うつ病の治療薬でEDになるパターンの解説

うつ病の治療に使用される薬の中には、勃起不全(ED)、射精遅延、性欲の低下など、性機能に影響を及ぼす副作用がみられるものがあります。こうした薬の影響によって生じる中折れや勃起障害は、一般に「薬剤性ED」と呼ばれます。
精神科や心療内科では、薬による性機能への影響について説明を受けることもありますが、治療の中心がうつ症状であるため、性機能について十分に相談する機会がないまま治療が進むこともあります。

薬を怪しむ男性

そのため、今回の男性のように、「うつ病になったから勃起できなくなった」と思っていても、実際には服用している薬の影響が関係しているというケースがあります。

もちろん、うつ病そのものが性欲の低下やEDの原因となることもあります。さらに、治療薬によって性欲が低下することもあるため、治療を始めてから性行為の回数そのものが減り、「勃起しにくくなった」という変化に気づきにくい場合もあります。

また、薬の影響によって性行為中に一度でも中折れを経験すると、「また途中で萎えたらどうしよう」という不安が生じることがあります。その不安が次の性行為でもプレッシャーとなり、心因性EDが重なってしまうこともあります。

さらに、中折れを経験したこと自体が精神的な負担となり、うつ症状に影響を及ぼすこともあります。「また失敗するのではないか」「パートナーをがっかりさせてしまうのではないか」といった不安が強くなると、性行為を避けるようになったり、自信を失ったりすることがあります。

特に、うつ病の治療中はもともと気分が落ち込みやすく、自己肯定感も低下していることがあります。そこに性機能の変化が加わることで、「自分は男としてダメなのではないか」「病気になったうえに性行為までできなくなった」と自分を責めてしまい、さらに精神的な負担が大きくなることも考えられます。

このように、うつ病とEDは一方がもう一方に影響するだけではなく、「うつ病による性欲低下や薬の副作用 → 中折れ → 性行為への不安や自信の低下 → 精神的な負担の増加」という悪循環につながる場合があります。

そのため、うつ病の治療中にEDや中折れなどの性機能の変化が現れた場合は、「うつ病だから仕方がない」と諦めたり、自己判断で薬の服用を中止したりせず、主治医に相談することが大切です。薬剤性EDの可能性を含め、うつ病そのもの、服用している薬、性行為への不安など、複数の要因を考慮して対応することが重要です。

つまり、「うつ病による性機能の低下」→「薬による性機能への影響」→「中折れの経験」→「また失敗するかもしれないという不安」というように、複数の要因が重なってEDにつながることもあるのです。

もし、うつ病の治療を始めてから性欲が低下したり、勃起しにくくなったり、射精しづらくなったりするなど、性機能に変化を感じた場合は、一度主治医に相談してみることをおすすめします。

抗うつ薬をはじめ、精神科や心療内科で使用される薬の中には、性機能に影響を及ぼす可能性があるものがあります。ただし、自己判断で薬の服用を中止したり、服用量を変更したりすることは避けてください。治療中の病気にも影響する可能性があるため、薬による副作用が疑われる場合は、主治医に相談したうえで対応することが大切です。

薬の影響が考えられる方や、うつ病の治療を始めてからEDや中折れが気になるようになった方は、以下のページでも詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

参照
⇒ 精神安定剤・抗うつ薬・向精神薬によるED

うつ病の治療薬でEDになるケースの原因と対策

うつ病の治療を始めてから、「性欲がなくなった」「勃起しにくくなった」「性行為の途中で中折れするようになった」と感じる方がいます。

このような場合、単純に「うつ病になったからEDになった」と考えてしまいがちですが、うつ病そのものだけでなく、治療に使用している薬が性機能に影響している可能性もあります。

抗うつ薬の中には、性欲の低下、勃起障害、射精遅延、オーガズムの障害などを引き起こすものがあります。特に一部の抗うつ薬では、こうした性機能への副作用が比較的起こりやすいことが知られています。
そのため、うつ病の治療中に性機能の変化を感じた場合には、「病気のせいだから仕方がない」と諦めず、薬の影響についても確認することが大切です。

抗うつ薬そのものが勃起機能に影響する

抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質に作用することで、うつ症状の改善を目指します。しかし、その作用が性欲や性的興奮、勃起、射精などの性機能にも影響を及ぼすことがあります。
特に一部の抗うつ薬では、性欲の低下や射精・オーガズムの遅延だけでなく、勃起しにくくなる、勃起を維持できないといった症状が現れることがあります。こうした薬による性機能障害は「薬剤性ED」の一つとして考えられます。

解決方法

服用している薬について主治医に相談する

うつ病の治療中にEDや性欲低下などの変化が現れた場合は、自己判断で薬を中止したり、服用量を減らしたりせず、まず主治医に相談してください。

  • 性機能に変化があった時期を医師に伝える
  • 現在服用している薬の副作用について確認する
  • 必要に応じて薬の種類や治療方法について相談する
  • EDの症状についても遠慮せず医師に伝える

薬の種類や用量を変更することで性機能への影響が軽減できる場合もありますが、治療内容の変更は必ず主治医と相談したうえで行うことが大切です。

うつ病そのものが性欲や勃起機能を低下させる

EDの原因は薬だけではありません。うつ病そのものが性欲の低下や性的興奮の低下につながり、結果として勃起しにくくなることもあります。
気分が落ち込んでいるときには、何をしても楽しいと感じられなかったり、物事への意欲が低下したりします。性行為についても同様で、「性行為をしたい」という気持ちそのものが弱くなってしまうことがあります。
そのため、「薬を飲み始めてからEDになった」と感じても、実際にはうつ病による性欲低下と薬の副作用が重なっている可能性があります。

解決方法

うつ病の治療とEDの治療を切り離して考えない

  • うつ症状と性機能の変化を一緒に医師へ伝える
  • 性欲が低下しているのか、勃起だけが難しいのかを整理する
  • うつ病の治療を継続しながらEDについても相談する
  • 症状の変化を記録しておく

うつ病の改善に伴って性欲や性機能が回復する場合もあります。そのため、自己判断で薬を中断するのではなく、精神科・心療内科の主治医と相談しながら治療を続けることが重要です。

性欲低下や射精遅延によって性行為そのものが減ってしまう

抗うつ薬によっては、勃起だけでなく性欲や射精にも影響することがあります。
例えば、「性行為をしたいと思わなくなった」「勃起はするものの性的な興奮が弱い」「射精までに時間がかかる」といった変化が起こることがあります。こうした症状が続くと、次第に性行為そのものを避けるようになり、パートナーとの性生活にも影響する場合があります。

解決方法

「勃起」だけでなく性機能全体の変化を医師に伝える

EDというと「勃起できないこと」だけを考えてしまいがちですが、性欲や射精の変化も薬の影響を判断する重要な手掛かりになります。

  • 性欲が以前と比べてどう変化したか確認する
  • 勃起の硬さや持続時間の変化を確認する
  • 射精までにかかる時間の変化を確認する
  • 性機能の変化を主治医に具体的に伝える

性機能への副作用が疑われる場合には、薬の変更などを含めた対応が検討されることがあります。ただし、薬の変更がうつ病の治療効果に影響する可能性もあるため、必ず医師の判断のもとで行ってください。

中折れを経験したことで「また失敗するかも」と不安になる

薬の影響で一度でも性行為中に中折れを経験すると、その経験が強く印象に残ってしまうことがあります。
すると次の性行為では、「また途中で萎えたらどうしよう」「最後まで勃起を維持できるだろうか」と、自分の勃起状態ばかりを気にしてしまいます。
このような不安や緊張は、さらに勃起を妨げる要因になります。そして、「薬の副作用による中折れ」→「失敗への不安」→「心因性ED」→「さらに中折れする」という悪循環に陥ってしまうことがあります。

解決方法

中折れの経験を一人で抱え込まない

  • 一度の中折れを必要以上に気にしない
  • 「また失敗する」と決めつけない
  • 性行為の前から勃起状態を気にし過ぎない
  • パートナーに必要以上に責任を感じない
  • 必要に応じてED治療について医師に相談する

薬の副作用が原因だったとしても、一度できた不安がその後のEDに影響することがあります。そのため、薬剤性EDと心因性EDの両方の可能性を考えて対応することが大切です。

うつ病による疲労やストレス、生活リズムの乱れ

うつ病になると、強い疲労感や睡眠の乱れ、意欲の低下などが現れることがあります。こうした状態では、性行為をするための体力や気力そのものが低下し、性的な興奮が起こりにくくなることがあります。
さらに、仕事や人間関係などのストレスが重なれば、精神的な緊張が強くなり、勃起機能にも影響する可能性があります。

解決方法

まずは心身の回復を優先する

  • 十分な睡眠と休養をとる
  • 無理のない範囲で生活リズムを整える
  • 過度な飲酒や喫煙を控える
  • 体調が回復してから性生活を少しずつ取り戻す
  • 無理に性行為を成功させようとしない

うつ病の治療中は、性機能だけを無理に改善しようとするのではなく、まず心身の回復を優先することも大切です。

著者情報

竹越昭彦
監修医師 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

浜松町第一クリニック院長。1991年に日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、東戸塚記念病院外科での勤務を経て、2004年10月に浜松町第一クリニックを開院しました。ED治療薬・AGA治療薬の処方を行う男性専門クリニックとして、21年以上にわたり診療を行い、全医院合わせて延べ360万人以上の治療実績があります。若年層の心因性EDから、生活習慣病や加齢に関連するED、AGA治療薬の継続使用に関する相談まで、幅広い年代の患者様の悩みに向き合っています。

略歴

  • 1966年 生まれ
  • 1991年 日本医科大学卒業
  • 1991年 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 浜松町第一クリニック開院
  • All About「ED・勃起不全」ガイド担当
    ⇒【All About|竹越 昭彦 プロフィール】
所属学会
  • 日本性機能学会 会員
  • 日本化学療法学会 会員
  • 日本形成外科学会 会員

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浜松町第一クリニックは、2004年の開院以来、男性専門クリニックとしてED治療薬・AGA治療薬の処方を行ってきました。当院では、医師の問診により健康状態や服用中のお薬を確認したうえで、厚生労働省に承認された国内正規のED治療薬のみを院内で処方しており、国内未承認薬や海外製の未承認薬は一切取り扱っていません。診察は問診のみで、ズボンを脱ぐような診察はありません。来院は予約不要で、初診料・再診料は無料です。ご来院が難しい方には、初診からご利用いただけるオンライン診療にも対応しており、電話問診のうえご自宅や職場などへ郵送のほか、郵便局留で受取もできます。

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