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器質性EDとは?

器質性EDは、血管・神経・ホルモンのいずれかに物理的な異常が生じることで勃起が困難になる状態を指し、加齢や生活習慣病、手術や事故の影響などが主な原因とされています。

動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病はEDの発症と密接に関連しており、特に糖尿病患者の半数以上にEDの症状が見られ、他の疾患よりも発症リスクが高いことが調査でも示されています。

治療には内服薬が効果的とされるが、神経や血管の完全な損傷がある場合は注射による治療が必要であり、テストステロンの補充療法は副作用が多く当院では推奨していないとされています。

器質性EDとは

器質性EDの原因

器質性EDとは、体に何らかの原因があって、物理的に勃起が阻害されるEDのことを指します。この器質性EDを更に細かく分別すると『加齢や糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病に起因する動脈硬化、前立腺がんや前立腺肥大の外科的手術による陰茎付近の神経や血管の損傷などの血管障害によるもの』、『不慮な事故による脊椎などの脳から陰茎までの伝達神経の損傷等による神経障害によるもの』、『加齢やストレス、喫煙、飲酒などによる男性ホルモンの1つであるテストステロンの低下等の内部分泌機能低下によるもの』が挙げられます。

つまり器質性EDの原因は、『血管障害によるもの』『神経障害によるもの』『内部分泌機能低下によるもの』に分けられます。以下に各要因の詳細を解説させていただきます。

血管障害による器質性ED

血管性EDでもっとも多いのが、加齢による動脈硬化によるものです。また動脈硬化の原因となる糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病などと合併した形でED症状を引き起こしている場合が非常に多いパターンです。特に糖尿病では、男性患者さんの半数以上がED症状を抱えているともいわれます。

加齢による動脈硬化(血管の老化)

血管の老化

年齢が進むごとに、顔などの表面の皮膚と同様に、血管壁も加齢により弾力性が失われていきます。弾力性が失われた血管は、十分に拡張できず、勃起するのに十分な血液を性器海綿体に送り込むことが出来なくなります。これは、年齢が進むごとに誰にでも起こる症状で、40歳を過ぎたころからEDの症状を自覚する方が徐々に多くなっていき、50歳以上ではその割合は急激に増えてきます。

生活習慣病との合併

動脈硬化が進んだ血管

糖尿病は、インスリンの不足や作用の低下によって、取り込んだブドウ糖が血中にとどまってしまう病気です。つねに高血糖状態の血液が流れることで、血管壁や血中のタンパク質の糖化が起り、血管壁の弾力性が失われたり、血中の成分が血管壁に付着し、動脈硬化につながります。

同じように高血圧も、血管壁に高い圧力がかかり続けることで血管を痛めますし、脂質異常症も、コレステロールや中性脂肪が血管に付着するため、動脈硬化が起こりED症状を起こします。

外科的手術や事故等による神経や血管の損傷

前立腺がん、前立腺肥大症、直腸がん、腎移植などの外科的手術や不慮の事故による脊髄損傷、骨盤の損傷などで、陰茎につながる血管や神経に断裂や損傷が起きた場合には、まったく勃起出来ない完全EDとなる場合や状態によっては中折れなどの軽度のED症状が出る場合があります。手術などを受ける場合には、勃起への影響についても主治医と十分に相談する必要があります。

神経障害による器質性ED

神経障害による器質性ED

勃起は、性的刺激を受ける中枢神経とその性的興奮を伝える末梢神経によってコントロールされており、神経障害があるとED症状がでる場合が多くなります。例えば、糖尿病性神経症、てんかん、脳卒中、パーキンソン病、多発性硬化症による神経障害が挙げられます。また、前立腺がんや前立腺肥大症、直腸がん、陰茎部の手術、慢性腎臓病による腎臓移植などの外科的手術によって陰茎部への神経の断裂が起った場合や不慮の事故などによって、中枢からの神経経路である脊髄損傷、骨盤の損傷などによって神経が傷ついたり断裂した場合にもEDとなることが多くあります。また椎間板ヘルニアにより椎間板の組織が脊髄や神経を圧迫することでも中枢からの神経伝達に影響が出てEDを発症する場合もあります。

内分泌機能低下による器質性ED

テストステロンの働き

EDの因子として、内分泌機能の低下も挙げられます。代表的なのは、男性ホルモンの1つであるテストステロンの低下です。精巣で主に作られるテストステロンには、男らしい体つきを作るほか、闘争心や意欲、そして性欲や勃起力、精子の産生などの性機能を維持するための働きもあります。また造血作用や、幸福感にも関わりがあるホルモンです。

しかし30歳ごろから徐々に分泌量が低下し、40代~50代になると血中のテストステロン値が明らかに低くなる男性が増えてきます。これによって引き起こされる、さまざまな不定愁訴や症状をまとめて「LOH 症候群(男性更年期障害)」と呼ぶようになりました。テストステロンの低下は、勃起力を弱めるためEDにつながります。また性欲自体を減退させるため、性行為の回数が減ることで、EDを更に進行させる悪循環となることがあります。

テストステロンが不足する原因として、加齢やストレス、喫煙、飲酒などが要因として考えられます。また精巣にトラブルがある「原発性性腺機能低下症」と、脳の視床下部~下垂体の障害によってテストステロンの分泌不全となる「続発性性腺機能低下症」などの疾患が原因となる場合もあります。

器質性EDを誘発する生活習慣病に関する調査

実際のところ動脈硬化に大きく影響する生活習慣病が、EDをどの程度、誘発するのかを調査してみました。結果、当然のことながら、生活習慣病になると中等度以上のEDのリスクが大きく高まることがわかりました。EDを誘発しやすい生活習慣病は「糖尿病>高血圧>脂質異常症>高尿酸値血症>γ-GTP200以上」の順でした。

集計期間:2021年5月7日~9日調査方法:インターネット集計調査対象:日本全国の40~79歳の男性 合計4,000人(5歳階級ごとに500人)

  • EDではない:毎回、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 軽度ED:たいていの場合、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 中等度ED:時々、性交に十分な勃起を得ることができて維持することもできる
  • 重度ED:毎回、性交に十分な勃起が得られない。また、維持もできない

糖尿病とEDの関係を調査

糖尿病予備群:「空腹時血糖値(GLU)100~125mg/dL」または「HbA1cが6.0~6.4%」

  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 合計
糖尿病と診断されている 130 (31.3%) 84 (21.2%) 82 (19.7%) 120 (28.9%) 416 (100%)
糖尿病になりかけている(糖尿病予備軍 172 (37.6%) 116 (25.3%) 91 (19.9%) 79 (17.3%) 458 (100%)
糖尿病ではない 1,626 (53.4%) 632 (20.7%) 445 (14.6%) 344 (11.3%) 3,047 (100%)
わからない 44 (55.7%) 9 (11.4%) 18 (22.8%) 8 (10.1%) 79 (100%)

高血圧とEDの関係を調査

  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 合計
正常血圧 579 (59.3%) 201 (20.6%) 117 (12.0%) 79 (8.1%) 976 (100%)
正常高値血圧 543 (52.2%) 217 (20.9%) 154 (14.8%) 127 (12.2%) 1,041 (100%)
高値血圧 463 (45.2%) 215 (21.0%) 191 (18.6%) 156 (15.2%) 1,025 (100%)
最高血圧:140mmHg以上かつ/または最低血圧:90mmHg以上 298 (37.6%) 182 (23.0%) 156 (19.7%) 156 (19.7%) 792 (100%)
不明 89 (53.6%) 26 (15.6%) 18 (10.8%) 33 (19.9%) 166 (100%)

脂質異常症とEDの関係を調査

  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 合計
高LDLコレステロール血症LDLコレステロール140mg/dL以上 268 (49.9%) 109 (20.3%) 87 (16.2%) 73 (13.6%) 537 (100%)
境界域高LDLコレステロール血症LDLコレステロール120~139mg/dL 363 (46.7%) 167 (21.5%) 150 (19.3%) 97 (12.5%) 777 (100%)
低HDLコレステロール血症HDLコレステロール40mg/dL未満 74 (42.5%) 48 (27.6%) 26 (14.9%) 26 (14.9%) 174 (100%)
高トリグリセライド(中性脂肪)血症中性脂肪(TG:トリグリセライド)150mg/dL以上 117 (41.6%) 60 (21.4%) 59 (21.0%) 45 (16.0%) 281 (100%)
正常値 1,002 (51.9%) 395 (20.5%) 271 (14.0%) 263 (13.6%) 1,931 (100%)
不明 148 (49.3%) 62 (20.7%) 43 (14.3%) 47 (15.7%) 300 (100%)

高尿酸値血症とEDの関係を調査

  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 合計
尿酸値7.0mg/dL未満 1,377 (49.5%) 594 (21.3%) 430 (15.5%) 382 (13.7%) 2,783 (100%)
尿酸値7.0mg/dL以上 228 (43.7%) 110 (21.1%) 106 (20.3%) 78 (14.9%) 522 (100%)
不明 367 (52.8%) 137 (19.7%) 100 (14.4%) 91 (13.1%) 695 (100%)

γ-GTPの数値とEDの関係を調査

  EDではない 軽度ED 中等度ED 重度ED 合計
50IU/L以下 761 (46.6%) 368 (22.5%) 259 (15.9%) 245 (15.0%) 1,633 (100%)
51IU/L~99IU/L 378 (50.0%) 158 (20.9%) 125 (16.5%) 95 (12.6%) 756 (100%)
100IU/L~199IU/L 211 (46.4%) 113 (24.8%) 77 (16.9%) 54 (11.9%) 455 (100%)
200IU/L以上 44 (49.4%) 12 (13.5%) 17 (19.1%) 16 (18.0%) 89 (100%)
不明 578 (54.2%) 190 (17.8%) 158 (14.8%) 141 (13.2%) 1,067 (28.0%)

器質性EDの治療

動脈硬化によるEDの治療

加齢によって起こる動脈硬化や生活習慣病によって起こる動脈硬化のどちらにも、バイアグラなどのED治療薬は大きな効果が期待できます。その有効率は、80%以上です。ニトログリセリン薬との併用を除いては、副作用が少なく、安全性の高い厚生労働省に認可された医薬品ですので、ED症状がある方は試してみるといいと思います。当院では、70歳代、80歳以上の方も受診されています。

手術や事故で血管や神経が傷ついているEDの治療

性行為中に萎えてしまう、いわゆる『中折れ』など血管や神経の損傷が少ない場合には、ED治療薬の効果が期待できます。内服薬が有効か試しに服用してみてください。

また性器を刺激するなどの性的刺激で、少しでも陰茎が動く、膨らむなどの反応がある場合には、内服のED治療薬で効果がでる場合があります。このような場合では、手術や不慮の事故から2年ほどかけてゆっくりと神経がつながっていき、勃起力が少しずつ回復してくる場合もありますので、あきらめないことが肝心です。

内服薬で効果が得られない場合や、性器が完全に反応しない場合には、血管や神経が完全に断裂している可能性があり、血管拡張薬であるED治療薬の効果は期待できません。陰茎に直接注射する『ICI療法』に進むこととなります。

LOH 症候群(男性更年期)などの内因性EDの場合

テストステロンの減少などによるEDの場合でも、性欲(性行為をしたいと思う気持ち)がある場合には、内服のED治療薬の効果に期待できます。

また当院にもよく問い合わせのあるテストステロンの補充療法。男性ホルモンを補充することは、非常に副作用が多く、おすすめできないため、当院では行っておりません。

テストステロンの補充によって特に多い副作用

  • 動脈硬化の急激な進行体外からのテストステロンの補充で、動脈硬化が10倍の速度で進行し、心筋梗塞や脳梗塞の原因になると考えられています。
  • 前立腺肥大や前立腺がんの助長や進行テストステロンと大きな関係がある男性特有の臓器である『前立腺』の病気を急激に進行させたり、テストステロンの補充が病気の原因となることがあります。
  • 男性の抜け毛やハゲの進行を助長しますテストステロンの補充で、男性型の抜け毛が急激に進行することが報告されています。

上記のように、ホルモン補充が命に係わる重大な結果を招くこともありますので、十分に注意が必要です。

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当院の治療方法

浜松町第一クリニックでは、患者様に問診を実施し、厚生労働省に認可されたED治療薬を処方しております。例えば、心因性EDの場合、何らかのきっかけでEDの悩みが改善するケースが少なくありません。当院の集計データによると、そのほとんどは、バイアグラなどのED治療薬を1回から数回服用し、ご納得のいく性行為ができれば、それが自信につながり、その後はED治療薬を服用しなくても改善するケースが多いことが証明されています。もし、同じようにEDで悩まれている方がいらっしゃいましたら、ED治療薬を試してみることによって改善される可能性は十分にあります。少しでも心配な方は一度当院で受診されてみてはいかがでしょうか?

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01
当院のED処方数は年間約20万人 ※ バイアグラ・レビトラ・シアリス・各ジェネリックの処方数
(グループ7院の合算データ)

ED治療薬の処方には医師の診察が必須で、
当院では年間約20万人の対象患者様に処方しています。

ED治療薬のシェアの割合グラフ
02
20代のED初診数も増加 ※ 2024年の20代の診察のうち初診割合は12.83%
(2006年時の20代の初診割合は4.92%)

人口減少しているのにED初診数が増加しており、
20代でEDで悩む割合がとても増えています。

ED治療薬のシェアの割合グラフ
03
ED治療で元気なセカンドライフ ※ 2024年の70代の診察のうち初診割合は5.47%
(2006年時の70代の初診割合は1.30%)

当院グループだけでも、
月60名程度80歳を超える患者様にご来院いただいています。

ED治療薬のシェアの割合グラフ
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