上記アンケートなどで、女性への前戯はとても重要なことは分かりましたが、では具体的にどれくらいの強さで、どこをどのように刺激したらよいのか?というのは男性にとってはしっかりと知っておきたいところです。以下にご紹介する方法を参考に、普段はふれないようなところにも、刺激を与えて気持ちいい部分をお互いに探してみると、より充実したセックスとなり、愛を深めることができるでしょう。
タッチの強さは?
タッチの強さは、ソフトタッチ、フェザータッチとよく言われます。男性がソフトタッチをしているつもりでも、まだ女性にとってはタッチが強いと感じていることは、前戯の方法(雑、下手、激しすぎるなど)が、痛みの原因第2位にランクインしていることからも分かります。
また元CAの「つばささん」が書いているブログでも、男性の前戯中も含めてタッチが強いということが、書かれています。
※元CAでAV女優の羽田つばささんが執筆しているように臭わしてる怪しいブログですが書かれていることは、とても参考になります。
参照元 ⇒ 元CAが教えるセックステクニックが上手くなる方法(外部リンク)
具体的にどれくらいの強さで触れたらよいのか
当院でもご紹介している「スローセックス」を提唱しているアダム徳永氏の「アダムタッチ」が参考になります。
- 産毛を触るか触らないかくらいの0.1ミリ単位の強さ
- ソフトタッチでも動きが速いと意味がなく、3秒で10cm程度移動するゆっくり動かす
前戯は男性が思っている以上にソフトに触れるか触れないくらいの強さで動きをゆっくりと行うことがポイントと言えます。女性が気持ちいいと思うのは男性がびっくりするくらいに繊細な動きで、実際には皮膚には触れずに気配や手のぬくもりを感じ取らせる(動かしている時にたまに触れてしまう)くらいのイメージを持つとよいでしょう。前戯中は、気持ちよくしようと集中してつい無言になってしまいますが、どこが気持ちいいのかなど言葉でコミュニケーションを取るのを忘れないようにしましょう。
またアダム徳永氏は、動画の中で「気を放出する右手」を使ってアダムタッチを行い、「気を受け取る左手」はパートナーの手を繋ぎながら行うなども提唱しており、こういった細かな気配りまでしながら、前戯を行う必要があると解説しています。
参照元:アダム徳永のスローセックス大学【男塾公式】(youtube・外部リンク)
どこを刺激するのか?
「性器」や「乳首」を最終的に刺激していくのですが、女性の性欲が高まっていないときにいきなり「性器」や「乳首」に触れるのはNG!です。その前に女性の体に手や口で触れて知覚神経を刺激し、脳を興奮させることが前戯では大切となります。触れることで脳の大きな面積に刺激が伝わる体の部位は、唇、舌、手や指、また足(足首より下の部分)であることがペンフィールドのマップによって分かっています。
参照元:日本学術会議(内閣府・外部リンク)
脳の中の地図(ペンフィールドのマップ)
このペンフィールドのマップを、前戯に応用させた方法を、愛媛県の性交痛外来を行っている「女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室(以下動画の11分00秒を参照)」で詳しく解説されていましたので、参考にご覧になってみてください。
ペンフィールドマップに基づいて、唇、舌、手や指、また足(足首より下の部分)に触れて前戯を行うと、どれも小さい部位への刺激にも関わらず、脳の広い面積を簡単に刺激することができます。例えば、「ディープキスをする」「女性の手や指を舐める」「女性の足にキスをする」などが思いつきますが、「手をつないだままディープキスをする」「女性の足と指を手とくちびるで同時に刺激する」、「首筋や耳にキスをする時も手をにぎりながら行う」など複数箇所を同時に刺激するとより効果的でしょう。アダム徳永氏が提唱している手を繋ぎながら全身をアダムタッチしていくというのも、実際に合理的な方法であることが分かります。
ペンフィールドのマップとは?
カナダの脳外科医ペンフィールドが、てんかん患者の手術部位を決定するため、ヒトの大脳皮質を電気刺激することで、脳の運動野や体性感覚野と体の部位との対応関係を地図にしたもの。ヒトの体の部位の表面積とそれに反応する脳の面積の割合は1:1ではなく、人間の身体の部位の運動機能や触覚が、大脳皮質のどこにどれくらいの面積割合で対応しているのかを表している。
参考:日本学術会議(内閣府・外部リンク)
脳の中の地図(ペンフィールドのマップ)(外部リンク・日本学術会議)
敏感な「性器」や「乳首」に触れる時もゆっくり丁寧に
女性の性的興奮が高まってきたら、「性器」や「乳首」に刺激を与えていきますが、このときもイカせることを目的に男性は強く激しくしてしまいますが、はじめは優しくゆっくりと触れてより性的興奮を高めることをイメージしながら行います。興奮期⇒平坦(高原)期⇒オーガズム⇒消退期という流れで性的興奮は進んでいくので、興奮期の初期段階からいきなり動きを速く強くしてイク(オーガズム)ということはなく、女性が平坦(高原)期に入るまでにはやさしく丁寧に、時間をかけて行う必要があります。
女性の性的興奮が「平坦(高原)期」にまで達してはじめて、速い動きを女性は気持ちいいと感じるようになっていき、さらに痛みを感じさせずに気持ちいい刺激を与え続けてはじめてイク(オーガズム)に達することができるのです。速い動きといっても、「雑」「強い」ではダメで、速くても女性に痛みを感じさせないソフトなタッチで、「一定の速度で行う動き」が重要となります。女性は平坦(高原)期に入った後は、イク(オーガズム)に達しても適切な性的刺激があれば、オーガズムを何度も繰り返すことできるのが男性と違うところで、イキっぱなしになることもあります。
膣液にだまされるな!挿入のタイミングは?
女性が興奮しているかは、女性器が濡れているかどうかで判断している男性が多いのではないでしょうか?
しかし、女性器はまだ十分に脳が性的興奮していない性反応の興奮初期でも、膣壁から分泌される膣液によって濡れやすい状態。濡れているから興奮が高まっていると勘違いして、キスやハグなど前戯2~3分ですぐに女性器に指を入れたりペニスを挿入してしまうため、女性が痛みを感じたり、オーガズムに達することができずに終わってしまうということが起きます。しかし、女性の興奮が高まり平坦(高原)期に近づき、膣液とは別に、膣口の脇に位置するバルトリン腺や尿道の両脇にあるスキーン腺から粘液が分泌されてはじめて挿入する準備が整います。興奮初期に分泌される膣液はサラサラなのに対して、バルトリン腺液やスキーン腺液は、ヌルヌルとしていて、ペニス挿入の際の潤滑剤の役割があるため、バルトリン腺液やスキーン腺液が分泌されるまでしっかりと前戯をすることが重要で、女性の性的興奮が高まるには時間がかかることを理解する必要があります。
膣液は、膣内に分泌されるため、膣の中からビシャビシャとでてくるのに対して、バルトリン腺液やスキーン腺液は中からではなく女性器の表面が急にヌルヌルとしてくるような感覚のため、慣れてくれば違いは分かります。
バルトリン腺液やスキーン腺液が分泌されているか分からなくても、時間を意識して、上記で説明したソフトなタッチで、女性への前戯を10分~15分行うことをまずは徹底してみましょう。
もし「くすぐったい」と言われたら
くすぐったいと感じるか、気持ちいいと感じるかは紙一重です。くすぐったいと言われるのは動きが速い、皮膚に接する部分が面ではなく点になっていることが挙げられます。タッチの強さは変えずに移動する速さをさらにゆっくりと動かしてみて反応を見てみましょう。また接する部分は、指先ではなく指の腹の部分を使って刺激すると感覚が変わってきます。それでもくすぐったいと言われるようであれば、一旦他の部分を刺激して、性的興奮が高まったところで同じように刺激すると気持ちいいと感じさせることができます。
それでもくすぐったいようであれば、そこの部位には執着せず、気持ちいいと感じる他の場所を刺激していきましょう。