20mg 6.9mg 67μg 1100mg 1900mg
玄米160g(1膳) 0.8mg 0.26mg 0.03mg 1.28mg 1.6μg 1.66mg 384mg 416mg
大豆30g(大さじ2) 0.69mg 0.21mg 0.08mg 0.9mg 0.93mg 1.5μg 0.68mg 870mg 1350mg
ざるそば260g(1人前) 0.26mg 0.21mg 0.05mg 1.04mg 0.86mg 598mg 650mg
ロースハム33g
※薄切り1枚11g×3枚
0.03mg 0.23mg 0.04mg 8.25mg 0.53mg 6.93μg 0mg 396mg 561mg
そら豆60g(10粒) 0.42mg 0.3mg 0.12mg 2.76mg 1.8μg 1440mg 1680mg

参考レシピ

vitamin b2

ビタミンB2

ビタミンB2(リボフラビン)は水溶性ビタミンで、体内ではFMN(フラビンモノヌクレオチド)FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)に変換され、さまざまな酵素反応の“補酵素”として働きます。よく「糖質からのエネルギー変換を助ける」と説明されますが、実際には糖質だけでなく、脂質やアミノ酸を含むエネルギー産生全体(代謝)に関わるビタミンです。

ビタミンB2が「皮膚・粘膜に良い」と言われるのは、体内の代謝や細胞の更新に関わるためで、欠乏すると口角炎・口内炎・舌炎脂漏性皮膚炎目の充血・角膜炎などが起こり得ると整理されています。スタミナ目的でも「飲めば元気になる」と断定するのではなく、栄養を“回せる体の土台”を維持するという位置づけが安全です。

また「過酸化物質を除去する」という表現は、ビタミンB2そのものが“強い抗酸化物質”というより、B2がFAD/FMNとしてグルタチオン還元酵素(グルタチオンレダクターゼ)などの働きに関与し、酸化ストレス(脂質過酸化など)の話題に関わる、という整理が堅いです。したがって、がん・動脈硬化の「予防につながる」と言い切るより、酸化ストレスに対抗する仕組みを“支える”栄養素として説明するほうが医療系コンテンツとして安全です。

EDについても同様で、EDは血管・神経・心理・生活習慣など多因子です。ビタミンB2で「改善する」と断定はせず、動脈硬化リスク(体重・運動・喫煙・血圧・脂質・血糖)を整える生活習慣の中で、ビタミンB2は代謝と粘膜の土台を支える“食事の一部”として位置づけるのが自然です。

「ビタミンC・Eと一緒に摂ると効果が高い」は、“吸収率が上がる”というより、抗酸化ネットワークとして相性が良いという説明が安全です。実用面では、B2食品(卵・乳製品・魚介・肉・豆類など)に、野菜(ビタミンC)やナッツ少量(ビタミンE)を合わせて、食事全体を整える提案がしやすくなります。

調理の注意点として、ビタミンB2は熱には比較的強い一方で、光で分解されやすい性質があります。またアルカリ性(重曹など)で加熱すると分解しやすいとも整理されています。したがって、長時間の直射光を避け、調理はシンプルに、重曹を使う調理は避ける、といった説明が実用的です。

ビタミンB2に関するよくある質問

ビタミンB2を多く含む食材

レバー、魚肉ソーセージ、豚タン、鰻、卵、牛乳、納豆など

ビタミン ミネラル アミノ酸
E B1 B2 C 亜鉛 セレン マンガン アルギニン アスパラギン酸
うなぎ100g(1人前) 7.4mg 0.37mg 0.48mg 2mg 1.4mg 50μg 0.04mg 1100mg 1500mg
サバ140g(半身) 1.82mg 0.29mg 0.43mg 1.4mg 1.54mg 98μg 0.01mg 1680mg 2800mg
ホタテ100g(1個)
※1個200g可食部100g
0.9mg 0.05mg 0.29mg 3mg 2.7mg 0.12mg 920mg 1100mg
いくら50g(軍艦巻5貫分) 4.55mg 0.21mg 0.28mg 3mg 1.05mg 0.03mg 1000mg 1500mg
魚肉ソーセージ90g(1本) 0.18mg 0.18mg 0.54mg 0.36mg 0.01mg 657mg 990mg
牛もも肉100g 0.5mg 0.08mg 0.19mg 1mg 3.8mg 0.01mg 1300mg 1800mg
牛タン100g(6~7枚) 0.81mg 0.09mg 0.21mg 0.9mg 2.52mg 9μg 0.01mg 864mg 1170mg
豚タン100g 0.3mg 0.37mg 0.43mg 3mg 2mg 960mg 1400mg
牛レバー肉100g 0.3mg 0.22mg 3mg 30mg 3.8mg 50μg 1200mg 1900mg
豚レバー肉100g 0.4mg 0.34mg 3.6mg 20mg 6.9mg 67μg 1100mg 1900mg
鶏レバー40g(焼鳥1本分) 0.16mg 0.15mg 0.72mg 8mg 1.32mg 24μg 0.13mg 480mg 720mg
納豆50g(1パック) 0.25mg 0.07mg 0.15mg 1.5mg 0.95mg 8μg 0.7mg 475mg 950mg
サバ缶(水煮)200g(1缶) 6.4mg 0.3mg 0.8mg 3.4mg 0.04mg 2400mg 4000mg
卵1個(1個60g可食部52g) 0.68mg 0.03mg 0.19mg 0.57mg 12.48μg 0.01mg 436.8mg 676mg
牛乳200ml(206g) 0.21mg 0.08mg 0.31mg 2.06mg 0.82mg 6.18μg 226.6mg 515mg
ブロッコリー80g(1/3株)
※1株300g(廃棄率20%)
2.4mg 0.14mg 0.18mg 112mg 0.64mg 1.6μg 0.22mg 264mg 392mg

参考レシピ

vitamin c

ビタミンC

ビタミンC(アスコルビン酸)は、体内で合成できない水溶性ビタミンで、抗酸化だけでなく、コラーゲン合成(皮膚・血管・骨・歯ぐきなどの“土台”)や、カルニチン合成(脂肪酸代謝の話題)、神経伝達物質の合成にも関与します。そのため不足が続くと、重度では壊血病(scurvy)として、出血傾向(歯ぐき出血など)や創傷治癒の遅れが問題になります。

「LDLコレステロールの酸化を防ぐ」という点は、ビタミンCが活性酸素による酸化ストレスを抑える抗酸化因子であることと関連づけて説明しやすい一方、医療系コンテンツでは“ビタミンCを摂れば動脈硬化が予防できる”と断定しないのが安全です。臨床研究は結果が一貫しない面があるため、ビタミンCは野菜・果物が多い食生活(生活習慣全体)の一部として血管の健康を支える、という位置づけが堅いです。

ビタミンCの実用面で最も確実に言えるメリットの一つが、非ヘム鉄(植物性の鉄)の吸収を高めることです。ビタミンCは腸管内でFe3+(三価鉄)をFe2+(二価鉄)に還元したり、溶けやすい形で保持することで、鉄の吸収を後押しします。よって「ほうれん草+レモン」「豆類+パプリカ」などは栄養学的に説明しやすい組み合わせです。

一方で「亜鉛の吸収を高める」とは言い切りにくく、ここは牡蠣にレモン=食べやすさが上がる+牡蠣に含まれる鉄の話題と相性が良い、という説明に寄せる方が安全です(亜鉛は主に“不足を避ける”設計が重要)。

摂取量の目安として、食事摂取基準(2025年版)では成人の推奨量が100mg/日と整理されています。また通常の食事で過剰摂取による健康被害報告が乏しいため耐容上限量は設定されていませんが、同じく2025年版の整理では、通常の食品以外(サプリ等)から1g/日以上を摂ることは推奨できない、という注意が示されています。

調理面では、ビタミンCは水溶性で、刻む・空気に触れる・加熱・茹でこぼしで減りやすい性質があります。ただし「生だけが正解」ではなく、短時間の加熱(蒸し・レンジ)や、汁ごと食べる(スープ)などで“減らしにくい食べ方”にできるのが実用ポイントです。

ビタミンCに関するよくある質問

ビタミンCを多く含む食材

ブロッコリー、パプリカ、柿、ゴーヤ、カボチャ、キウイ、いちごなど。ビタミンCは肌のハリとシミ予防に効果的なので食事を作る奥様にも嬉しいビタミン。

ビタミン ミネラル アミノ酸
E B1 B2 C 亜鉛 セレン マンガン アルギニン アスパラギン酸
蓮根100g 0.6mg 0.1mg 0.01mg 48mg 0.3mg 1μg 0.78mg 120mg 690mg
かぼちゃ135g(1/8個) 5.27mg 0.09mg 0.11mg 58.05mg 0.41mg 0.09mg 162mg 175.5mg
ブロッコリー80g(1/3株)
※1株300g(廃棄率20%)
2.4mg 0.14mg 0.18mg 112mg 0.64mg 1.6μg 0.22mg 264mg 392mg
ピーマン52g(2個)
※1個30g(廃棄率15%)
0.42mg 0.02mg 0.02mg 39.52mg 0.1mg 0.11mg 19.24mg 62.4mg
ゴーヤ106g(1/2個)
※1個250g(廃棄率15%)
0.85mg 0.05mg 0.07mg 80.56mg 0.21mg 0.11mg 89.04mg 79.5mg
パプリカ63g(1/2カット)
※1個140g(廃棄率10%)
2.71mg 0.04mg 0.09mg 107.1mg 0.13mg 0.08mg 22.68mg 182.7mg
じゃが芋135g(1個)
※1個150g(廃棄率10%)
0.12mg 0.04mg 37.8mg 0.27mg 0.5mg 114.75mg 472.5mg
キウイ94g(1個)
※1個110g(廃棄率15%)
1.22mg 0.01mg 0.02mg 66.74mg 0.09mg 0.94μg 0.08mg 57.34mg 91.18mg
柿1個182g
※1個200g(廃棄率10%)
0.18mg 0.05mg 0.04mg 127.4mg 0.18mg 0.91mg 30.76mg 65.52mg
いちご60g(4個) 0.24mg 0.02mg 0.01mg 37.2mg 0.12mg 0.12 20.4mg 114mg
レモン1個 果汁45g
※1個150g
0.05mg 0.02mg 0.01mg 22.5mg 0.05mg 0.01mg 3.83mg 54mg

参考レシピ

arginine

アルギニン

アルギニンは自然界に存在するアミノ酸で、体内ではたんぱく質の材料になるだけでなく、一酸化窒素(NO)クレアチンポリアミンなどの合成にも関わる“機能性アミノ酸”として整理されます。特にNOの合成に必要な基質である点が有名で、NOは血管平滑筋を弛緩させて血管を拡張し、血流調整に関与します。

「体内でも作れるが食事やサプリで補う必要がある」という部分は、より正確にはアルギニンが条件付き必須として扱われる点がポイントです。健康な成人でもアルギニンは体内で合成されますが、成長期・病気・外傷・強いストレスなどでは需要が増え、供給が追いつきにくくなることがある、という整理です。

「成長ホルモン(GH)」については、アルギニンが下垂体からGH分泌を促す刺激薬として、医療現場のGH刺激試験に使われることがある、という事実があります。ただし、これは医療検査の文脈であり、経口サプリで“確実にGHが増える”と断定するのは避けるのが安全です。

ED(勃起不全)の話題では、勃起はNOシグナルが重要で、NOが海綿体平滑筋を弛緩させて血流を増やすことが基本機序として解説されています。その上で、L-アルギニンの経口補充については、研究(RCTやメタ解析)で一定の改善が示された報告がある一方、効果の大きさは症例や用量でばらつきがあり、万能ではありません。安全な書き方としては、「血流(血管)を意識した生活習慣の一部として、補助的に検討される成分」が堅いです。

不妊の話題では、男性側は精子機能(特に運動性)との関連で、L-アルギニン投与で改善がみられた古典的報告があります。ただし研究デザインや背景がさまざまで、「誰にでも効く」とは言い切れないため、あくまで“補助”の位置づけが無難です。女性側も、薄い子宮内膜への介入としてL-アルギニンを検討した試験報告があり、こちらも限定的なエビデンスとして紹介するのが安全です。

注意点として、アルギニンは血管拡張に関わるため、血圧を下げる薬抗凝固・抗血小板薬などとの併用、また心血管疾患の状況によっては注意が必要です。特に心筋梗塞後を対象にした試験(VINTAGE MI)では、アルギニン補充が有益ではなく、むしろリスクが示唆されたため、心筋梗塞直後の自己判断の使用は避けるのが安全です。

アルギニンに関するよくある質問

アルギニンを多く含む食材

鶏肉、豚肉、牛肉、鮭、サバ、そら豆、高野豆腐、カシューナッツ、くるみ、大豆など

アミノ酸 ミネラル ビタミン
アルギニン アスパラギン酸 亜鉛 セレン マンガン E B1 B2 C
マグロの刺身100g(1人前) 1500mg 2500mg 0.4mg 110μg 0.01mg 0.8mg 0.1mg 0.05mg 2mg
カツオの刺身100g(1人前) 1400mg 2200mg 0.9mg 100μg 0.01mg 0.1mg 0.1mg 0.16mg
サバ140g(半身) 1680mg 2800mg 1.54mg 98μg 0.01mg 1.82mg 0.29mg 0.43mg 1.4mg
鮭80g(1切れ) 1120mg 1760mg 0.4mg 0.01mg 1.04mg 0.21mg 0.12mg
牛もも肉100g 1300mg 1800mg 3.8mg 0.01mg 0.5mg 0.08mg 0.19mg 1mg
豚ロース肉100g 1300mg 1800mg 1.6mg 21μg 0.01mg 0.3mg 0.69mg 0.15mg 1mg
鶏肉100g 1400mg 1800mg 1.6mg 17μg 0.01mg 0.7mg 0.1mg 0.15mg 3mg
サバ缶(水煮)200g(1缶) 2400mg 4000mg 3.4mg 0.04mg 6.4mg 0.3mg 0.8mg
卵1個(1個60g可食部52g) 436.8mg 676mg 0.57mg 12.48μg 0.01mg 0.68mg 0.03mg 0.19mg
納豆50g(1パック) 475mg 950mg 0.95mg 8μg 0.7mg 0.25mg 0.07mg 0.15mg 1.5mg
油揚げ30g(1枚) 600mg 930mg 0.75mg 2.4μg 0.47mg 0.39mg 0.02mg 0.01mg
大豆30g(大さじ2) 870mg 1350mg 0.93mg 1.5μg 0.68mg 0.69mg 0.21mg 0.08mg 0.9mg
そら豆60g(10粒) 1440mg 1680mg 2.76mg 1.8μg 0.42mg 0.3mg 0.12mg
高野豆腐16g(1個) 704mg 1072mg 0.83mg 3.04μg 0.69mg 0.3mg 0mg 0mg
絹ごし豆腐150g(1/2丁) 705mg 1080mg 0.75mg 1.5μg 0.51mg 0.15mg 0.17mg 0.06mg
木綿豆腐150g(1/2丁) 900mg 1365mg 0.9mg 6μg 0.62mg 0.3mg 0.14mg 0.06mg
落花生10g(20粒) 330mg 340mg 0.23mg 2μg 0.16mg 1.1mg 0.04mg 0.01mg
カシューナッツ15g(10粒) 360mg 300mg 0.81mg 4.05μg 0.09mg 0.08mg 0.03mg
アーモンド10g(10粒) 220mg 230mg 0.36mg 0.25mg 3mg 0.02mg 0.11mg
くるみ20g(5個) 460mg 320mg 0.52mg 0.69mg 0.24mg 0.05mg 0.03mg
ごま6g(大さじ1) 174mg 114mg 0.1mg 0.6μg 0.13mg 0.01mg 0.06mg 0.02mg

参考レシピ

aspartic acid

アスパラギン酸

アスパラギン酸(アスパラテート)は、体内にもともと存在する非必須アミノ酸で、食事から摂らなくても体内で合成できます。ただし重要なのは「たんぱく質の材料」だけでなく、エネルギー代謝の要所窒素(アンモニア)処理アルギニン合成などに関わる“代謝の中継点”として登場することです。

「疲労物質である乳酸を分解する」という説明は、運動生理の整理としては慎重に扱うのが安全です。近年のレビューでは乳酸(ラクテート)は疲労の原因というより、むしろ重要なエネルギー基質として扱われます。したがってアスパラギン酸の説明は、乳酸の“分解”ではなく、エネルギー産生を回す仕組みを支える方向に寄せるのが堅いです。

アスパラギン酸が「スタミナ」「代謝」の話題に登場する根拠として分かりやすいのが、マレート‐アスパラテートシャトルです。これは、細胞質で生じたNADHの“還元力”をミトコンドリアへ渡してATP産生につなげる仕組みで、アスパラテートはそのやり取りに関わる重要な構成要素です。

もう一つの大事な役割が、肝臓の尿素回路(アンモニア解毒)です。尿素回路では、シトルリン+アスパラテート → アルギニノコハク酸(アルギニノコハク酸合成酵素)という反応があり、アスパラテートは尿素の“窒素源”としても機能します。ここは「利尿でアンモニア排出」というより、肝臓で尿素に変えて排出される流れを支える、と説明した方が正確です。

さらにアスパラギン酸は、アルギニン合成の前駆体反応にも登場します。アルギニンは体内で一酸化窒素(NO)産生に使われ、NOは血管拡張(血流調整)の重要なメディエーターとして知られます。したがってアスパラギン酸は「血管を広げる栄養素」というより、アルギニン(→NO)の代謝経路を支える材料の一つとして位置づけるのが安全です。

食品では、アスパラガス(若茎・生)100gあたりアスパラギン酸440mgが示されており、「アスパラギン酸=アスパラガス由来」という説明がしやすいデータがあります。ただし、アスパラギン酸自体は多くのたんぱく質食品にも含まれるため、“特定食品でしか摂れない栄養”ではありません

  • 安全な書き方:「疲労が取れる」より「代謝を支える」が堅い
  • 食べ方:アスパラガス+卵/豚肉/魚介などで“主菜化”すると食事として整えやすい
  • サプリの注意:カリウム・マグネシウム“アスパラギン酸塩”は体質(腎機能など)や服薬状況で注意が必要

アスパラギン酸に関するよくある質問

アスパラギン酸を多く含む食材

アスパラガス、豆類など

アミノ酸 ミネラル ビタミン
アルギニン アスパラギン酸 亜鉛 セレン マンガン E B1 B2 C
イカ100g
※1切れ15g×7=105g
1260mg 1575mg 1.58mg 43.5μg 2.21mg 0.07mg 0.05mg 1.05mg
マグロの刺身100g(1人前) 1500mg 2500mg 0.4mg 110μg 0.01mg 0.8mg 0.1mg 0.05mg 2mg
カツオの刺身100g(1人前) 1400mg 2200mg 0.9mg 100μg 0.01mg 0.1mg 0.1mg 0.16mg
サバ140g(半身) 1680mg 2800mg 1.54mg 98μg 0.01mg 1.82mg 0.29mg 0.43mg 1.4mg
鮭80g(1切れ) 1120mg 1760mg 0.4mg 0.01mg 1.04mg 0.21mg 0.12mg
アジの開き78g(1尾) 1170mg 1872mg 0.7mg 0.01mg 0.78mg 0.09mg 0.11mg
ホッケの開き100g(1/4尾) 1089mg 1782mg 1.09mg 0.01μg 0.01mg 1.68mg 0.09mg 0.17mg 0.99mg
牛もも肉100g 1300mg 1800mg 3.8mg 0.01mg 0.5mg 0.08mg 0.19mg 1mg
豚ロース肉100g 1300mg 1800mg 1.6mg 21μg 0.01mg 0.3mg 0.69mg 0.15mg 1mg
鶏肉100g 1400mg 1800mg 1.6mg 17μg 0.01mg 0.7mg 0.1mg 0.15mg 3mg
牛レバー肉100g 1200mg 1900mg 3.8mg 50μg 0.3mg 0.22mg 3mg 30mg
豚レバー肉100g 1100mg 1900mg 6.9mg 67μg 0.4mg 0.34mg 3.6mg 20mg
サバ缶(水煮)200g(1缶) 2400mg 4000mg 3.4mg 0.04mg 6.4mg 0.3mg 0.8mg
卵1個(1個60g可食部52g) 436.8mg 676mg 0.57mg 12.48μg 0.01mg 0.68mg 0.03mg 0.19mg
納豆50g(1パック) 475mg 950mg 0.95mg 8μg 0.7mg 0.25mg 0.07mg 0.15mg 1.5mg
油揚げ30g(1枚) 600mg 930mg 0.75mg 2.4μg 0.47mg 0.39mg 0.02mg 0.01mg
大豆30g(大さじ2) 870mg 1350mg 0.93mg 1.5μg 0.68mg 0.69mg 0.21mg 0.08mg 0.9mg
蓮根100g 120mg 690mg 0.3mg 1μg 0.78mg 0.6mg 0.1mg 0.01mg 48mg
アスパラガス100g(5本) 120mg 440mg 0.5mg 0.19mg 1.5mg 0.14mg 0.15mg 15mg
じゃが芋135g(1個)
※1個150g(廃棄率10%)
114.75mg 472.5mg 0.27mg 0.5mg 0.12mg 0.04mg 37.8mg
そら豆60g(10粒) 1440mg 1680mg 2.76mg 1.8μg 0.42mg 0.3mg 0.12mg
高野豆腐16g(1個) 704mg 1072mg 0.83mg 3.04μg 0.69mg 0.3mg 0mg 0mg
絹ごし豆腐150g(1/2丁) 705mg 1080mg 0.75mg 1.5μg 0.51mg 0.15mg 0.17mg 0.06mg
木綿豆腐150g(1/2丁) 900mg 1365mg 0.9mg 6μg 0.62mg 0.3mg 0.14mg 0.06mg

参考レシピ

mucopolysaccharide

ムコ多糖類

「ムコ多糖類」という言葉は、実は2つの意味で使われやすい点を押さえると、内容がグッと正確になります。厳密にはムコ多糖類はグリコサミノグリカン(GAG:ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)を指し、私たちの体(結合組織など)に存在する“糖鎖成分”です。一方で、食品の世界ではオクラ・山芋などの「ネバネバ」を便宜的にムコ多糖類と呼ぶことがあり、こちらは主に水溶性食物繊維(粘質多糖=mucilage)として整理するほうが正確です。

食品の“ネバネバ”の代表例として、オクラの粘質はペクチン系多糖が中心とされ、これが粘性の主因になります。山芋(長芋など)の粘りも研究では、複数の糖(マンノース等)とアミノ酸/たんぱく質を含む粘質成分として報告されています。つまり「ネバネバ=同じ成分」ではなく、食材ごとに中身が少しずつ違います。

では、ネバネバ食材が「体に良い」と言われる理由は何かというと、ポイントは粘性(水を抱え込んでゲル状になりやすい性質)です。粘性のある水溶性食物繊維は、胃腸内で内容物の移動や混ざり方に影響し、食後の“吸収スピード”や血糖・脂質の話題で研究されています(例:粘性水溶性食物繊維の補充が血糖・血中脂質に有利に働いたというメタ解析報告)。

「胃腸の粘膜を守る」「消化性潰瘍から守る」といった表現は、医療系コンテンツでは断定を避け、“粘性がある食材は、胃腸にやさしい食感として取り入れやすい”“食物繊維として腸内環境や粘膜バリアの話題に結びつけて語られる”くらいが堅いです(エビデンスは食材・条件で幅があります)。

「ドライアイ」については、ここも分けて整理すると誤解が減ります。ヒアルロン酸(GAG)は点眼製剤としてドライアイ治療で広く使われ、メタ解析でも有効性が比較されています。一方、食品のネバネバ(オクラや山芋)を食べることでドライアイが改善すると一般化するのは難しいため、“ムコ多糖類という言葉の範囲が違う”ことを明記しておくのが安全です。

最後に「ビタミンB1と一緒に摂ると効果が上がる」については、相乗効果を断定するより、食事設計としてネバネバ食材は主食(糖質)と組み合わせやすい → 糖質代謝のビタミンB1も不足しない設計にする、という“組み立てのコツ”として説明すると自然です。

  • ネバネバの代表例:オクラ(ペクチン系)、山芋(粘質多糖+たんぱく質)、海藻(アルギン酸など)
  • 食べ方のコツ:単品より、主菜(卵・肉・魚・豆腐)や野菜と合わせて“食事として整える”
  • 注意:食物繊維を急に増やすとお腹が張ることがあるため、量は段階的に

ムコ多糖類に関するよくある質問

ムコ多糖類を多く含む食材

納豆、山芋、大和芋、なめこ、オクラ、モロヘイヤ、めかぶ、なまこ、イカなど

参考レシピ

citric acid

クエン酸

クエン酸は、かんきつ類や梅などの酸味の主成分として知られる有機酸です。食品成分データベースでは、例としてレモン果汁(生)100gあたりクエン酸6.5g梅干し(塩漬)100gあたりクエン酸3.4gが示されています。

「クエン酸回路(TCA回路)」は、クエン酸が“最初にできる中間体”として登場するためにそう呼ばれます。回路のスタートは、ミトコンドリア内でアセチルCoA+オキサロ酢酸→クエン酸(クエン酸合成酵素)という反応で、ここで作られるクエン酸(citrate)は体内で生成される代謝中間体です。つまり「クエン酸が不足すると回路が回らない」というより、回路が回るかどうかは酵素活性酸素供給基質(糖・脂質など)、そして補酵素として関わるビタミンB群などの条件で決まります。

また「疲労物質=乳酸」という説明は単純化されすぎており、レビューでは乳酸(ラクテート)は疲労の原因というより重要なエネルギー基質として位置づけられています。したがって、クエン酸についても「乳酸が貯まるのを防ぐ」と断定するのではなく、食事の酸味で食べやすくなる運動後のリカバリー指標(血中ラクテートなど)で検討された研究がある、という整理が安全です(実際、クエン酸摂取と血中ラクテートの推移を検討した報告はありますが、結論は限定的です)。

実用面での“使いどころ”は、クエン酸を「栄養素として増やす」より、食欲が落ちるときに酸味で食事を整える料理の減塩(塩を増やさず風味を足す)、という方向が現実的です。なお梅干しは酸味が魅力ですが、塩漬は塩分が非常に高いので、少量で使う減塩タイプを選ぶといった説明をセットにすると信頼性が上がります。

  • 多く含む食品:レモン果汁、梅干し(塩分注意)、酢・かんきつ類など
  • 食事での活かし方:酸味を“アクセント”にして、主菜(たんぱく質)+野菜を食べやすくする
  • 注意:酸性食品の“だらだら摂取”は歯に不利になり得るため、食事の中で適量に

クエン酸に関するよくある質問

クエン酸を多く含む食材

梅干し、レモン、酢、ライム、シークアーサー、イチゴキウイ、パイナップルなど

参考レシピ

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