毎日の料理、減塩に欠かせない「だし」の基本と保存のコツ

みそ汁や煮物など、毎日の料理に欠かせないだし汁。普段どのようなものを使っていますか?だしは素材の美味しさを引きたてるほか、減塩調理にも欠かせません。今回は、和食のベースとなるだしの基本と、毎日の料理がラクになる保存のコツについてお伝えいたします。

減塩の目安は?塩分(ナトリウム)の目標量が改定

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」は、国民の健康維持・増進のために、エネルギーや各栄養素をどの程度摂取するのが望ましいかを示した基準で、5年ごとに見直しが行われています。その改定項目のひとつとして、塩分(ナトリウム)の目標量が見直されました。

成人男性では1日7.5g未満、成人女性では1日6.5g未満が目標とされ、従来より0.5g/日引き下げられています。1食あたりに換算すると、およそ2.1~2.5gが目安です。これは調味料に置き換えると、しょうゆで14~17g(大さじ1弱)、みそで17~20g(約大さじ1)程度に相当します。ただし、ベーコンやチーズ、貝類など、食材そのものに塩分が含まれている場合もあるため、実際にはこの量すべてを調味料に使えるわけではありません。

とはいえ、単純に調味料を減らすだけでは物足りなく感じやすく、減塩が続きにくくなることもあります。そんなときに役立つのが、少ない塩分でもおいしく食べやすくなる「だし(うま味)」の活用です。

だしのうま味とは?うま味成分とだしの種類

うま味は、甘味・塩味・酸味・苦味と並ぶ、私たちの舌が感じる基本の味のひとつです。だしの材料となる乾物には、さまざまなうま味成分が含まれています。代表的なものとして、昆布に多いグルタミン酸、かつお節や煮干しに含まれるイノシン酸、干ししいたけに含まれるグアニル酸などがあります。

これらの異なるうま味成分を組み合わせると、うま味の相乗効果によって、より深みのある味わいになり、素材の香りも加わることで、少ない塩分でも満足感のある味に仕上がります。減塩を意識したいときこそ、だしを上手に使うことが大切です。

一番だし|上品で香りのよい基本のだし

かつお節と昆布でとる、和食の基本となるだしです。短時間でさっと煮出すため、上品ですっきりとした味わいに仕上がります。
<用途>だしの風味を活かした吸い物や、淡白に仕上げたい煮物などにおすすめです。

二番だし|みそ汁や煮物に向くコクのあるだし

一番だしをとった後のかつお節と昆布に再び水を加えて煮出し、さらにかつお節を加えて香りを補ったものです。しっかりしたコクがあり、日常の料理に使いやすいだしです。
<用途>具だくさんのみそ汁や、調味料をやや多く使う煮物などに向いています。

昆布だし|野菜料理や鍋物に合うやさしいだし

昆布を一晩水につけて、じっくりとうま味を引き出すだしです。まろやかでやさしい味わいが特徴で、素材の持ち味を生かしやすいのが魅力です。
<用途>野菜を主役にした料理や、湯豆腐などの鍋物によく合います。

煮干しだし|みそ汁や麺つゆに合う風味豊かなだし

頭や内臓を取り除いた煮干しを一晩水につけ、鍋で煮出してアクを取って作ります。昆布を合わせることで、さらに風味が豊かになります。力強いコクとうま味が特徴です。
<用途>みそ汁のほか、うどんやそばなど麺類のつゆにも向いています。

このほかにも、干ししいたけで作るしいたけだしや、切り干し大根を戻した汁なども、だしとして活用できます。だしの種類ごとの特徴を知って使い分けることで、減塩しながら料理をおいしく仕上げやすくなります。

市販のだしは減塩向き?だしパック・顆粒だしの注意点

だしパックや顆粒だしは、忙しくて時間がない方や、手軽に料理を仕上げたい方に便利なアイテムです。だしパックは、厳選された素材がバランスよくブレンドされており、本格的なだしを手軽に味わいやすいのが魅力です。顆粒だしはお湯に溶かすだけで使えるうえ、炒め物や煮物の味付けにも活用できます。

ただし、市販のだしの中には塩分を含んでいる商品も少なくありません。たとえば、和風の顆粒だし小さじ1杯(3g)には、約1.2gの塩分が含まれており、これはしょうゆやみそで約大さじ1/2(9g)程度に相当します。レシピに書かれている「だし汁」は、無塩のだしを前提としていることが多いため、塩分を含む市販だしを使う場合は、その分を見込んで調味料を減らす必要があります。

こうした調整が難しい場合は、無塩タイプのだしを選ぶか、昆布やかつお節などの乾物を使った手作りだしを取り入れるのがおすすめです。減塩を意識するなら、「だしの風味」だけでなく「塩分量」も確認して選びましょう。

基本のだし汁の作り方|一番だしを手作りする方法

和風だしは、中華や洋風のスープに比べて、材料も工程も比較的シンプルです。慣れてしまえば難しくなく、毎日の料理にも取り入れやすくなります。まずは和食の基本となる一番だしを作ってみましょう。出来上がり量は750~800mlほどで、みそ汁なら約5杯分が目安です。昆布の浸水は、就寝前や外出前に済ませておくとスムーズです。だしの濃さは好みに合わせて調整してください。

作りやすい分量

【材料】水…1?、昆布…5~10g、かつおぶし…15~20g

  1. 昆布の表面をふきんで軽く拭き、鍋に水と昆布を入れて10分~ひと晩おく。
  2. 鍋を火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出し、かつお節を一度に加える。(沸騰してしまった場合は、少量の水を加えてからかつお節を入れる)
  3. 再び沸騰したら火を止め、かつお節が沈んできたらアクを取る。
  4. ボウルの上にキッチンペーパーを敷いたザルを重ね、静かにこす。

手作りのだし汁は塩分を含まないため、減塩を意識したい方にも使いやすいのが大きなメリットです。

だしの保存方法|冷蔵・冷凍で作り置きするコツ

作っただし汁が使いきれない場合は、保存容器に移して冷蔵で2~3日以内を目安に使い切りましょう。毎回だしを取るのが大変に感じる場合は、冷凍保存も便利です。製氷皿などの小分けできる容器に入れて凍らせ、凍った後にジッパー付き保存袋へ移し替えておくと、必要な分だけ使いやすくなります。

濃いめに作って冷凍しておけば、一度にたくさん作れて冷凍庫のスペースも節約できます。ただし、だしは香りが大切なので、冷凍庫内のにおい移りを防ぐためにも、しっかり密閉して保存することが重要です。冷凍した場合も、2週間程度を目安に使い切るようにしましょう。

料理のベースとなるだしをあらかじめ用意しておくと、毎日の調理がぐっと楽になります。減塩しながらおいしさを保つ工夫として、だしの作り置きを取り入れてみるのもおすすめです。

料理をおいしく仕上げるうえでも、減塩を続けるうえでも、だしは心強い味方です。新しい季節のスタートに、手作りだしのみそ汁から1日を始めてみてはいかがでしょうか。

春におすすめのだし活用レシピ3選

手作りのだし汁は、みそ汁だけでなく、炊き込みご飯や汁物、洋風アレンジにも活用できます。ここでは、春におすすめの「だし汁」活用レシピを紹介します。



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  • Ayuka Midorikawa

    緑川 鮎香

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    緑川 鮎香
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