妊活中に摂るべき栄養素、「葉酸」を含む食材と食べ方のポイント

葉酸は胎児の正常な発育に必要不可欠な栄養素で、妊娠を計画している女性は意識して摂る必要があります。
今回は、葉酸の働きや1日に必要な量、食事から効率よく摂取する方法についてお話しいたします。

葉酸の働き

葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一つです。ビタミンB12と一緒に赤血球の形成に働き、「造血のビタミン」とも言われています。また、たんぱく質や遺伝子情報を持つDNAの合成に関与しており、細胞増殖の盛んな胎児の発育のために必須の栄養素です。そのため、葉酸が不足すると貧血が起こり(巨赤芽球性貧血)、妊娠初期の不足では胎児の発育に支障をきたす可能性が高くなります(神経管閉鎖障害)。

神経管閉鎖障害とは

胎児の神経管が正常に形成されず、脊椎や脳に障害が起きてしまう先天異常です。代表的なものに、脊椎に癒合不全が生じる二分脊椎や脳の発育が出来ない無脳症などがあります。神経管の形成には葉酸が関与しており、妊娠前から妊娠初期の間に十分に摂取すると発症のリスクが低減する、ということが明らかにされています。

1日にどれくらい必要であるか

「日本人の食事摂取基準2015年版」で策定された葉酸の摂取基準(推奨量)は、18歳以上で240μg/日、妊婦の付加量は240μg/日です。これとは別に、妊娠を計画している女性は、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために、サプリメントなどの栄養補助食品から400μg/日のプテロイルモノグルタミン酸(吸収率のよい葉酸)の摂取が勧められています。神経管は妊娠ごく初期の間に形成されるため、妊娠前から意識的に摂取することが重要です。ただし、サプリメントは手軽さゆえに過剰摂取にも気をつけなければなりません。プテロイルモノグルタミン酸の上限量は900~1000μg/日とされています。葉酸を意識したバランスのよい食事をベースに、適正量を補うようにしましょう。

葉酸を多く含む食材

葉酸を多く含む代表的な食材は以下の通りです。
動物性食品ではレバーや魚介類、植物性食品では緑色の野菜に多く含まれていることが分かります。

動物性食品 葉酸(μg/100g) 植物性食品 葉酸(μg/100g)
鶏レバー 1300 菜の花(和種) 340
牛レバー 1000 枝豆 320
豚レバー 810 ブロッコリー 210
うなぎの肝 380 春菊 190
うに 360 アスパラガス 190
すじこ 160 糸引き納豆 120
卵黄(鶏卵) 140 いちご 90
ほたて 87 アボカド 84

日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成 ※生の状態での含有量

葉酸を効率よく摂取するポイント

葉酸は熱に弱く、水に溶けやすい性質があり、調理によって失われやすい栄養素です。生もしくは煮汁ごといただけるスープ等でいただくと良いでしょう。レバーは少量で必要量を摂取できますが、ビタミンAも多く含むため、日常的に食べるとなると過剰症の心配があります。さまざまな食品からバランスよく食べましょう。納豆は調理による損失を受けず、手軽に食べられます。果肉の水洗いや加熱不要なアボカドもおすすめの食材です。下茹でが必要な野菜(アスパラガスやブロッコリー等)は、電子レンジで蒸すなどの工夫をすると良いでしょう。いちごは洗ってからヘタをカットすると流出を防ぐことが出来ます。また、菜の花や春菊など、栄養価の高い「旬の食材」を選ぶのもポイントです。

葉酸が多く摂れるレシピ

「精のつくレシピ集」で紹介している中で、葉酸(μg)が多く摂れるレシピを集めてみました。

※数値は1人分あたりで、調理過程における損失を考慮していません。

葉酸だけを意識して摂るのでなく、主食を中心に、主菜、副菜をさまざま食品から、バランスのよい食事を心がけましょう。朝・昼・晩の3回の食事を決まった時間に食べる、体を冷やさないように温める、睡眠をしっかり確保するなどといったことも、妊娠しやすい体づくりのために大切なことです。精のつくレシピ集では、主菜、副菜、汁物と、さまざまなカテゴリーで料理をご紹介しています。毎日の献立作りに是非ご活用ください。



Ayuka Midorikawa

緑川 鮎香

祐成陽子クッキングアートセミナーにてフードコーディネーターを取得。アボガド料理研究家としてwebを中心に様々なメディアにて活躍中。

緑川 鮎香
肩書

管理栄養士・フードコーディネーター・オリーブオイルジュニアソムリエ

経歴

東京農業大学管理栄養士専攻卒業。

著書

アボカドがあればごちそうレシピ―「アボカド料理研究家」が見つけた美味しい100の活用法 (Amazon)

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