認めたくないEDの解説

「EDではないんだけど、最近どうも下半身の元気がなくてね……」
以前、このような言葉を口にされた患者さまのことを、今でもよく覚えています。

詳しくお話を伺うと、「勃起はするけれど、性行為の途中で萎えてしまうことがある。自分ではEDだとは思っていないのですが、これは大丈夫なのでしょうか?」というご相談でした。

おそらく、「これまで健康だった自分がEDになるはずがない」というお気持ちがあったのでしょう。しかし、EDは「まったく勃起しない状態」だけを指すものではありません。勃起することはあっても、性行為に十分な硬さを得られなかったり、途中で勃起を維持できなかったりする場合も、EDの症状に含まれます。

特に「勃起はするけれど途中で萎えてしまう」という中折れは、EDの代表的な症状の一つです。こうした場合には、ED治療薬によって勃起をサポートすることで、症状の改善が期待できることがあります。

ただし、ED治療薬は服用すれば必ず勃起するという薬ではありません。性的な刺激があって初めて勃起をサポートする薬です。また、薬の種類によっては食事の影響を受けるものもあるため、それぞれの薬の特徴や医師からの指示に従って、適切なタイミングで服用することが大切です。飲酒についても、過度な飲酒は勃起そのものを妨げる可能性があるため注意が必要です。

生ビールを豪快に飲む夫を見つめる妻

さらに、「以前は問題なく性行為ができていたのに、最近になって中折れするようになった」という場合には、単なる加齢のせいだと決めつけないことも重要です。

加齢に伴って勃起機能が低下することはありますが、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病が関係しているケースもあります。
特に、EDは血管の状態や生活習慣病と深く関係しており、生活習慣病の存在を知らせるサインとなることもあります。

「自分はまだEDではない」と思っていても、以前と比べて勃起の硬さが弱くなった、性行為の途中で萎えることが増えた、といった変化があるのであれば、一度ご自身の健康状態を見直してみるのもよいでしょう。

しばらく健康診断を受けていない方は、この機会に血圧や血糖値、脂質などを確認してみることをおすすめします。思いがけず生活習慣病の兆候が見つかることもあります。

EDを「年齢のせい」「一時的な不調」と片付けてしまうのではなく、身体からの大切なサインかもしれないと考えることも必要です。EDの改善だけを目的にするのではなく、これをきっかけに食生活や運動習慣、睡眠などを見直し、体全体の健康を考える機会として前向きに捉えていただければと思います。

認めたくないEDに対する原因と対策

「自分はまだEDではない」「年齢のせいで少し衰えただけ」「たまたま疲れていただけだろう」――このように、勃起機能の変化に気づいていても、EDだと認めたくない男性は少なくありません。

特に、これまで性行為に問題がなかった方ほど、「まさか自分がEDになるとは思わなかった」という気持ちが強くなりやすいものです。

しかし、EDは「まったく勃起しない状態」だけではありません。勃起することはあっても、性行為に十分な硬さを得られなかったり、途中で勃起を維持できなかったりする場合もEDに含まれます。

「認めたくない」という気持ちから症状を放置してしまうと、原因となっている生活習慣病などを見逃したり、性行為での失敗を繰り返すことで自信を失ったりする可能性があります。EDは心血管疾患などのリスクマーカーとなることも知られているため、勃起機能の変化を健康状態を見直すきっかけとして捉えることも大切です。

「ED=まったく勃たない」という誤解

「勃起することはあるから、自分はEDではない」と考えてしまう方は少なくありません。
しかし、実際には「勃起はするけれど硬さが十分ではない」「挿入できるが途中で萎えてしまう」「以前より勃起を維持できなくなった」といった症状も、EDの代表的なパターンです。
そのため、「勃起できる=EDではない」と考えるのは正しくありません。重要なのは、性行為に必要な勃起を十分に得られ、そして維持できているかどうかです。

解決方法

「勃つか、勃たないか」ではなく、以前との変化に注目する

  • 以前より勃起の硬さが弱くなっていないか確認する
  • 性行為中に中折れすることが増えていないか振り返る
  • 勃起しても十分な硬さを維持できるか確認する
  • 症状が繰り返す場合は医療機関に相談する

一度だけ調子が悪かったからといって、すぐにEDと考える必要はありません。しかし、同じ症状が繰り返されるのであれば、一度相談してみるとよいでしょう。

加齢による自然な変化だと思い込んでいる

年齢を重ねるにつれて、若い頃と比べて勃起するまでに時間がかかったり、勃起の硬さが弱くなったりすることはあります。
そのため、「もう年だから仕方がない」「40代、50代になればこんなものだ」と考えてしまい、症状をそのまま放置してしまう方もいます。
しかし、勃起機能の低下をすべて「年齢のせい」と決めつけるのはおすすめできません。糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙など、血管の健康に関係する要因がEDに関係している場合もあります。

解決方法

「年齢だから仕方ない」と諦めず、健康状態を確認する

  • 定期的に健康診断を受ける
  • 血圧や血糖値、脂質などを確認する
  • 体重や腹囲の変化にも注意する
  • 気になる症状があれば医療機関に相談する

EDをきっかけに健康診断を受けたり、生活習慣を見直したりすることは、勃起機能だけでなく全身の健康を考えるうえでも意味があります。

男としてのプライドからEDを認めたくない

「男性なら勃起して当然」「性行為ができないのは男として情けない」といった思いが強いと、EDを認めること自体が苦痛になってしまうことがあります。
その結果、「病院に行くほどではない」「薬に頼るのは負けたような気がする」と考え、誰にも相談せずに抱え込んでしまうのです。
しかし、EDは男性としての価値や魅力を表すものではありません。勃起機能は血管、神経、ホルモン、心理状態、生活習慣など、さまざまな要素の影響を受ける生理的な機能です。

解決方法

EDを「男としての敗北」ではなく、健康上の問題として捉える

  • EDを恥ずかしいことだと考えすぎない
  • 「自分はダメになった」と決めつけない
  • 必要であれば医師に相談する
  • パートナーにも無理のない範囲で状況を伝える

EDは珍しい悩みではありません。むしろ、早めに原因を確認し、必要な対策を取ることのほうが大切です。

一時的な疲労やストレスだと思って放置してしまう

仕事が忙しかったり、睡眠不足が続いていたりすると、一時的に性欲や勃起機能が低下することがあります。
そのため、「最近仕事が忙しいからだろう」「少し休めば元に戻る」と考えるのは自然なことです。
しかし、疲労やストレスだけだと思っていた症状が長く続く場合には、別の原因が隠れている可能性もあります。また、性行為で一度失敗すると、「また中折れしたらどうしよう」という不安が生まれ、その不安が次の性行為での勃起を妨げることもあります。
「疲れているだけ」と考えているうちに、身体的な原因と心理的な原因が重なってしまうこともあるため、症状が繰り返す場合には注意が必要です。

解決方法

休養だけで改善しない場合は、一度原因を確認する

  • 睡眠時間を確保する
  • 仕事や人間関係のストレスを適度に発散する
  • 適度な運動を習慣にする
  • 過度な飲酒を控える
  • 症状が繰り返す場合は医療機関に相談する

生活習慣の改善はED対策の一つです。食生活、運動、体重、喫煙、飲酒、ストレスなどを見直すことで、全身の健康状態の改善にもつながります。

生活習慣病や身体的な原因に気づいていない

「これまで健康診断で特に問題がなかった」「自覚症状がないから健康だ」と思っていても、血圧や血糖値、脂質などに異常が隠れていることがあります。
EDは血管の状態と深く関係しているため、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化などが背景にある場合があります。AUAのガイドラインでも、EDは心血管疾患のリスクマーカーとして扱われており、EDをきっかけに健康状態を評価することが推奨されています。
つまり、「認めたくないから」とEDを放置することで、勃起機能だけでなく、その背景にある健康上の問題を見逃してしまう可能性があるのです。

解決方法

EDを健康状態を見直すきっかけにする

  • 定期的に健康診断を受ける
  • 血圧・血糖値・脂質などを確認する
  • 喫煙している場合は禁煙を検討する
  • 適度な運動を習慣にする
  • バランスのよい食生活を心がける
  • 必要に応じて内科などでも健康状態を確認する

EDの改善をきっかけに生活習慣を見直すことは、将来的な健康リスクを考えるうえでも大切です。健康的な食生活や運動、禁煙、飲酒量の見直しなどは、EDの改善や全身の健康にも役立つ可能性があります。

著者情報

竹越昭彦
監修医師 竹越 昭彦 (たけこし あきひこ)

浜松町第一クリニック院長。1991年に日本医科大学を卒業後、日本医科大学付属病院、東戸塚記念病院外科での勤務を経て、2004年10月に浜松町第一クリニックを開院しました。ED治療薬・AGA治療薬の処方を行う男性専門クリニックとして、21年以上にわたり診療を行い、全医院合わせて延べ360万人以上の治療実績があります。若年層の心因性EDから、生活習慣病や加齢に関連するED、AGA治療薬の継続使用に関する相談まで、幅広い年代の患者様の悩みに向き合っています。

略歴

  • 1966年 生まれ
  • 1991年 日本医科大学卒業
  • 1991年 日本医科大学付属病院
  • 1993~2002年 東戸塚記念病院 外科
  • 2004年10月 浜松町第一クリニック開院
  • All About「ED・勃起不全」ガイド担当
    ⇒【All About|竹越 昭彦 プロフィール】
所属学会
  • 日本性機能学会 会員
  • 日本化学療法学会 会員
  • 日本形成外科学会 会員

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浜松町第一クリニックは、2004年の開院以来、男性専門クリニックとしてED治療薬・AGA治療薬の処方を行ってきました。当院では、医師の問診により健康状態や服用中のお薬を確認したうえで、厚生労働省に承認された国内正規のED治療薬のみを院内で処方しており、国内未承認薬や海外製の未承認薬は一切取り扱っていません。診察は問診のみで、ズボンを脱ぐような診察はありません。来院は予約不要で、初診料・再診料は無料です。ご来院が難しい方には、初診からご利用いただけるオンライン診療にも対応しており、電話問診のうえご自宅や職場などへ郵送のほか、郵便局留で受取もできます。

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