バイアグラを飲んではいけない人

バイアグラは心臓や血圧に関わる薬(特にニトログリセリンなどの硝酸剤)を使用している人や、心筋梗塞・脳卒中の直後の人など、循環器系にリスクのある人には重篤な副作用を引き起こすおそれがあるため、絶対に服用してはいけません。

バイアグラの成分や添加物に過敏症がある人、網膜に遺伝性疾患を持つ人、重度の肝機能障害や極端な血圧異常がある人も服用は禁忌とされており、これらの条件に該当する場合、服用によって薬の作用が強くなりすぎたり、全身への悪影響が出る可能性があります。

また、塩酸アミオダロン(不整脈の薬)を服用中の人や未成年(ただし既婚者を除く)は安全性が確認されていないことから処方対象外とされており、これらの人々に対しては医師も慎重に服用の可否を判断する必要があります。

バイアグラを飲んではいけない人

  1. バイアグラの成分に対して過敏症(アレルギー)の既往歴がある方 【01.の理由
  2. 硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与中の方 【02.の理由
    詳細はこちら ⇒ バイアグラの併用禁忌薬
  3. 心血管系障害を有するなど、性行為そのものが不適当と考えられる方 【03.の理由
  4. 重度の肝機能障害のある方 【04.の理由
  5. 低血圧(最大血圧90mmHg未満または最小血圧50mmHg未満)の方、または治療管理がなされていない高血圧(安静時収縮期血圧170mmHg以上、または最小血圧100mmHg以上)の方 【05.の理由
  6. 脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある方 【06.の理由
  7. 網膜色素変性症(進行性の夜盲症)と診断された方 【07.の理由
  8. 塩酸アミオダロン(経口剤)を投与中の方 【08.の理由
  9. 未成年の患者(既婚者を除く) 【09.の理由

特に硝酸薬(内服薬・舌下錠・貼付薬・注射薬・スプレーなど)を使用している方は、バイアグラ(シルデナフィル)を決して服用しないでください。

代表例として、狭心症発作の治療で処方されるニトログリセリンとバイアグラを併用すると、血圧が危険なレベルまで低下し、命に関わる可能性があります。安全確認のため、現在服用中のお薬がある方は、来院時に「お薬手帳」など名前のわかるものを必ずお持ちください。

処方できない理由について

バイアグラのインタビューフォーム(公式資料)に基づき、なぜこれらの方に処方できないのか、医学的な理由を詳しく解説します。

01.の理由 : 過敏症

過去にバイアグラを服用して「かゆみ」「発疹」などの過敏反応が出た場合、再度の服用でより重篤なアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。有効成分だけでなく、添加物(乳糖水和物や青色2号等)に対するアレルギーも禁忌の対象となります。

02.の理由 : 硝酸剤との併用

バイアグラは、cGMPを分解する酵素「PDE5」を阻害して血管を拡張させます。硝酸剤も同様にcGMPを介して血管を拡張させるため、併用すると作用が過剰に強まり、急激な血圧低下を招いて心停止などの重篤な事故に繋がる危険があります。

03.の理由 : 心血管系障害

性行為は心拍数や血圧、心筋の酸素消費量を著しく増加させます。過去6ヶ月以内に心不全や不安定狭心症を起こした方は、性行為という運動負荷自体が身体にとって危険と判断されるため、処方できません。

04.の理由 : 重度の肝機能障害

バイアグラは主に肝臓で代謝されます。肝硬変(Child-Pugh分類C等)のような重度の障害がある場合、薬の成分を分解・排泄できず、血中濃度が異常に高まって副作用が強く出るリスクが高いため禁忌とされています。

05.の理由 : 低血圧・管理不良の高血圧

全身の血管を拡張させる作用があるため、もともと血圧が低い(90/50mmHg未満)方はさらに血圧が下がり、脳への血流が不足する恐れがあります。逆に著しく高い血圧(170/100mmHg以上)の方は、心臓への負荷が大きすぎるため、臨床試験から除外されており安全性が確認されていません。

06.の理由 : 脳血管・心筋梗塞の既往

脳血管障害(脳梗塞等)を経た方は、血圧変動に対する脳の調節能力が低下している場合があります。最近6ヶ月以内に発症した方は、血圧低下が脳循環の悪化を招くリスクや、心臓への再発リスクを考慮し禁忌としています。

07.の理由 : 網膜色素変性症

バイアグラは陰茎の「PDE5」だけでなく、網膜にある「PDE6」もわずかに阻害します。網膜色素変性症の方はこのPDE6に遺伝的な異常を持つ場合があり、視機能にさらなる影響を及ぼす可能性があるためです。

08.の理由 : 塩酸アミオダロン(抗不整脈薬)

抗不整脈薬であるアンカロン錠などと併用すると、心電図の「QT時間」が延長し、不整脈を誘発するリスクが高まる恐れがあるためです。安全性を最優先し、添付文書上でも併用禁忌に指定されています。

09.の理由 : 未成年

国内の臨床試験は20歳以上を対象に実施されており、未熟な身体に対する安全性が確立されていないためです。

監修者情報

本記事については、すべて浜松町第一クリニック院長である
竹越昭彦が監修しています。

竹越昭彦
院長 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

略歴

  • 1966年生まれ
  • 1991年 : 日本医科大学卒業
  • 1991年 : 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 : 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 : 浜松町第一クリニック開院
備考

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