不妊とED
不妊の原因は女性側だけでなく男性側にもあり、精子の数や運動率などの問題に加えて、ED(勃起不全)によって妊娠に必要な性行為を十分に行えないことが、不妊の一因となる場合があります。特に、妊娠を希望して一定期間妊活を続けているにもかかわらず妊娠に至らない場合には、男女双方から原因を考えていくことが大切です。
妊活では排卵のタイミングをできるだけ正確に把握し、妊娠しやすい時期に性行為を行うことが重要ですが、その一方で「この日にしなければならない」「今回こそ妊娠につなげたい」という義務感やプレッシャーが強くなり、普段は問題なく勃起できる男性でも中折れや挿入困難などのED症状が起こることがあります。
このページでは、不妊の主な原因や妊娠しやすいタイミング、不妊とEDの関係について解説するとともに、妊活中にEDが起こる理由や、バイアグラやバルデナフィル(レビトラジェネリック)、シアリスなどのED治療薬を男性不妊治療の一環として使用する際の安全性や注意点、保険適用についても詳しく紹介します。
最終更新日:
不妊とは?

「不妊」とは、妊娠を希望している夫婦が避妊をせず通常の性生活を行っているにもかかわらず、一定期間妊娠しない状態をいいます。世界保健機関(WHO)では、この期間を「12か月以上」と定義しています。日本産科婦人科学会でも、以前は2年間としていましたが、2015年に1年間へ変更しており、現在では1年間妊娠に至らないことが不妊の一般的な目安となっています。
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不妊とED

不妊の原因で意外と多いのが、『子作りED』『タイミングED』です。
赤ちゃんを授かるために行うセックスは、義務感やストレスを感じやすく、男女ともに性行為へ影響することがあります。特に男性では、そのストレスやプレッシャーが勃起の妨げとなり、『中折れ』や『挿入できない』などのED症状を引き起こすことがあります。
その結果、膣内に射精できず、子作りのチャンスを逃すこととなってしまいます。
また排卵日前後で、セックスの回数を増やすことが、人によっては辛いと感じてしまうことも…。
なかなか妊娠しないと、焦りからお互いに心のゆとりがなくなり、険悪なムードになってしまうことさえあります。
子作りとED治療薬
子作りの際にも、ED治療薬のバイアグラ・バルデナフィル(レビトラジェネリック)・シアリスなどは、勃起を補助して性行為を成立させるために有効です。
ED治療薬は男性が服用して妊活を行う際にも使用される薬で、男性が服用したことによって、産まれてくる赤ちゃんの先天異常(奇形)などのリスクが高まることは知られていません。実際に、バイアグラとシアリスは、勃起不全による男性不妊の治療を目的としたタイミング法において、一定の条件を満たす場合には健康保険の適用対象となっています。
また、男性不妊患者を対象とした研究では、シルデナフィルなどのPDE5阻害薬によって精子の運動率や前進運動率、正常形態率が改善したとの報告があり、精子濃度についても改善がみられた研究があります。詳しくは、以下「バイアグラ服用による精子への影響」ページをご覧ください。
大切な排卵のタイミングを逃さないためにも、EDによって性行為がうまくいかない場合には、ED治療薬の使用を検討するとよいでしょう。
※ED治療薬は、男性の勃起不全治療薬のため、女性が服用した場合の安全性は確立されておりません。
不妊治療が健康保険適用に
ED治療薬も保険適用に
令和2年9月16日の「不妊治療への保険適用を実現する」とする閣議決定を経て2022年4月から日本生殖医学会が作成した生殖医療ガイドラインにて推奨レベル「推奨度A」と「推奨度B」に分類されている「一般不妊治療全般」と「生殖補助医療」に対して健康保険が適用されるようになりました。
タイミング法においてED治療薬の使用は「推奨度A」とされており、勃起不全による男性不妊の治療を目的として、一定の条件を満たした場合には、バイアグラ錠、バイアグラODフィルム、シアリス錠が健康保険の適用となります。
ED治療薬を保険適用で処方を受けるには様々な条件を定めています。詳しくは以下をご参照下さい。
詳細 ⇒ バイアグラとシアリスが保険適用に!?|竹越昭彦院長コラム
健康保険適用の範囲について
保険適用される「一般不妊治療全般」と「生殖補助医療」については以下を参照下さい。

不妊治療に関する支援について(厚生労働省)より画像をクリックで拡大します。
不妊で悩んでいるカップルの割合
2021年の国内調査では、2.6組に1組と実に39.2%の夫婦が「不妊を心配した」経験があると回答され、実際に4.4組に1組の22.7%の夫婦が「不妊の検査や治療を受けたことがある」と回答しています。
また実際に不妊のカップルは、15~20%程度とされています。
女性の年齢別では、20代前半では5%以下、20代後半では約9%、30代前半では約15%、30代後半では約22%、40歳前半では29%と日本生殖医学会は報告しており、女性では加齢と共に自然に妊娠する力が大きく低下することが分かっております。
特に、高齢出産とされる35歳~39歳では不妊の頻度が20%を超え、5人に1人以上の割合となり、また40歳~44歳では3.5人に1人の割合とされています。

また別の学会である日本産婦人科医会での不妊率も、20歳代前半までは5%以下、20歳代後半より9%前後の不妊率になり、30歳代前半で15%、30歳代後半で30%、40歳以降では約64%としています。
WHOの調査では、不妊の原因は「女性のみに原因がある」が41%、「男性のみに原因がある」が24%、「男女双方に原因がある」が24%、「原因不明」が11%とされています。そのため、男性側に何らかの原因があるケースは「男性のみ」と「男女双方」を合わせた48%となり、不妊に悩むカップルの約半数は男性にも原因があることが分かっています。
初婚時の夫・妻の年齢
厚生労働省『人口動態統計』によると、2024年の平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.8歳でした。2000年では夫28.8歳、妻27.0歳であったことから、24年間で夫は2.3歳、妻は2.8歳上昇しています。
年齢別にみると、初婚件数そのものは減少していますが、35歳以上が占める割合は大きく上昇しています。妻では、2000年に35歳以上で初婚した人は28,173人で初婚全体の約4.5%でしたが、2024年には41,062人で約15.9%となっています。また夫でも、35歳以上の割合は2000年の約11.0%から2024年には約22.0%へ上昇しており、男女ともに初婚年齢の高齢化が進んでいることが分かります。
結婚後に子作りを始める場合、初婚年齢の上昇は妊娠・出産を希望する年齢の上昇にもつながります。特に女性は加齢とともに自然妊娠率が低下し、不妊の割合が増加することから、晩婚化は不妊の増加に関係する背景の一つと考えられます。
| 初婚総数 | 19歳以下 | 20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 | 60~64歳 | 65~69歳 | 70~74歳 | 75~79歳 | 80歳以上 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 妻 | 2024年 | 258,657 | 3,197 | 41,739 | 114,211 | 58,447 | 25,361 | 9,316 | 3,481 | 1,681 | 721 | 273 | 117 | 59 | 36 | 17 |
| 2000年 | 626,764 | 21,480 | 175,387 | 308,790 | 92,933 | 20,926 | 4,351 | 1,387 | 831 | 382 | 172 | 87 | 26 | 11 | – | |
| 夫 | 2024年 | 252,641 | 1,670 | 31,712 | 102,068 | 61,501 | 30,372 | 13,469 | 6,347 | 2,947 | 1,322 | 643 | 299 | 179 | 80 | 32 |
| 2000年 | 614,968 | 10,745 | 117,347 | 284,162 | 135,078 | 44,912 | 13,490 | 5,789 | 2,453 | 659 | 218 | 72 | 28 | 9 | – | |
出産時母親の年齢の推移
出産時の母親の年齢を見てみますと、2000年では34歳までに出産している割合が88.1%であるのに対して、2024年では69.7%へと低下しており、時代の流れとともに晩婚化・晩産化が進み、出産時の年齢が高くなっていることが分かります。
一方で、35歳以上での出産の割合は、2000年の11.9%から2024年には30.3%へと上昇しています。女性は加齢とともに妊娠率が低下し、不妊の割合が増えていくことから、晩婚と子作りの高齢化が不妊増加の大きな一因となっていると言えます。

参照元 ⇒ 母の年齢(5歳階級)・出生順位別にみた出生数 | 厚生労働省[PDF:49KB]
不妊の原因がセックスレスの可能性も

妊娠するためにもっとも重要なことは、排卵日に合わせて性行為をし、膣内に射精をすることです。
当然のことと思われがちですが、おおよそ一か月に1回しかこない排卵日に合わせて性行為をし、女性の膣内に射精し、精子を送り込むことは意外と難しく、
- 生理の日から排卵日を割り出していたが正しく計算できておらず、排卵日とずれたタイミングであった
- もともとセックスの回数が少なく、女性の排卵が起こったタイミングで精子がいない
- 子作りの日に男性のプレッシャーによる『タイミングED』によって性行為が中断し、膣内に射精できていない
特に注意したいのが、排卵日の予測のずれです。しかし、排卵日は毎月必ず同じになるとは限らず、予測していた日から大きくずれることもあります。特に、妊活を続けてもなかなか妊娠に至らない場合には、「だいたいこの時期」と考えるのではなく、排卵検査薬などを活用して排卵のタイミングをできるだけ正確に把握することも大切です。
妊娠のタイミングを考える際には、「卵子は排卵後およそ1日、精子は女性の体内でおよそ3日」を一つの目安として考えてみてください。卵子と精子の双方が受精できる状態で出会う必要があるため、排卵のタイミングがずれると妊娠の機会を逃してしまうことがあります。
また、男女ともに妊娠するうえで問題がなく、排卵のタイミングが合っていたとしても、20代から30代前半では1周期あたりに妊娠する確率は20~30%程度と考えられており、必ず受精して妊娠に至るわけではありません。そのため、特に妊娠しにくい場合には、限られた排卵のタイミングをできるだけ正確に把握し、妊娠の機会を逃さないよう妊活を進めることが重要です。
一方で、排卵のタイミングを強く意識するほど、「今日しなければならない」という義務感やプレッシャーが生じることがあります。こうした妊活特有のストレスが男性の勃起を妨げ、「中折れ」や「挿入できない」といったED症状につながることもあります。
妊活には性行為の回数がとても重要!
妊娠しやすい時期に1~2日おきにセックスをすることで、排卵が起こった際に生きている精子が女性の体内に存在する可能性が高まり、精子と卵子が出会いやすくなります。また、40歳未満の女性で、2~3日おきに避妊をせず性行為を行っているカップルでは、8割以上が1年以内に自然妊娠するとされています。
妊娠の可能性を高めるためにも、排卵のタイミングを意識するとともに、性行為の回数を確保することが重要です。
当院の不妊治療支援への取り組み
当院では不妊治療を行っている方達の支援としてED治療薬を約3割引にて処方をする割引制度を設けております。
この制度をご利用いただく条件として、不妊治療を受診された際の領収書をご提示いただく等の条件もございますので詳細は以下のリンクよりご確認下さい。
不妊についてのリンク
著者情報
浜松町第一クリニック院長。1991年に日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、東戸塚記念病院外科での勤務を経て、2004年10月に浜松町第一クリニックを開院しました。ED治療薬・AGA治療薬の処方を行う男性専門クリニックとして、21年以上にわたり診療を行い、全医院合わせて延べ360万人以上の治療実績があります。若年層の心因性EDから、生活習慣病や加齢に関連するED、AGA治療薬の継続使用に関する相談まで、幅広い年代の患者様の悩みに向き合っています。
略歴
- 1966年 生まれ
- 1991年 日本医科大学卒業
- 1991年 日本医科大学付属病院
- 1993~2002年 東戸塚記念病院 外科
- 2004年10月 浜松町第一クリニック開院
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All About「ED・勃起不全」ガイド担当
⇒【All About|竹越 昭彦 プロフィール】
- 日本性機能学会 会員
- 日本化学療法学会 会員
- 日本形成外科学会 会員
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選ばれる理由
浜松町第一クリニックは、2004年の開院以来、男性専門クリニックとしてED治療薬・AGA治療薬の処方を行ってきました。当院では、医師の問診により健康状態や服用中のお薬を確認したうえで、厚生労働省に承認された国内正規のED治療薬のみを院内で処方しており、国内未承認薬や海外製の未承認薬は一切取り扱っていません。診察は問診のみで、ズボンを脱ぐような診察はありません。来院は予約不要で、初診料・再診料は無料です。ご来院が難しい方には、初診からご利用いただけるオンライン診療にも対応しており、電話問診のうえご自宅や職場などへ郵送のほか、郵便局留で受取もできます。
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バイアグラは、服用後30~40分程度で効果を発揮し、4~5時間程度持続するED治療薬です。知名度が高く、短時間でしっかり効かせたい方に選ばれています。
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レビトラは、服用後15~30分程度で効果が出始め、5~10時間程度の効果持続が期待できるED治療薬です。先発品は販売中止となっていますので、ジェネリック医薬品をご利用ください。
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シアリスは、服用後1~3時間程度で効果が出始め、30~36時間程度持続するED治療薬です。服用タイミングにゆとりを持ちやすいのが特徴です。
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シルデナフィル錠は、バイアグラと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の25mg、50mg製剤を処方しております。
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バルデナフィル錠は、レビトラと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の10mg、20mg製剤を処方しております。
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タダラフィル錠は、シアリスと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の10mg、20mg製剤を処方しております。
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