バイアグラの食事の影響・血中濃度・代謝

バイアグラは食後に服用すると有効成分の吸収速度が遅くなり、効果の発現が遅れるだけでなく、効き目そのものも弱まることが実験データで確認されており、特に脂っこい食事は吸収を妨げるため、空腹時に服用するか、軽食後2時間以上空けての服用が推奨されます。

全国10,000人を対象とした調査では、正規品バイアグラまたはそのジェネリックを使用する男性のうち、食後に服用した際の効果は年代により異なり、20?39歳では約55%が「よく効いた」と回答したのに対し、60?79歳では31.3%と低下しており、加齢により食事の影響を受けやすくなる傾向が示されています。

バイアグラの血中濃度は投与量に比例して上昇し、単回投与では約3時間で体内から消失しますが、連続投与しても薬の蓄積は見られず、ほとんどが肝臓で代謝されたのちに便として排出され、尿中にはごくわずかしか排泄されないことが確認されています。

食事の影響

健常成人16名にバイアグラ 50mgを食後、または空腹時に服用してもらい、体内動態に及ぼす食事の影響を検討した結果は以下の通りです。

バイアグラの有効成分であるシルデナフィルのTmax(最高血漿中濃度到達時間)は、空腹時投与の1.2時間に対し、食後投与では3.0時間となりました。食後投与により吸収速度が明らかに減少し、Tmaxが1.8時間延長することが認められました。

また、空腹時に比べて、食後投与ではCmax(最高血漿中濃度)が42%減少し、AUC(血漿中濃度-時間曲線下面積)は14%減少しました。これにより、食後服用は空腹時服用に比べて効果の発現が遅れ、作用自体も弱まる可能性があることがわかります。

服用条件 Tmax(hr) Cmax(ng/ml) AUC(ng・hr/ml) T1/2(hr)
食後 3.0±0.8 149±55.6 697.5±289.4 3.26±0.88
空腹時 1.2±0.5 255±116 806.5±269.4 3.35±1.72

平均値±標準偏差(n=16)
Tmax : 最高血漿中濃度到達時間 / Cmax : 最高血漿中濃度 / AUC0時間から無限大時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積 / T1/2 : 消失半減期

シルデナフィルの血漿中濃度推移に対する食事の影響

シルデナフィルの血漿中濃度推移に対する食事の影響グラフ

飲み方に工夫が必要

ED薬が効かなかった人の8割はこの失敗だ!

バイアグラを服用しても「効果がない」という方の約8割は、食事の影響を考えずに服用しているケースです。有効成分は腸で吸収されるため、脂質の高い食事をとると腸壁に油の膜が張り、吸収が著しく妨げられます。

ポイント : 性行為の約40分前、胃に何もない「空腹時」に服用するのがベストです。やむを得ず食後に服用する場合は、あっさりした食事を選び、食後2時間以上空けてから服用してください。

食後に服用した時の効果検証調査(年代別 n=721)

調査概要 : 2025年5月実施 / インターネット調査 / 性交経験のある20~79歳男性10,000人のうち、メインでバイアグラ系を服用している721名(食後服用経験者)を抽出

Q : 食後に服用した時の効果はどうでしたか?

回答 20~39歳 40~59歳 60~79歳 全体
よく効いた 55.0% 45.5% 31.3% 45.4%
若干、作用が弱く感じた 33.5% 39.8% 40.1% 37.6%
明らかに効果が弱かった 5.0% 11.1% 24.2% 12.2%
全く効かなかった 6.5% 3.6% 4.4% 4.9%
食後のバイアグラの効果年代別グラフ

食後の効果は年齢とともに低下する

「食後だと明らかに効果が弱かった」と回答した割合は、20~30代では5.0%に留まりますが、60~70代では24.2%まで上昇します。年齢を重ねるほど、消化・吸収能力の変化により食事の影響を受けやすくなる傾向が示されています。中高年層の方は、薬の性能をフルに引き出すために、特に「空腹時の服用」が重要です。

バイアグラの血中濃度

(1) 単回投与

健常成人20名にシルデナフィル 25, 50, 100, 150mg(注)を単回経口投与した際、Cmax(最高血漿中濃度)およびAUC(血漿中濃度-時間曲線下面積)は、投与量に比例して増加することが確認されました。服用後、消失半減期(T1/2)は約3.3時間で速やかに消失します。

投与量(mg) Tmax(hr) Cmax(ng/ml) AUClast(ng・hr/ml) T1/2(hr)
25mg 0.8±0.6 105±62 231±103
50mg 0.9±0.4 192±102 504±202
100mg 0.8±0.4 425±147 1148±274 3.31±0.81
バイアグラ血漿中濃度グラフ

(2) 連続投与

シルデナフィルを1日1回7日間反復して服用しても、血中濃度の推移(TmaxやT1/2)に変化は認められませんでした。成分が体内に蓄積される心配はありません。

(注 : 日本での承認用量は1日1回 25mg~50mgです。100mg以上のデータは臨床試験によるものです。)

代謝・排泄

  1. 服用されたシルデナフィルのうち、尿中にそのまま排泄される割合は0.3~0.6%とわずかです。
  2. 成分は主に肝臓で代謝され、主に糞中に排泄されます。
  3. 主要な代謝酵素はCYP3A4であり、次いでCYP2C9によって代謝が行われます。

このように、バイアグラは速やかに代謝・排泄される薬剤です。肝機能や腎機能に障害がある場合は、代謝に時間がかかり血中濃度が高くなる可能性があるため、医師による用量調節が必要となります。

監修者情報

本記事については、すべて浜松町第一クリニック院長である
竹越昭彦が監修しています。

竹越昭彦
院長 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

略歴

  • 1966年生まれ
  • 1991年 : 日本医科大学卒業
  • 1991年 : 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 : 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 : 浜松町第一クリニック開院
備考

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