油脂(あぶら)の上手な摂り方
3大栄養素の一つである「脂質」。エネルギーや体温保持、血液やホルモンなどの材料となり、体に必要不可欠な栄養素です。
脂質は、1gあたり9kcalのエネルギーをもつ効率のよいエネルギー源です。さらに、細胞膜の主要な構成成分であり、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助ける働きもあります。そのため、ダイエット中だからといって脂質を極端に避けると、脂溶性ビタミンの吸収低下や食事全体のバランスの乱れにつながることがあります。 一方で、脂質の多い外食や菓子類、揚げ物に偏ると、エネルギー過多になりやすく、肥満や脂質異常症のリスクにつながります。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人の脂質エネルギー比率の目標量は20%以上30%未満、飽和脂肪酸は7%エネルギー以下が目安とされています。 つまり、脂質は「摂らないほうがよい栄養素」ではなく、必要な量を、質に配慮しながら摂ることが大切な栄養素です。毎日の食事では、量だけでなく「どんな油を、どんな食品から摂っているか」を意識してみましょう。 油脂は、主に構成成分である脂肪酸の違いによって、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。一般的に、飽和脂肪酸は肉の脂身、バター、ラード、生クリーム、パーム油などに多く、常温で固まりやすい性質があります。一方、不飽和脂肪酸は植物油や魚油に多く、常温で液体であることが多いとされています。 飽和脂肪酸は、料理にコクや風味を与えやすく、加工食品や揚げ物にも使われやすい脂です。しかし、厚労省系e-ヘルスネットでは、LDLコレステロール高値の原因として飽和脂肪酸の摂りすぎが挙げられています。肉の脂身やバター、ラード、生クリームなどに偏りすぎないことが大切です。 不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分かれます。一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイル、なたね油、アボカドなどに多く含まれ、多価不飽和脂肪酸にはn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸があります。油にはそれぞれ特徴があり、ひとつの油だけに偏らないことが重要です。 多価不飽和脂肪酸のうち、n-3系脂肪酸は近年特に意識したい脂肪酸です。EPAやDHAは青魚や脂の多い魚に多く含まれ、e-ヘルスネットでは、高トリグリセライド血症の改善や冠動脈疾患発症の抑制が期待できる成分として紹介されています。 また、n-3系脂肪酸には、亜麻仁油やえごま油に多いα-リノレン酸も含まれます。農林水産省では、n-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸を必須脂肪酸として紹介しており、どちらも体内で十分に作れないため食事から摂る必要があるとされています。 ただし、多価不飽和脂肪酸は比較的酸化しやすいため、魚は鮮度のよいものを選び、油は開封後なるべく早めに使い切ることが大切です。亜麻仁油やえごま油は、加熱よりもドレッシングなど非加熱で使うほうが向くとされることが多く、オリーブオイルやなたね油など加熱向きの油と使い分けると取り入れやすくなります。 毎日の食事では、肉だけでなく魚を食べる日を作る、炒め物には加熱に向く油を使う、サラダには香りのよい油を少量使うなど、脂質の「量」ではなく「質」と「使い分け」を意識することが、生活習慣病予防につながります。脂質とは?体に必要な理由と摂りすぎ・不足の注意点
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違い|油の種類で性質が変わる
n-3系脂肪酸を意識しよう|魚と植物油を上手に使い分けるコツ
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緑川 鮎香
祐成陽子クッキングアートセミナーにてフードコーディネーターを取得。アボガド料理研究家としてwebを中心に様々なメディアにて活躍中。
管理栄養士・フードコーディネーター・オリーブオイルジュニアソムリエ
経歴東京農業大学管理栄養士専攻卒業。
アボカドがあればごちそうレシピ―「アボカド料理研究家」が見つけた美味しい100の活用法 (Amazon)
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