シアリスの副作用について

シアリスの副作用は頭痛や顔のほてり、鼻詰まりといった血管拡張に関連する症状が多く、特に若年層ほどその発現率が高く、実際の調査では20?39歳の約3割がこれらの症状を経験していることがわかりました。

外国ではごくまれに重い副作用として視覚障害(NAION)や皮膚障害(Stevens-Johnson症候群)などが報告されており、急な視力低下や皮膚異常が起きた際はすぐに服用を中止して医師の診察を受ける必要があります。

アルコールとの併用では、血管拡張作用が重なってめまいや立ちくらみを起こすリスクが高まるため注意が必要で、また、動物実験で精子数の減少が一部確認されたものの、人でのホルモンや精子の質には明確な悪影響は認められていません。

シアリスの副作用詳細

国内データ

【承認時】国内用量反応試験において「5mg:85人」「10mg:86人」「20mg:86人」に割り振り、合計総症例257例中70例(27.2%)に副作用が認められたとあります。シアリスのインタビューフォームを参考に代表的なものを以下にまとめました。シアリスを服用している人の9割近くは20mgですので赤字にしている20mgの数値を参考にするのがよいでしょう。

  5mg N=85 10mg N=86 20mg N=85 合計 N=257
頭痛 5人(5.8%) 9人(10.5%) 15人(17.4%) 29人(11.3%)
潮紅 4人(4.7%) 4人(4.7%) 5人(5.8%) 13人(5.1%)
ほてり 0人(0%) 6人(7.0%) 3人(3.5%) 9人(3.5%)
消化不良 1人(1.2%) 1人(1.2%) 4人(4.7%) 6人(2.3%)
背部痛 3人(3.5%) 1人(1.2%) 1人(1.2%) 5人(1.9%)
倦怠感 1人(1.2%) 3人(3.5%) 0人(0%) 4人(1.6%)

外国データ

外国で実施されたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(13試験)において、「2.5mg:74人」「5mg:151人」「10mg:329人」「20mg:1493人」に割り付けられた合計総症例2,047例中599例(29.3%)に副作用が認められたとあります。同じく代表的なものを以下にまとめました。

  2.5mg N=74 5mg N=151 10mg N=329 20mg N=1493 合計 N=2047
頭痛 4人(5.4%) 10人(6.6%) 34人(10.3%) 210人(14.1%) 258人(12.6%)
消化不良 1人(1.4%) 2人(1.3%) 24人(7.3%) 112人(7.5%) 139人(6.8%)
背部痛 1人(1.4%) 1人(0.7%) 4人(1.2%) 57人(3.8%) 63人(3.1%)
筋痛 2人(2.7%) 1人(0.7%) 9人(2.7%) 45人(3.0%) 57人(2.8%)
潮紅 1人(1.4%) 1人(0.7%) 9人(2.7%) 40人(2.7%) 51人(2.5%)
鼻閉 2人(2.7%) 0人(0%) 7人(2.1%) 26人(1.7%) 35人(1.7%)
四肢痛 0人(0%) 0人(0%) 4人(1.2%) 30人(2.0%) 34人(1.7%)
上腹部痛 0人(0%) 1人(0.7%) 2人(0.6%) 16人(1.1%) 19人(0.9%)

重大な副作用

外国の臨床試験及び市販後、シアリスの投与により発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson 症候群等の過敏症がごくまれに報告されています。このような症状が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
尚、日本国内での臨床試験では報告はされていませんが外国で報告があることから上記の重大な副作用発症リスクを引き起こす可能性があるのでご留意ください。

副作用詳細表

次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。わかり難そうな症状はクリックしていただくと詳細説明が表示されますのでご参考下さい。

  1%以上 0.2~1%未満 0.2%未満 頻度不明 *1
循環器 潮紅 動悸、ほてり 血管拡張、心拍数増加、胸痛、狭心症、頻脈、高血圧、低血圧 心筋梗塞*2、心臓突然死*2、失神、起立性低血圧
感覚器   霧視、眼充血、眼異常感 耳鳴、眼痛、視覚障害、流涙増加、眼刺激、結膜充血、視野欠損、結膜炎、乾性角結膜炎 眼瞼腫脹、色覚変化、回転性眩暈、網膜静脈閉塞、非動脈炎性前部虚血性視神経症*3、網膜動脈閉塞
消化器   上腹部痛、悪心、胃食道逆流性疾患、下痢、口内乾燥、胃炎、嘔吐、腹痛、胃(胸部)不快感 便秘、軟便、腹部膨満、胃刺激症状、嚥下障害 食道炎
肝臓   肝機能異常(AST(GOT)増加、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇を含む) LAP上昇  
腎臓     腎機能障害、尿酸値上昇  
骨格系 背部痛、筋痛、四肢痛 関節痛、筋痙攣(筋収縮)、筋骨格痛 背部痛、骨痛 筋骨格硬直、頚部痛、殿部痛
精神・神経系 頭痛 めまい、睡眠障害 錯感覚、傾眠、不安 脳卒中*2、感覚鈍麻、片頭痛
泌尿・生殖器     排尿困難、勃起増強、意図しない勃起 勃起の延長、持続勃起
呼吸器 鼻閉 鼻炎、副鼻腔うっ血 呼吸困難、喀血 鼻出血、咽頭炎
皮膚     紅斑、多汗、爪囲炎 そう痒症
その他     疲労、無力、疼痛、体重増加、倦怠感 熱感、末梢性浮腫、粘膜浮腫、口渇

起立性低血圧(きりつせいていけつあつ):起き上がったり、立ち上がったりする時に過剰に血圧が下がる状態。(立ち眩みやめまいにより転倒や失神の恐れがある)

霧視(むし):目がかすむこと。また視野が霧がかったように見える状態のこと。

乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん):結膜と角膜が乾燥すること。つまりドライアイのことです。

眼瞼腫脹(がんけんしゅちょう):瞼が浮腫んで腫れている状態のことです。

回転性眩暈(かいてんせいめまい):周り、もしくは自身が回転するように動いているような感覚になることです。

網膜静脈閉塞(もうまくじょうみゃくへいそく):文字通り網膜の静脈が閉塞、要は詰まることです。詰まると網膜血管に圧がかかり出血したりモノが見え難くなったりします。高血圧、糖尿、高脂血症等による動脈硬化の影響がある場合が多いです。

非動脈炎性前部虚血性視神経症(ひどうみゃくえんせいぜんぶきょけつせいしんけいしょう):NAIONのことです。通常は中年以降で高血圧、高脂血症、糖尿病等の疾患を持っている方に多くみられ、痛みが無く起床時に視力低下、視野欠損等の自覚症状により発覚します。

網膜動脈閉塞(もうまくどうみゃくへいそくしょう):網膜に血液を送っている動脈が詰まることです。網膜に血液が届かないと細胞が死んで急激に視力が低下し光も感知できず視覚が失われます。

胃食道逆流性疾患(いしょくどうぎゃくりゅうせいしっかん):胃酸が食道を通って逆流してくること。胸焼けや喉の奥にジリジリとした痛みが生じます。食道が酸の影響を受けて炎症を起こすと逆流性食道炎となります。

AST(GOT)増加:肝細胞でつくられる酵素で肝臓、腎臓、心筋、赤血球に含まれていて、これらの組織に障害があると血液中にALTが増えます。「基準値は7~38 IU/L」

ALT(GPT)上昇:ASTと同じく肝細胞でつくられる酵素で主に肝臓に含まれているため肝臓に障害があると上昇します。「基準値は80 IU/L以下」

γ-GTP上昇:胆管でつくられる酵素で肝臓、腎臓、膵臓に含まれてタンパク質を分解、合成する働きをします。飲酒や投薬、免疫異常、ウイルス感染等でこれら臓器に負荷がかかり過ぎると血液中にγ-GTPが流れ出てきます。「基準値は30~150 mg/dL」

LAP上昇:肝臓、腎臓、腸に含まれている酵素で胆汁にもふくまれているため肝臓や胆道に通過障害があると血液中に胆汁が流れ込みLAPが上昇します。「基準値は80~160 IU/L」

頚部痛(けいぶつう):首の骨の後ろ側の痛みのことです。

殿部痛(でんぶつう):お尻の痛みことです。

傾眠(けいみん):うとうとしている状態のことです。

喀血(かっけつ):気管支や肺からの出血が咳とともに口から出ることです。

咽頭炎(いんとうえん):喉の奥が炎症を起こすことです。

紅斑(こうはん):毛細血管拡張等により皮膚の表面が赤みがかった状態のこと。

爪囲炎(そういえん):爪の周りの皮膚が炎症を起こして赤く腫れている状態のことです。

そう痒症(そうようしょう):皮膚に発疹等が何も無いのにかゆみが出る状態のことです。

末梢性浮腫(まっしょうせいふしゅ):手足のむくんでいる状態のことです。

*1 自発報告等を含む情報であるため、頻度不明。
*2 これらのほとんどの症例が本剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており、これらの事象が本剤、性行為又は患者様が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか、又は、これらの要因の組み合せにより発現したものなのかを特定することはできない。
*3NAIONのリスクについて」を参照

NAIONのリスクについて

NAIONのリスクについて

外国においてシアリスを含むPDE5阻害剤投与中に非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されています。NAION(non-arteritic anterior ischemic optic neuropathy: 非動脈炎性前部虚血性視神経症)とは、中年以上の糖尿病や心臓疾患、高血圧の患者様に多くみられる痛みも無く急に片眼の視力低下や視野欠損となる視覚障害です。
日本国内での報告は無く、外国での具体的な報告例を挙げると「高コレステロール血症でアトルバスタチンカルシウム、アスピリン、葉酸を服用している67歳の建築家が初めてシアリスを服用したその2時間後に右目に視野欠損を自覚、しかし翌日の朝には解消。その後、5回使用して5回ともシアリス服用後に視野欠損があった」注)というもの。
2005年の時点で米国ではPDE5阻害剤投与中の視覚障害の症例報告はバイアグラで38件、シアリスで4件あることを米食品医薬品局(FDA)が発表し、バイアグラ・レビトラ・シアリスの3剤の添付文書にNAIONのリスクが高まるため突発的な視力低下や視野欠損等を自覚した場合は服用を中止し、直ちに医師に相談するようにという注意喚起が追記されました。
しかし、報告された患者様の多くは、もともとNAIONの危険因子[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]を有していることから未だにシアリスを含むPDE5阻害剤との因果関係ははっきりしていません。
外国においてNAIONを発症した45歳の男性を対象にした研究では「T1/2:消失半減期」を5倍した時間内は、NIAON発症リスクが2倍となることが報告されています。シアリス20mgの場合は半減期が13.6時間なので、その5倍である68時間はリスクが高まるということです。

注) 参照元:Kathryn Bollinger, MD, PhD; Michael S. Lee, MD|Arch Ophthalmol. 2005;123(3):400-401.

シアリスを使用している353人を対象にした副作用調査

集計期間:2025年5月23日~29日
調査方法:インターネット集計
調査対象:全国の20~79歳(5歳階級別) 男性 合計10,000名

※本調査は、人口構成比に基づき年齢別に割り振った日本全国の男性20~79歳 10,000人を対象に調査を行いました。
◆人口構成比は令和7年1月1日住民基本台帳年齢階級別人口を参照
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000389.html

ED治療薬を服用したことのある2,699人の内、「Q.メインとして使用しているED薬は何ですか?」の設問で正規品シアリス or 正規品タダラフィル(シアリスのジェネリック)と回答した 353名が対象

リサーチ協力 : 株式会社ネオマーケティング

Q.使用して今まで経験した服用後の副作用を教えてください。(お答えはいくつでも) n=353

年代別にて集計

メインとして使用しているED治療薬は正規品シアリス or 正規品タダラフィル(シアリスのジェネリック)と回答した 353名 ※複数回答可

  20~39歳 計78名 40~59歳 計129名 60~79歳 計146名 合計 計353名
頭痛 19(24.4%) 29(22.5%) 15(10.3%) 63(17.8%)
潮紅 10(12.8%) 19(14.7%) 8(5.5%) 37(10.5%)
顔のほてり 23(29.5%) 45(34.9%) 36(24.7%) 104(29.5%)
目の充血 17(21.8%) 19(14.7%) 3(2.1%) 39(11.0%)
鼻詰まり 19(24.4%) 23(17.8%) 13(8.9%) 55(15.6%)
動悸 12(15.4%) 18(14.0%) 8(5.5%) 38(10.8%)
めまい 10(12.8%) 9(7.0%) 7(4.8%) 26(7.4%)
副作用は無かった 11(14.1%) 39(30.2%) 79(54.1%) 129(36.5%)
年代別のシアリスの副作用

若年層の方が副作用を感じやすい

上記の表を見てわかる通り、明らかに年齢が若い方が副作用を感じやすい傾向にあります。特に年齢差によって発症割合に大きく差がある副作用を以下にまとめてみました。

◆「頭痛があった」と回答した割合
・20~39歳 : 4.1人に1人(24.4%)
・40~59歳 : 4.4人に1人(22.5%)
・60~79歳 : 9.7人に1人(10.3%)

当院が実施した「正規品ED治療薬3剤の効果検証調査」では、年齢が若いほど各ED治療薬の効果を得やすい傾向が確認されました。ED治療薬は血管拡張作用によって勃起を補助する薬剤であるため、若年層ではその薬理作用が相対的に強く現れやすく、同時に血管拡張に起因する副作用も感じやすくなると考えられます。

とくに若年層の方は、公開情報の数値を過度に鵜呑みにせず、頭痛・潮紅(顔の赤み/ほてり)・鼻づまりなどの血管拡張に関連する症状がおおむね3割程度の頻度で起こり得ることを想定しておくことが重要です。

その他の注意

痙攣発作について

外国での臨床試験と市販後調査では因果関係は明らかにはなっていないものの、シアリス含むPDE5阻害剤服用による痙攣発作が稀に報告されています。日本国内では痙攣発作を引き起こすような報告はされていません。

突発性難聴について

外国においてシアリスを含むPDE5阻害剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されています。米食品医薬品局(FDA)も2007年に注意喚起の報告をしています。日本国内では1例だけ「耳鳴り」の報告があるのみで、突発性難聴の報告はありません。

飲酒時の注意事項

高用量のアルコールとシアリスの服用で「めまい」や「起立性低血圧」の発現が増加したとの報告があります。これはアルコールの血管拡張作用とシアリスの血管拡張作用による相乗効果によるものと考えられます。シアリス服用の際はお酒の飲み過ぎには注意が必要です。

精巣及び精子への影響

人に対しては平均精子濃度の減少が確認されましたが、精子運動や精子形態には変化は無く、テストステロン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン等の生殖ホルモンにも影響が無かったとされています。

監修者情報

本記事については、すべて浜松町第一クリニック院長である
竹越昭彦が監修しています。

竹越昭彦
院長 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

略歴

  • 1966年生まれ
  • 1991年 : 日本医科大学卒業
  • 1991年 : 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 : 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 : 浜松町第一クリニック開院
備考

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