バイアグラの副作用について

バイアグラの服用後に起こりやすい顔のほてり、頭痛、目の充血といった副作用は、薬の効果が出ているサインでもあり、約4割の人に見られます。こうした反応は血管が広がる作用によるもので、飲酒と同じような症状が出ることがあります。

若年層ほど副作用が出やすい傾向があり、特に20~39歳では頭痛や鼻詰まり、目の充血などの発症率が高くなっています。これは血管が敏感に反応しやすいためとされ、添付文書に記載されている中高年中心のデータよりも高い頻度で副作用が現れています。

ごくまれに視力低下や喪失を伴う「NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)」の報告があり、特に50歳以上で糖尿病や高血圧などのリスク要因がある人は注意が必要です。急な視力の異変を感じた場合は、ただちに服用を中止し眼科を受診することが勧められています。

バイアグラの副作用について

  • 服用後30?40分前後で効き始めるのと同時に、顔のほてり・頭痛・目の充血などが出ることがあります。
    これは約4割の方にみられる”よくある副作用”で、効果発現のサインとして受け止めていただいて構いません。
  • 1,013人を対象にした副作用調査が示す通り、若年層ほど副作用が出やすい傾向があります。薬の効きが強い世代ほど、血管拡張による反応も出やすくなります。
  • バイアグラは血管拡張作用により、お酒を飲んだときに似たほてり・充血が起きやすく、血圧はわずかに下がる傾向です(「上がる」と誤解されがちですが逆です)。

起こりうる症状の例

・顔のほてり、頭痛、目の充血
・動悸、鼻づまり、消化不良
・光過敏や色の見え方の変化(一過性)

多くは4?6時間の薬効の範囲内で自然におさまります。強い頭痛がある場合は、ロキソニン/イブ/バファリンなど一般的な鎮痛薬を用法・用量どおり併用しても差し支えありません。

※ただし、症状がつらい・長引く、あるいは持病や併用薬がある場合は、自己判断に頼らず医師へご相談ください。

当院での対策

頭痛対策として、ロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」を1錠50円(税込)で処方しています。必要時にご相談ください。
飲酒は副作用を強めることがあります。服用時は飲み過ぎに注意してください。

※以下の「バイアグラの副作用詳細(インタビューフォーム参照)」には血管拡張(ほてり、潮紅)の副作用発現の割合が低く記されていますが、実際には4割程度の方に顔のほてりや目の充血等の副作用はございます。添付文書の副作用発現率だけを信じてバイアグラを服用し、ほてり、潮紅、頭痛、動悸等の副作用が出ると不安を煽ってしまいかねませんのであえて書かせていただきました。

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バイアグラの副作用詳細(インタビューフォーム参照)

国内データ

承認時の国内臨床試験157例において、65例(41.40%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)17例(10.83%)、頭痛17例(10.83%)、CK(CPK)上昇9例(5.73%)等であった。

上記は25mgと50mgの副作用合計となっております。以下の表は25mg、50mgの個別での副作用発現件数をバイアグラのインタビューフォームを参照に以下にまとめました。バイアグラを服用している人は50mgの方が圧倒的に多くいらっしゃると思いますので50mgの箇所をご参考下さい。

  25mg N=73 50mg N=77 合計 N=150
頭痛 7件(9.6%) 13件(16.9%) 20件(13.3%)
ほてり・潮紅 4件(5.5%) 16件(20.1%) 20件(13.3%)
昏迷 1件(1.4%) 2件(2.6%) 3件(2.0%)
  25mg N=72 50mg N=77 合計 N=149
CK(CPK)上昇 63人中6件(9.52%) 65人中3件(4.62%) 128人中9件(7.03%)
γ-GTP上昇 70人中0件(0%) 74人中3件(4.05%) 144人中3件(2.08%)
AST(GOT)上昇 72人中1件(1.39%) 76人中2件(2.63%) 148人中3件(2.03%)
ALT(GPT)上昇 72人中0件(0%) 76人中2件(2.63%) 148人中3件(2.03%)
血清LDH上昇 72人中1件(1.39%) 76人中2件(2.63%) 148人中3件(2.03%)

外国データ

欧州及び米国で実施された第II相試験及び第III相試験823例において、261例(31.71%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)125例(15.19%)、頭痛109例(13.24%)、消化不良28例(3.40%)等であった。

  25mg N=312 50mg N=511 合計 N=823
ほてり・潮紅 30例(9.62%) 95例(18.59%) 125例(15.19%)
頭痛 31例(9.94%) 78例(15.26%) 109例(13.24%)
消化不良 4例(1.28%) 24例(4.70%) 28例(3.40%)
めまい 6例(1.92%) 12例(2.35%) 18例(2.19%)
鼻炎 2例(0.64%) 14例(2.74%) 16例(1.94%)
嘔気 3例(0.96%) 7例(1.37%) 10例(1.22%)
視覚異常 1例(0.32%) 8例(1.57%) 9例(1.09%)

市販後の使用成績調査データ

市販後の使用成績調査3,152例(再審査終了時)において、166例(5.27%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。主な副作用又は臨床検査値異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)97例(3.08%)、頭痛34例(1.08%)、動悸13例(0.41%)等であった。

こちらもインタビューフォームにて掲載されているが、あまりに実際より副作用の頻度が低いので信憑性に欠けていると判断せざるを得ないデータです。あまり参考にされない方がよいでしょう。

NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)の発現報告

外国において、薬剤との因果関係は明らかではないがPDE5阻害薬を投与中に非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION:Non-arteritic Anterior Ischemic Optic Neuropathy)が原因である視力低下や視力喪失が市販後調査にて少数報告されています。この発現のあった方の多くに「年齢50歳以上、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等」のNAIONの危険因子を有していたとのことです。
FDA(米国食品医薬品局)の調査によるとシルデナフィル服用による虚血性視神経症(ION)は38例の報告があり、この中で21例がNAIONと診断され、ION報告の38例中29例にNAIONの危険因子の既往歴があったとのことです。
さらに、45歳以上のNAIONを発現した男性を対象とした海外で実施された研究で、PDE5阻害薬投与からその薬剤の半減期の5倍までの期間内でのNAION 発現のリスクが約2倍になることが報告されています。以上のことから以下の2点をよく理解しておく必要があります。

[Image showing the anatomy of the eye highlighting the optic nerve and the anterior ischemic process involved in NAION]

◆バイアグラ服用後に急激な視力低下等を生じた場合は、直ちに服用を中止し、なるべく早く眼科専門医の診断を受けること。
過去に片眼にNAIONの発現歴がある場合は、NAIONの発症のリスクが高く、バイアグラ服用により視力低下や視力喪失の可能性もあることを理解しておくこと。

副作用詳細表

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
※聞きなれない症状についてはクリックしていただければ説明が表示されますのでご参照下さい。

  1%以上 0.1?1%未満 0.1%未満 頻度不明 *3
循環器 血管拡張(ほてり,潮紅) 動悸、胸痛、頻脈 高血圧、不整脈、不完全右脚ブロック、末梢性浮腫 心筋梗塞*4、低血圧、失神
精神神経系 頭痛 めまい、傾眠、昏迷 異常感覚、下肢痙攣、記憶力低下、興奮、緊張亢進、錯乱、思考異常、神経炎、神経過敏、神経症、不安、不眠症、無気力  
肝臓   AST(GOT)増加 ALT(GPT)増加、LAP上昇、LDH増加、血中トリグリセリド増加、γ-GTP増加、血清リン脂質上昇、血中アミラーゼ増加、血中アルブミン減少、血中ビリルビン増加、総蛋白減少  
消化器   悪心、胃腸障害、口渇、消化不良、腹痛 おくび、胃炎、胃不快感、下痢、口唇乾燥、舌障害、白舌、腹部膨満、便秘、嘔吐、嚥下障害  
泌尿・生殖器     陰茎痛、射精障害、朝立ちの延長、半勃起持続 勃起の延長、持続勃起、尿路感染、前立腺疾患
呼吸器   鼻炎 呼吸障害、鼻閉、咽頭炎、喘息 鼻出血、気道感染症、副鼻腔炎
筋・骨格系   関節痛、筋肉痛 骨痛、背部痛  
皮膚   発疹 そう痒症、眼瞼そう痒症、脱毛症、男性型多毛症、発汗、皮膚乾燥、皮膚障害、紅斑  
血液     ヘマトクリット減少、ヘマトクリット増加、ヘモグロビン減少、リンパ球減少症、リンパ球増加症、好酸球増加症、赤血球減少症、赤血球増加症、白血球増加症  
感覚器   眼充血、結膜炎、彩視症、視覚障害 眼乾燥、眼痛、屈折障害、光視症、味覚異常、味覚消失、流涙異常、羞明 霧視、視力低下、網膜出血、網膜静脈閉塞、突発性難聴
その他   CK(CPK)増加、疼痛、熱感 BUN増加、インフルエンザ症候群、リンパ節症、血中ナトリウム減少、血中リン増加、体重増加、血中尿酸増加、ウロビリノーゲン陽性、尿中ブドウ糖陽性、尿中赤血球陽、尿中蛋白陽性、疲労、無力症 過敏性反応、感染症

※発現頻度は承認時の国内臨床試験、外国で実施された第II相/第III相試験、及び使用成績調査の結果に基づいている。

*3 自発報告等のため頻度不明。
*4 因果関係は明らかではないが、市販後において本剤投与後に心筋梗塞が発症したとの報告がある(「外国市販後有害事象」の項参照)。

バイアグラを使用している1,013人を対象にした副作用調査

集計期間:2025年5月23日?29日
調査方法:インターネット集計
調査対象:全国の20?79歳(5歳階級別) 男性 合計10,000名

※本調査は、人口構成比に基づき年齢別に割り振った「過去6ヶ月以内に性行為の経験がある」日本全国の男性20?79歳 10,000人を対象に調査を行いました
◆人口構成比は令和7年1月1日住民基本台帳年齢階級別人口を参照
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000389.html

ED治療薬を服用したことのある2,699人の内、「Q、メインとして使用しているED薬は何ですか?」の設問で正規品バイアグラ or 正規品シルデナフィル(バイアグラのジェネリック)と回答した 1,013名が対象

リサーチ協力 ⇒ 株式会社ネオマーケティング

Q.使用して今まで経験した服用後の副作用を教えてください。
(お答えはいくつでも) n=1,013

年代別にて集計

メインとして使用しているED治療薬は正規品バイアグラ or 正規品シルデナフィル(バイアグラのジェネリック)と回答した 1,013名※複数回答可

20?39歳 計336名 40?59歳 計373名 60?79歳 計304名 合計 計1,013名
頭痛 149(44.3%) 103(27.6%) 31(10.2%) 283(27.9%)
潮紅 61(18.2%) 68(18.2%) 39(12.8%) 168(16.6%)
顔のほてり 88(26.2%) 127(34.0%) 110(36.2%) 325(32.1%)
目の充血 60(17.9%) 44(11.8%) 24(7.9%) 128(12.6%)
鼻詰まり 75(22.3%) 47(12.6%) 30(9.9%) 152(15.0%)
動悸 56(16.5%) 62(16.8%) 34(10.7%) 152(15.0%)
めまい 41(12.2%) 25(6.7%) 7(2.3%) 73(7.2%)
耳鳴り 34(10.1%) 14(3.8%) 5(1.6%) 53(5.2%)
彩視症*2 19(5.7%) 9(2.4%) 8(1.6%) 36(3.8%)
霧視*3 21(6.3%) 13(3.5%) 5(2.6%) 39(3.6%)
羞明*4 18(5.4%) 10(2.7%) 16(5.3%) 44(4.3%)
副作用は無かった 50(14.9%) 103(27.6%) 132(43.4%) 285(28.1%)

*2彩視症とは青色のものが鮮やかに見えたり、ものが青っぽく見える症状のこと。
*3霧視とは目がかすんだり霧がかかったように見える症状のこと。
*4羞明とは光が眩しく見える症状のこと。

年代別のバイアグラの副作用

年齢によって副作用の発生率は全く異なる!

上記の表を見てわかる通り、若年層ほど副作用が出易い傾向にあります。特に年齢差によって発症割合に大きく差がある副作用を以下にまとめてみました。

◆「頭痛があった」と回答した割合

・20?39歳:2.2人に1人(44.3%)
・40?59歳:3.6人に1人(27.6%)
・60?79歳:9.8人に1人(10.2%)

◆「目の充血があった」と回答した割合

・20?39歳:5.6人に1人(17.9%)
・40?59歳:8.5人に1人(11.8%)
・60?79歳:12.6人に1人(7.9%)

◆「鼻詰まりがあった」と回答した割合

・20?39歳:4.5人に1人(22.3%)
・40?59歳:8人に1人(12.6%)
・60?79歳:10人に1人(9.9%)

◆「めまいがあった」と回答した割合

・20?39歳:8.2人に1人(12.2%)
・40?59歳:15人に1人(6.7%)
・60?79歳:43.5人に1人(2.3%)

「副作用は無かった」と回答した割合

・20?39歳:6.7人に1人(14.9%)
・40?59歳:3.6人に1人(27.6%)
・60?79歳:2.3人に1人(43.4%)

このように年齢によって副作用の発症率が大きく違うのです。若年層の方は、処方された医院のHPや各薬剤の添付文書等に記載されている副作用の発生率をそのまま鵜呑みにせず、頭痛、顔のほてり、目の充血、鼻詰まり等々は服用した人の3?4割に付随する副作用であると認識しておくことが重要です。

何故に調査結果の発症率は一般的な発生率と違うのか

現在広く参照されている副作用発現率の多くは、国内でバイアグラ錠が発売される1999年以前に実施された臨床試験データに基づいています。
当時は若年層にはバイアグラが不要と見なされていたため、被験者の大半は中高年でした。
副作用の発現率が高い若年層がほとんど含まれていなかったことが、製薬会社の添付文書等に示される「一般的な発生率」と本調査結果が乖離している主因と考えられます。

監修者情報

本記事については、すべて浜松町第一クリニック院長である
竹越昭彦が監修しています。

竹越昭彦
院長 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

略歴

  • 1966年生まれ
  • 1991年 : 日本医科大学卒業
  • 1991年 : 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 : 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 : 浜松町第一クリニック開院
備考

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