レビトラの併用注意薬とその理由

レビトラの主成分バルデナフィルはCYP3A4という酵素で代謝されるため、これを阻害する薬(例:エリスロマイシン、ビカルタミド)と併用すると薬が効きすぎて副作用が強く出る恐れがあるので注意が必要です。

一方でCYP3A4を活性化させる薬(リファンピシンなど)と併用すると、バルデナフィルが早く分解されてしまい、十分な効果が得られなくなる可能性があるため、併用は慎重に行うべきです。

また、カルペリチドやα遮断薬など血圧を下げる作用のある薬と一緒に使うと、レビトラの血管拡張効果と合わさって血圧が下がりすぎ、めまいや失神のリスクが高まるため、服用量の調整や間隔の工夫が求められます。

レビトラの併用注意薬と理由

レビトラの有効成分であるバルデナフィルは主に肝臓及び小腸にてCYP3A4(CYP分子種の一種)という酵素によって代謝されます。よって、この酵素を阻害する作用の薬剤と併用することで代謝機能に影響を与え血中濃度上昇、半減期延長になり薬の作用が強くなることはもちろんのこと、副作用も強く出るおそれがあることから注意が必要なのです。
逆にCYP3A4を誘導するお薬と併用することで代謝機能が増して薬の効果が無くなってしまいます。また、一部降圧剤と併用することでレビトラの血管拡張作用との相乗効果で血圧が下がり過ぎる危険のあるお薬もございます。以下にレビトラのインタビューフォームを元に併用注意薬の詳細をまとめましたので参考にしてください。

マクロライド系抗生物質【CYP3A4阻害】

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等) エリスロマイシンで、本剤のAUCが4倍に増加し、Cmaxが3倍に上昇するとの報告がある。 CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。*1
*1 クリアランスが減少とは、肝臓での代謝する能力が低下することを意味しています。代謝機能低下により血中濃度が上昇したり半減期が延長したりするということです。

インタビューフォームには「エリスロマイシンとの併用により、降圧作用が増強あるいは本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は「併用注意」としたとあります。健康成人男子12 例に対し、エリスロマイシン500 mgを 1 日3 回で反復投与時にバルデナフィル5 mg を空腹時単回投与した場合、バルデナフィルのAUC及びCmaxが単独投与時と比較してそれぞれ4 倍及び3 倍に増加した。T1/2 の延長は認められなかった。」とあります。上記表でも薬剤名の箇所に「エリスロマイシン等」と記してあります。つまりマクロライド系抗生物質は全て血中濃度が上昇するので薬が効きすぎて思わぬ副作用が発現する可能性があるので注意が必要ということです。以下に代表的なマクロライド系の薬剤を挙げておきますので参考にしてください。

成分名(一般名) 製品名(商品名)
エリスロマイシン エリスロシン
クラリスロマイシン クラリス、クラリシッド
ロキシスロマイシン ルリッド
アジスロマイシン ジスロマック
ジョサマイシン ジョサマイシン
キタサマイシン ロイコマイシン
スピラマイシン酢酸エステル アセチルスピラマイシン

ビカルタミド(カソデックス)|前立腺癌治療薬【CYP3A4阻害】

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビカルタミド 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 CYP3A4阻害によりクリアランスが減少する。

ビカルタミドはCYP3A4 阻害作用を有する、前立腺癌を適応症とする非ステロイド性の抗アンドロゲン薬です。レビトラは前立腺癌治療中の患者にも投与される可能性があることから、ビカルタミドと併用される可能性があります。レビトラとビカルタミドとの薬物相互作用試験は実施されておらず、国内外臨床試験においても、抗アンドロゲン薬を服用している患者を試験対象から除外していたことから、レビトラとビカルタミドが併用された症例はありませんでした。
しかし、主にCYP3A4により代謝されるレビトラとCYP3A4を阻害するビカルタミドとを併用した場合、レビトラの有効成分であるバルデナフィルの血漿中濃度が上昇するおそれがあることから「併用注意」としています。
要は、上記マクロライド系抗生物質と同じように薬が効きすぎて思わぬ副作用が発現する可能性があるので注意が必要ということです。

リファンピシン(リファジン・アプテシン)|結核治療薬【CYP3A4誘導】

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4を誘導する薬剤リファンピシン等 本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 CYP3A4誘導によりクリアランスが増加する。

レビトラとCYP3A4 を誘導する薬剤(リファンピシン等)の薬物相互作用試験は実施されていません。しかし、リファンピシン等のCYP3A4を誘導する薬剤については、CYP3A4により代謝される薬剤のAUC(体内への薬物総吸収量の指標)を低下させることが知られており、レビトラに対しても同様の影響を及ぼす可能性があります。したがって、リファンピシン等のCYP3A4を誘導する薬剤との併用により、レビトラの薬物動態がどの程度影響を受けるか明らかでないものの、血漿中濃度の低下によりレビトラによる治療効果が低下する可能性があることから、CYP3A4を誘導する薬剤との併用は「併用注意」としています。
前項の「マクロライド系抗生物質」や「ビカルタミド」とは逆にレビトラの有効成分であるバルデナフィルの代謝を早めることから効果が得られなくなるので併用しない方が良いということです。上記の表にも「リファンピシン等」と記されている通りこれ以外にもCYP3A4を誘導する薬剤は存在しますので以下にいくつか紹介しておきます。

成分名(一般名) 製品名(商品名) 分類
リファンピシン リファジン、アプテシン 結核治療薬
カルバマゼピン テグレトール 抗てんかん薬
フェニトイン アレビアチン、ヒダントール 抗てんかん薬
フェノバルビタール フェノバール 抗てんかん薬

カルペリチド|急性心不全治療薬【降圧作用増強】

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルペリチド 併用により降圧作用が増強するおそれがある。 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用が増強するおそれがある。

カルペリチドは急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)の治療薬で、α型ヒトナトリウム利尿ペプチドの受容体に結合し、膜結合性グアニル酸シクラーゼを活性化させることにより、細胞内cGMP を増加させ、血管拡張作用や利尿作用を示す薬剤です。現在のところ、レビトラとカルペリチドとの併用に関する非臨床及び臨床データは得られていません。しかし、レビトラとの併用により血管拡張作用による降圧作用が増強するおそれがあることから、同種同効品であるシルデナフィルと同様に、カルペリチドとの併用は「併用注意」とした。とあります。
レビトラも血管拡張作用があるのでカルペリチドとの併用で相乗効果により血管拡張作用が増強し血圧が下がり過ぎる可能性があり、レビトラの副作用として報告されている立ち眩みやめまいによる転倒や失神等の発現リスクが高まるということを覚えておきましょう。硝酸剤はレビトラとの併用で命に関わるほど血圧が下がり過ぎる可能性があるので併用禁忌とされています。カルペリチドは併用注意ですので併用禁忌である硝酸剤との併用ほど降圧作用は少ないことは事実ですが、併用はお勧めできません。やむを得ず併用する場合は5mg、10mgの低用量にしておく必要があります。

α遮断薬|高血圧症治療薬・前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬【降圧作用増強】

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
α遮断薬
テラゾシン、タムスロシン等
併用により症候性低血圧があらわれるおそれがあるのでα遮断薬による治療で患者の状態が安定していることを確認した上で本剤5mgから投与を開始すること。またα遮断薬と併用する場合にはα遮断薬との投与間隔を考慮すること。 本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用が増強する。

インタビューフォームには「海外で実施されたα遮断薬(テラゾシン、タムスロシン)との相互作用試験において、血圧低下例がみられたことから、α遮断薬との併用により、症候性低血圧があらわれるおそれがあるため、「併用注意」とした。」とあります。
こちらも前項のカルペリチドと同じように併用により降圧作用が増強されるので立ち眩みやめまいによる転倒や失神等の発現リスクが高まるということです。
上記の表にも「テラゾシン、タムスロシン等」と記されている通りこれ以外にもα遮断薬は存在しますので以下にいくつか紹介しておきます。

成分名(一般名) 製品名(商品名) 分類
テラゾシン ハイトラシン、バソメット 高血圧症治療薬(血圧降下薬)、前立腺肥大症による排尿障害改善薬
タムスロシン ハルナール 前立腺肥大症による排尿障害改善薬
ドキサゾシン カルデナリン 高血圧症治療薬(血圧降下薬)
ブナゾシン デタントール 高血圧症治療薬(血圧降下薬)
ウラピジル エブランチル 前立腺肥大症による排尿障害改善薬
プラゾシン ミニプレス 高血圧症治療薬(血圧降下薬)、前立腺肥大症による排尿障害改善薬

グレープフルーツ(ジュース)|【CYP3A4阻害】

グレープフルーツとED治療薬

インタビューフォームや添付文書にはグレープフルーツとの併用に関する注意事項等は記されておりませんが、グレープフルーツ中のフラノクマリン類がCYP3A4を阻害する作用があることから併用することで代謝も遅れ本来よりも長く体内に薬効成分が残留します。

これにより血中濃度が増強し、思いもよらぬ副作用が出る可能性もあるので注意が必要です。グレープフルーツを摂取してから数日ほどCYP3A4を阻害する作用が続く場合もあるので、相互作用が気になる方はグレープフルーツ摂取後24時間は空けてからレビトラを服用するようにすると良いでしょう。
またお酒との併用については「飲酒後の服用について」をご覧ください。

監修者情報

本記事については、すべて浜松町第一クリニック院長である
竹越昭彦が監修しています。

竹越昭彦
院長 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

略歴

  • 1966年生まれ
  • 1991年 : 日本医科大学卒業
  • 1991年 : 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 : 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 : 浜松町第一クリニック開院
備考

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