精子の製造と射精の仕組み
男性の生殖機能は、精巣で精子が作られ、精巣上体で成熟し、性的興奮に伴って精管・射精管・前立腺・尿道を通って体外へ放出される仕組みで成り立っています。
本ページでは、精子が作られる流れ、射精の仕組み、男性ホルモンの分泌、陰茎や尿道の構造について、図を交えてわかりやすく解説します。
カウパー液による妊娠の可能性、射精できない・早く射精してしまう、精液量の減少、精液に血が混ざる場合など、射精に関するよくある疑問についても解説しています。
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精子の製造について
男性の精子は、陰茎の付け根にある袋状の器官「陰嚢(いんのう)」の中にある左右一対の「精巣(睾丸)」で作られています。
一般的に「玉袋」と呼ばれる部分が陰嚢、「金玉」と呼ばれる部分が精巣です。
陰嚢の中には精巣だけでなく、精子を一時的に貯蔵し、成熟させる「精巣上体」や、精子を運ぶ「精管」の一部も存在しています。
精子を正常に作るためには、精巣を適切な温度に保つことが重要です。陰嚢は伸びたり縮んだりすることで、精巣の温度を体温よりやや低い状態に調節しています。
例えば、寒い環境では陰嚢の筋肉が収縮して精巣を体に近づけ、温度が下がりすぎるのを防ぎます。一方、暑い環境では陰嚢がゆるんで精巣を体から離すことで、熱を逃がしやすくします。このように、陰嚢は精子を作るために適した環境を維持する役割も担っています。
陰嚢の中にある精巣は、直径約4~5cmの卵形をした器官です。精巣の内部には「精細管」と呼ばれる細い管が多数存在し、ここで精子のもととなる細胞が分裂・分化して精子が作られます。
精子は、もともと「精祖細胞」と呼ばれる細胞から作られます。精祖細胞が分裂・分化し、最終的に成熟した精子になるまでには、およそ70~80日程度かかるとされています。
精巣で作られた精子は、そのまますぐに射精できるわけではありません。精巣から「精巣上体」へと運ばれ、精巣上体で成熟し、運動能力などを身につけながら一時的に蓄えられます。その後、性的興奮が高まると精管を通って運ばれ、射精時に精液の一部として体外へ排出されます。
また、精子は常に新しく作られているため、すべての精子が射精によって体外へ排出されるわけではありません。時間が経過した精子は自然に分解され、体内に吸収されるなどして処理されます。

射精の仕組み

男性が性的刺激を受けると、まず勃起が起こり(勃起の仕組み参照)、性的興奮が高まるにつれて、射精に向けたさまざまな反応が起こります。
性的興奮が高まると、前立腺と尿道海綿体の間にある「尿道球腺(カウパー腺)」からカウパー腺液(尿道球腺液)が分泌されます。カウパー腺液には、尿道内を滑らかにして精液が通りやすくする働きがあります。また、尿道内の環境を整えることで、精子が活動しやすい環境を作ることにも関わっています。
そして射精が近づくと、精巣上体に蓄えられていた精子が、精管の収縮運動によって「精管」へと運ばれます。精管は精子を精巣から尿道付近まで運ぶ細い管です。その後、精子は精管から「射精管」へと移動します。
射精管に運ばれた精子は、途中で精嚢(せいのう)から分泌される精嚢液や、前立腺から分泌される前立腺液と混ざり合います。こうして精子と各器官からの分泌液が混ざったものが「精液」です。
さらに性的興奮が頂点に達してオーガズムを迎えると、前立腺や精管などの筋肉がリズミカルに収縮し、精液が尿道へと押し出されます。そして、精液が尿道を通って陰茎の先端にある外尿道口から体外へ放出される現象が「射精」です。
このように射精は、単に精子が体外へ出るだけの現象ではありません。精巣で作られた精子が精巣上体で成熟し、精管を通って運ばれ、精嚢液や前立腺液と混ざって精液となり、最終的に尿道から体外へ排出されるという、複数の器官が連携して起こる複雑な生理現象です。
なお、1回の射精で放出される精子の数には個人差がありますが、一般的には数千万~数億個程度の精子が含まれるとされています。射精された精子の生存期間も環境によって異なり、女性の生殖器内では条件が整えば数日程度生存することがあります。
精巣のもう1つの機能~男性ホルモンの分泌
精巣には、精子を作るだけでなく、男性ホルモンである「テストステロン」を分泌するという重要な働きがあります。テストステロンは主に精巣にある「ライディッヒ細胞(間質細胞)」で作られ、男性の身体や性機能を維持するために重要な役割を果たしています。
テストステロンの分泌量は思春期になると増加し、筋肉や骨の発達、体毛の成長、声変わりなど、男性らしい身体の形成に関わります。また、性欲や性的機能、気力や活力などにも関係していることが知られています。
テストステロンは若年期に比較的多く分泌されますが、一般的には加齢に伴って徐々に分泌量が低下していきます。ただし、低下の程度には個人差があり、年齢だけでなく、ストレスや睡眠不足、肥満などさまざまな要因が関係します。
テストステロンが著しく低下すると、性欲の低下、疲れやすい、気力が出ない、筋力の低下など、心身にさまざまな症状が現れることがあります。こうした状態は「男性更年期障害」と呼ばれることがあり、医学的にはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)として診断・治療の対象となる場合があります。
また、テストステロンは性機能とも深く関係しているため、テストステロンの低下が性欲の低下やED(勃起不全)などにつながることもあります。「以前より性欲がなくなった」「疲れやすくなった」「勃起しにくくなった」などの変化が気になる場合は、年齢のせいと決めつけず、医療機関に相談してみることをおすすめします。
陰茎の構造
男性器(男性生殖器)のうち、体の外側に突出している主な器官が「陰茎」と「陰嚢(いんのう)」です。陰茎には、尿を体外へ排出する「排尿」と、精液を体外へ放出する「射精」という2つの役割があります。そのため、陰茎の内部を通る「尿道」は、尿と精液の両方が通る共通の通路となっています。
尿と精液が同時に排出されないのは、射精時に膀胱頸部(ぼうこうけいぶ)が閉じるなど、神経や筋肉の働きによって尿と精液の流れが調節されるためです。男性の尿道は、膀胱から前立腺を通り、陰茎の内部を経て体外へと続いています。

陰茎の大部分を構成しているのが「海綿体」と呼ばれる組織です。陰茎には、左右一対の「陰茎海綿体」と、その下にある「尿道海綿体」の合計3本の海綿体があります。尿道は、このうち尿道海綿体の内部を通っています。
陰茎海綿体は、勃起において中心的な役割を果たす組織です。左右に1本ずつ存在し、陰茎の根元から先端付近まで伸びる太い棒状の組織を形成しています。一方、尿道海綿体は陰茎の下面に位置し、尿道を包み込むようにして亀頭まで続いています。
3本の海綿体は、それぞれ「白膜(はくまく)」という丈夫な膜に覆われています。また、海綿体の内部には「海綿体洞(かいめんたいどう)」と呼ばれる血液が入り込む空間が多数存在しており、スポンジのような構造になっています。
通常時は、陰茎海綿体につながる動脈の平滑筋が収縮しているため、海綿体洞に大量の血液が流れ込むことはありません。しかし性的刺激を受けると、神経を介した反応によって平滑筋が弛緩し、動脈が拡張します。
すると陰茎海綿体へ流れ込む血液量が増加し、海綿体洞に大量の血液が充満します。陰茎海綿体が血液で膨張すると白膜が張り、その圧力によって静脈が圧迫されます。その結果、海綿体に流れ込んだ血液が外へ流れ出にくくなり、陰茎が硬くなって勃起が維持されます。
このように、勃起は単に陰茎へ血液が流れ込むだけで起こるのではなく、動脈の拡張、陰茎海綿体への血液流入、静脈からの血液流出の抑制などが連動して起こる生理現象です。
なお、勃起時に特に大きく硬くなるのは陰茎海綿体です。一方、尿道海綿体は尿道を保護し、尿道の通り道を確保する役割があるため、陰茎海綿体ほど硬くはなりません。尿道海綿体の先端は亀頭へとつながっており、亀頭も海綿体組織によって構成されています。
泌尿器としての男性器の構造
陰茎には、性行為や射精に関わる生殖器としての役割だけでなく、尿を体外へ排出する泌尿器としての役割もあります。そのため、陰茎の内部を通る「尿道」は、尿と精液の両方が通る共通の通路となっています。
尿の場合は、膀胱に蓄えられた尿が膀胱の収縮によって尿道へ送り出され、そのまま陰茎内部の尿道を通って体外へ排出されます。一方、精液は精巣で作られた精子が精巣上体から精管へ運ばれ、精嚢や前立腺などから分泌された液体と混ざって精液となり、射精管を経て尿道へ送り出されます。
このように、尿と精液は最終的に同じ尿道を通りますが、そこへ至るまでの経路は異なります。また、排尿と射精が同時に起こらないよう、膀胱頸部や尿道周辺の筋肉、神経などが連携して尿と精液の流れを調節しています。
特に射精時には、膀胱頸部が閉じることで精液が膀胱側へ逆流するのを防ぎ、精液が尿道の先端へ向かって流れるようになります。つまり、男性の尿道は、排尿と射精という異なる役割を状況に応じて担っているのです。
また、勃起中は陰茎への血流が増加し、尿道周辺の状態も通常時とは異なるため、排尿しにくくなることがあります。これは、勃起・射精と排尿が、それぞれ神経や血管、筋肉などの働きによって細かく調節されているためです。
一方、射精時に精液が尿道側ではなく膀胱側へ逆流してしまうことがあります。これを逆流性射精といいます。逆行性射精では、オーガズムや射精感はあるものの、精液がほとんど出ない、または体外へ精液が出ないといった症状がみられます。
逆行性射精そのものが身体に大きな悪影響を及ぼすとは限りませんが、精液が体外へ正常に排出されないため、妊娠を希望している場合には不妊の原因となることがあります。気になる症状がある場合は、泌尿器科などの医療機関に相談することをおすすめします。
射精に関するよくある質問
カウパー液(我慢汁)で妊娠する可能性はあるのですか?
カウパー液(我慢汁)でも妊娠する可能性はあります。そのため、「コンドームを着けなくても、射精するときに膣の外へ出せば妊娠しない」という考えは避けましょう。
カウパー液(尿道球腺液)そのものには、通常、精子は含まれていないとされています。しかし、性的興奮が高まった際には、尿道内に残っていた精子がカウパー液に混ざる可能性があります。そのため、射精前の分泌液であっても、妊娠につながる可能性を完全に否定することはできません。
妊娠を望まない場合は、射精時だけでなく性行為の最初からコンドームを正しく使用することが大切です。
性行為時になかなか射精できないのですが、改善方法はありませんか?
性行為で射精までに時間がかかる場合、遅漏や膣内射精障害など、射精に関する機能の問題が関係している可能性があります。原因は一つとは限らず、マスターベーションの方法、心理的な要因、神経の障害、薬の副作用など、さまざまな可能性があります。
例えば、陰茎を強く握る、床にこすりつけるなど、強い刺激を伴うマスターベーションを長期間続けていると、通常の性行為では刺激が足りず、射精しにくくなることがあります。また、糖尿病などによる神経障害、過度の飲酒、手術による神経への影響、抗うつ薬などの薬剤の副作用、性行為に対する不安や緊張などが関係する場合もあります。
原因によって対処法は異なります。薬の副作用が疑われる場合は主治医に相談して薬の変更を検討したり、マスターベーションが原因の場合は刺激の強さや方法を見直したりすることで改善が期待できる場合があります。原因が複雑に絡んでいることもあるため、長期間改善しない場合は医療機関に相談することをおすすめします。
性行為時にすぐに射精してしまう場合の解決策はありますか?
性行為ですぐに射精してしまう場合は、早漏(PE)の可能性があります。早漏は射精までの時間だけで決まるものではなく、射精を自分でコントロールできないことや、そのことによって本人が強い悩みや苦痛を感じているかどうかも重要です。
改善方法にはいくつかあり、例えば刺激を抑えるタイプのコンドームを使用する、マスターベーションの方法を見直すといった方法があります。また、EDによって「勃起が弱くなる前に射精しなければ」という焦りが生じ、早漏につながっている場合には、バイアグラなどのED治療薬によって改善する可能性もあります。
海外では、ダポキセチン(Dapoxetine)を有効成分とする「プリリジー(Priligy)」が早漏治療に使用されています。ただし、ダポキセチンは日本国内では承認されていない医薬品です。当院では国内未承認医薬品であるため、取り扱っておりません。
射精した後、以前に比べて精子の量が少ないのですが原因は何でしょうか?
射精時の精液量が以前より少なくなる原因はさまざまです。加齢、射精間隔、脱水、ストレスや疲労、薬剤の影響などによって精液量が変化することがあります。
また、前立腺肥大症の治療薬など、一部の薬剤によって射精時の精液量が減少したり、精液が体外へ出にくくなったりすることがあります。特に、シロドシンなどのα1遮断薬では、射精時に精液が膀胱側へ逆流する「逆行性射精」が起こることがあります。
逆行性射精では、オーガズムや射精感はあるものの、精液がほとんど出ない、または体外へ出ないといった症状がみられます。前立腺の手術、糖尿病による神経障害などが原因となる場合もあります。
精液量の減少が続く場合や、妊娠を希望しているにもかかわらず射精時に精液がほとんど出ない場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。
射精した後、精子に血のようなものが混ざっていたのですが大丈夫?
精液に血が混ざる症状は「血精液症(けっせいえきしょう)」と呼ばれます。精嚢や前立腺、尿道など、精液が通る経路の血管から出血することで起こります。
血精液症は、前立腺や精嚢などの炎症、血管の傷などが原因となり、一時的に血が混ざるケースも少なくありません。特に一度だけ血が混ざったという場合には、自然に改善することもあります。
ただし、血精液症にはさまざまな原因があり、すべてが問題ないとは限りません。血が混ざった状態が繰り返される、長期間続く、血尿や痛みなどの症状を伴うといった場合は、泌尿器科を受診して原因を調べることをおすすめします。
また、ED治療薬を服用しているときに血精液がみられた場合でも、「ED治療薬が原因」と自己判断するのは避けましょう。血精液症の原因を確認するためにも、症状が続く場合は医療機関に相談してください。
著者情報
浜松町第一クリニック院長。1991年に日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、東戸塚記念病院外科での勤務を経て、2004年10月に浜松町第一クリニックを開院しました。ED治療薬・AGA治療薬の処方を行う男性専門クリニックとして、21年以上にわたり診療を行い、全医院合わせて延べ360万人以上の治療実績があります。若年層の心因性EDから、生活習慣病や加齢に関連するED、AGA治療薬の継続使用に関する相談まで、幅広い年代の患者様の悩みに向き合っています。
略歴
- 1966年 生まれ
- 1991年 日本医科大学卒業
- 1991年 日本医科大学付属病院
- 1993~2002年 東戸塚記念病院 外科
- 2004年10月 浜松町第一クリニック開院
-
All About「ED・勃起不全」ガイド担当
⇒【All About|竹越 昭彦 プロフィール】
- 日本性機能学会 会員
- 日本化学療法学会 会員
- 日本形成外科学会 会員
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選ばれる理由
浜松町第一クリニックは、2004年の開院以来、男性専門クリニックとしてED治療薬・AGA治療薬の処方を行ってきました。当院では、医師の問診により健康状態や服用中のお薬を確認したうえで、厚生労働省に承認された国内正規のED治療薬のみを院内で処方しており、国内未承認薬や海外製の未承認薬は一切取り扱っていません。診察は問診のみで、ズボンを脱ぐような診察はありません。来院は予約不要で、初診料・再診料は無料です。ご来院が難しい方には、初診からご利用いただけるオンライン診療にも対応しており、電話問診のうえご自宅や職場などへ郵送のほか、郵便局留で受取もできます。
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シルデナフィル錠は、バイアグラと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の25mg、50mg製剤を処方しております。
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バルデナフィル錠は、レビトラと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の10mg、20mg製剤を処方しております。
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タダラフィル錠は、シアリスと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の10mg、20mg製剤を処方しております。
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