高血圧とED(勃起不全)について
高血圧は、血圧が高い状態が続く病気で、一般に診察室血圧が140/90mmHg以上の場合に診断されます。自覚症状がほとんどないまま進行することも多く、長期間にわたって血管に負担がかかることで、動脈硬化や心血管疾患などのリスクを高めます。
また、高血圧によって血管内皮機能が低下したり動脈硬化が進行したりすると、陰茎への血流が十分に確保できなくなり、ED(勃起不全)が起こりやすくなります。実際に当院が40~79歳の男性4,000人を対象に行った調査でも、血圧が高いほどEDの割合が高くなる傾向が確認されています。
このページでは、高血圧の診断基準や高血圧とEDの関係について、当院の調査結果を交えて解説するとともに、降圧薬によるEDへの影響や、高血圧の方がバイアグラなどのED治療薬を使用する際の注意点について詳しく紹介します。
最終更新日:
高血圧とは
高血圧症は「血圧が正常範囲を超えている状態が継続する」疾患であり、年齢が上がるにつれて発生する割合が高くなる病気です。2024年12月20日に厚生労働省より公開された「令和5(2023)年患者調査の概況」では、高血圧で医療機関を受診している総患者数は、男性743万4000人、女性866万1000人と合計1,600万人を超えており、3年前の調査よりも約100万人増加している結果となりました。
また、医療機関を受診していない人も含めると、国民の3人に1人にあたる4,300万人が高血圧であると推計されています。
出典
日本生活習慣病予防協会ホームページ
高血圧性疾患で治療を受けている総患者数は、1,609万2,000人
⇒令和5年(2023)「患者調査の概況」より
出典
4,300万人が高血圧
⇒高血圧管理・治療ガイドライン2025(ライフサイエンス出版・外部サイト)より
高血圧の診断基準
「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」では、血圧値を下表のように段階分けして評価し、医師が状態に応じた治療方針を選択します。
高血圧は(診察室血圧で)140/90mmHg以上を目安に診断され、生活習慣の改善を基本に、必要に応じて薬での治療を行います。
またJSH2025では、降圧目標を年齢によらず原則、診察室血圧130/80mmHg未満(※家庭血圧は125/75mmHg未満)に統一しました。※ただし、体調や合併症など個別状況により目標は調整されます。
高血圧には自覚症状がない場合も多々ありますが、さまざまな別の疾患を引き起こす病因にもなることから、十分な注意が必要です。
| 分類 | 最高血圧 (mmHg) |
最低血圧 (mmHg) |
|---|---|---|
| 正常血圧 | 120未満 (115未満) |
80未満 (75未満) |
| 正常高値血圧 | 120~129 (115~124) |
80未満 (75未満) |
| 高値血圧 | 130~139 (125~134) |
80~89 (75~84) |
| I度高血圧 | 140~159 (135~144) |
90~99 (85~89) |
| II度高血圧 | 160~179 (145~159) |
100~109 (90~99) |
| III度高血圧 | 180以上 (160以上) |
110以上 (100以上) |
| 孤立性 収縮期高血圧 |
140以上 (135以上) |
90未満 (85未満) |
※( )内は家庭血圧の基準値です。正常血圧・正常高値血圧は最高血圧と最低血圧の両方が基準を満たす場合、高値血圧~III度高血圧は最高血圧または最低血圧のいずれかが該当する場合に分類されます。

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高血圧とED(勃起不全)の関連性
高血圧診断の段階別でEDの症状に変化があるかを調べるため当院にて行ったアンケート調査を実施しました。結果、血圧が高いとEDのリスクは高まることが明確にわかりました。
集計期間 : 2021年5月7日~9日
調査方法 : インターネット集計
調査対象 : 日本全国の40~79歳の男性 合計4,000人(5歳階級ごとに500人)
- EDではない:毎回、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
- 軽度ED:たいていの場合、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
- 中等度ED:時々、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
- 重度ED:毎回、性交に十分な勃起が得られない。また、維持もできない
| EDではない | 軽度ED | 中等度ED | 重度ED | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 正常血圧 | 579 (59.3%) | 201 (20.6%) | 117 (12.0%) | 79 (8.1%) | 976 (100%) |
| 正常高値血圧 | 543 (52.2%) | 217 (20.9%) | 154 (14.8%) | 127 (12.2%) | 1,041 (100%) |
| 高値血圧 | 463 (45.2%) | 215 (21.0%) | 191 (18.6%) | 156 (15.2%) | 1,025 (100%) |
| 最高血圧:140以上 かつ/または 最低血圧:90以上 (mmHg) |
298 (37.6%) | 182 (23.0%) | 156 (19.7%) | 156 (19.7%) | 792 (100%) |
| 不明 | 89 (53.6%) | 26 (15.7%) | 18 (10.8%) | 33 (19.9%) | 166 (100%) |
血圧を制御する高血圧治療薬の種類
高血圧症に対してよく使用される薬として、「利尿薬」や「カルシウム拮抗薬」、「β遮断薬」「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」があります。
これらの薬の副作用でEDを引き起こす可能性もあり、注意が必要です。
利尿薬とカルシウム拮抗薬
血圧は血管と中を流れる血液の量で決まります。水道とホースの関係のように水流が多ければ、またホースが細ければ圧力は高くなります。反対に太いホースの中に少量の水が流れる場合は圧力が低くなるという原理です。
「利尿薬」は流れる血液の量を減らす効果を利用、「カルシウム拮抗薬」は血管を広げることで血圧の上昇を抑える降圧剤です。
「利尿薬」の効果は腎臓の働きに関連します。人の体を流れる血液は栄養分や酸素、二酸化炭素、老廃物を運ぶためのものであり水分を多く含みます。腎臓は主に血液中の老廃物と水分をろ過して尿として体外に排出するための臓器であり、血液中から水分が取り除かれることで血液の量が減少、血圧が適正に保たれます。「利尿薬」は腎臓から体外へ水分の排泄を補助する効果があり、結果的に高血圧の治療に役立ちます。

「カルシウム拮抗薬」は血管拡張作用をもつ薬です。血管を太く広げることで血圧の上昇を抑制、高血圧の治療につながります。「カルシウム拮抗薬」は構造の特徴から大別して3つに分類されますが、高血圧の治療に効果があるのは主にジヒドロピリジン系。高血圧治療の第一選択薬とされ幅広く患者様に使用されています。

アンジオテンシン系降圧剤
「β遮断薬」「アンジオテンシンII(2)受容体拮抗薬」「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」の3つは、いずれも「アンジオテンシン」と呼ばれる生理活性物質に着目した降圧剤です。「アンジオテンシン」にはI(1)からIV(4)の4種類があります。腎臓から分泌される「レニン」と呼ばれる生理活性物質の作用により、まず「アンジオテンシンI(1)」が作られます。その後「アンジオテンシン変換酵素(ACE:angiotensin converting enzyme)」の働きによって生成された物質は「アンジオテンシンII(2)」に変換されます。この「アンジオテンシンII(2)」が受容体と結合することで血圧が上昇することがわかっています。
アンジオテンシンの働きを利用した血圧コントロールには、3つのアプローチが考えられます。
第一は「アンジオテンシンI(1)」の原因となる「レニン」の分泌を防ぐことです。交感神経のアドレナリン受容体の一種「β1」を阻害することによりレニン放出が抑制され、「アンジオテンシンI(1)」の生成を抑えます。この方法を利用する薬剤が「β遮断薬」です。
(β遮断薬は、心拍数・心拍出量の減少によって、血圧を低下させる作用との相乗効果があります)

二番目は「アンジオテンシンII(2)」が受容体と結合することを防ぐ方法です。受容体は2種類「AT1受容体」と「AT2受容体」があることが知られており、ほとんどは「AT1受容体」と結合し血管を収縮することで血圧の上昇が起こります。「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」は「AT1」との結合を直接阻害し、高血圧の原因を取り除きます。

第三のアプローチは「アンジオテンシンII(2)」を生成する ACE の働きを妨害することです。「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」がこの効果による降圧剤です。酵素の英名から「ACE 阻害薬」とも呼ばれます。

「動脈硬化」と「降圧剤の副作用」でEDに
高血圧の方では、動脈硬化が進んでいる可能性が高く、それだけでもEDのハイリスク群ですが、さらに高血圧の治療で降圧剤を服用されている方は、動脈硬化と降圧剤の副作用のダブルパンチでED症状が出ている可能性があります。器質性と薬剤性の複合型EDです。
中折れや勃起に十分の硬さが出ないなどのED症状がある場合は、降圧剤とバイアグラなどのED治療薬の併用は可能で、多くの方が満足いく勃起を取り戻していますので、試してみると良いでしょう。
※硝酸薬(ニトログリセリン等)やNO供与剤を使用中の方は併用できません。服用中の薬はすべて必ず医師に申告してください。
著者情報
浜松町第一クリニック院長。1991年に日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、東戸塚記念病院外科での勤務を経て、2004年10月に浜松町第一クリニックを開院しました。ED治療薬・AGA治療薬の処方を行う男性専門クリニックとして、21年以上にわたり診療を行い、全医院合わせて延べ360万人以上の治療実績があります。若年層の心因性EDから、生活習慣病や加齢に関連するED、AGA治療薬の継続使用に関する相談まで、幅広い年代の患者様の悩みに向き合っています。
略歴
- 1966年 生まれ
- 1991年 日本医科大学卒業
- 1991年 日本医科大学付属病院
- 1993~2002年 東戸塚記念病院 外科
- 2004年10月 浜松町第一クリニック開院
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All About「ED・勃起不全」ガイド担当
⇒【All About|竹越 昭彦 プロフィール】
- 日本性機能学会 会員
- 日本化学療法学会 会員
- 日本形成外科学会 会員
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選ばれる理由
浜松町第一クリニックは、2004年の開院以来、男性専門クリニックとしてED治療薬・AGA治療薬の処方を行ってきました。当院では、医師の問診により健康状態や服用中のお薬を確認したうえで、厚生労働省に承認された国内正規のED治療薬のみを院内で処方しており、国内未承認薬や海外製の未承認薬は一切取り扱っていません。診察は問診のみで、ズボンを脱ぐような診察はありません。来院は予約不要で、初診料・再診料は無料です。ご来院が難しい方には、初診からご利用いただけるオンライン診療にも対応しており、電話問診のうえご自宅や職場などへ郵送のほか、郵便局留で受取もできます。
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決済方法
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バイアグラは、服用後30~40分程度で効果を発揮し、4~5時間程度持続するED治療薬です。知名度が高く、短時間でしっかり効かせたい方に選ばれています。
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レビトラは、服用後15~30分程度で効果が出始め、5~10時間程度の効果持続が期待できるED治療薬です。先発品は販売中止となっていますので、ジェネリック医薬品をご利用ください。
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シアリスは、服用後1~3時間程度で効果が出始め、30~36時間程度持続するED治療薬です。服用タイミングにゆとりを持ちやすいのが特徴です。
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シルデナフィル錠は、バイアグラと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の25mg、50mg製剤を処方しております。
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バルデナフィル錠は、レビトラと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の10mg、20mg製剤を処方しております。
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タダラフィル錠は、シアリスと同じ有効成分を含むジェネリック医薬品です。厚労省に承認された国内正規の10mg、20mg製剤を処方しております。
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