ED治療薬7種類を比較。有効性や安全性は？

ED治療薬の種類

日本国内で安心して服用できるED治療薬は、厚生労働省より製造販売承認を得ているシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス) の3種類のみ（以下、「国内3剤」）です（バイアグラ100mgを除く）。いずれも先発品の発売から特許が満了を迎え、国内の製薬会社からジェネリック医薬品も数多く発売されています。

また、海外では3剤以外にアバナフィル(ステンドラ)、ウデナフィル(ザイデナ)、ミロデナフィル(エムヴィックス)、ロデナフィル(ヘレバ) というED治療薬（以下、「海外4剤」）も存在します。これらは日本国内での安全基準（医薬品医療機器等法）を満たしてないため製造段階での衛生上のリスクがあることと、入手するには例え医療機関であっても偽物が多く混在する個人輸入に頼るしかなく安全の保障も一切ありませんのでご注意下さい。
厚労省も処方目的での医師による個人輸入については注意喚起を行っています⇒医師・薬剤師の方へ医薬品等の個人輸入についてのご注意[PDF:1.08MB]

国内3剤、海外4剤の違いについては以下の比較表を参考にして下さい。また国内3剤の違いをより詳しく知りたい方はバイアグラとレビトラとシアリスの違いをご参照下さい。

発売元であるバイエル薬品より販売中止の発表がされ現在、国内では既に正規品は販売されておりません。
詳しくは販売中止のお知らせをご覧下さい。

レビトラ錠の代替は、安全が担保されない海外製ではなく、厚労省から認可を得た国内正規レビトラジェネリックとしてバルデナフィル錠が発売開始されていて当院でも処方を開始していますので、こちらをご利用下さい。

世界のED治療薬7剤を比較

*¹「食事の影響」とは何か
ED薬の成分は腸から吸収されます。食後だと腸に脂の膜が張ってしまい成分が体内に吸収するのを邪魔してしまうのです。
参照 ⇒ ED薬が効かなかった人の8割はこの失敗
*²「医薬品の安全性」
参照 ⇒ 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ｜厚生労働省
【抜粋】⇒日本国内で正規に流通している医薬品、化粧品や医療機器などは、医薬品医療機器等法に基づいて品質、有効性及び安全性の確認がなされていますが、個人輸入される外国製品にそのような保証はありません。
つまり、厚労省より製造承認を得ていない海外医薬品は安全性の保証無しということです。

ここ最近、海外から個人輸入で仕入れた厚労省”未認可”のアバナフィル製剤、ウデナフィル製剤を処方するクリニックもありますが、服用するとリスクを伴うのでご注意下さい。

7製剤の骨格構造式比較

国内正規品ED治療薬３剤の特長を比較

日本国内での安全基準（医薬品医療機器等法）を満たしているED治療薬はシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の３つしかありません。よって安全に使用したい場合、選択肢は３つしかないということを知っておいてください。以下に３剤の特長をまとめているので是非、参考にしてください。

ED治療薬7製剤の詳細

シルデナフィル（バイアグラ）

世界的に最も有名なED治療薬で国内でも1999年から発売開始されており実績は一番です。

バルデナフィル（レビトラ）

国内ではバイアグラの次に2004年から発売開始されたED治療薬です。即効性があり、食事の影響を受け難く、しっかり効くことから人気があります。

発売元であるバイエル薬品よりレビトラ錠の販売中止の発表がされ、現在、国内の市場では流通しておりません。
詳しくは販売中止のお知らせをご覧下さい。

レビトラ錠の代替は、安全が担保されない海外製ではなく、厚労省から認可を得た国内正規レビトラジェネリックとしてバルデナフィル錠が発売開始されていて当院でも処方を開始していますので、こちらをご利用下さい。

タダラフィル（シアリス）

国内では３番目に登場したのが長時間作用し食事の影響を最も受けないのが特長でありシアリスです。国内にて2007年から販売開始され世界市場でシェア1位を誇る人気薬です。

アバナフィル（ステンドラ）

2011年に韓国で「Zepeed®」として、20112年には欧州で「Spedra®」、米国で「Stendra®」として、販売開始されたED治療薬です。食事の影響と副作用が少なく、即効性があるのが特長ですが、体内での代謝が早いので作用時間が短いところがあります。仕入れるには個人輸入しかないため試すのは止めておきましょう。当院では取り扱っておりません。

ウデナフィル（ザイデナ）

韓国のDong-A Pharmが開発したED治療薬で2005年から韓国にて販売開始されています。作用時間がバイアグラより長くシアリスより短い最大13時間あるのが特長の１つです。副作用が出難いことと食事の影響が少ないことも特長のようですが副作用データを見る限りあまり少ないようには感じません。当院では取り扱っておりません。
参照 ⇒ Udenafil for the treatment of erectile dysfunctionPMCID: PMC4027935／PMID: 24868160

ミロデナフィル（エムヴィックス）

2007年に「Mvix®」、2011年にはODフィルム製剤「Mvix S®」の製品名で韓国のDong-A Pharmが販売開始したED治療薬です。副作用が出難いのがメリットで、吸収が遅いのがデメリットと言えるでしょう。当院では取り扱っておりません。

炭酸ロデナフィル（ヘレバ）

ブラジルのクリスタリア製薬（Cristália – Pharmaceutical Industry）によって開発され2006年に炭酸ロデナフィルの特許を取得し、同年にED治療薬「Helleva®」が販売開始されました。炭酸ロデナフィルは7製剤の構造式比較の通り分子2個が重合して生成する二重体（ダイマー）であり、体内で二つのロデナフィルに分解されてから作用するのが特長です。当院では取り扱っておりません。

*²「医薬品の安全性」
参照 ⇒ 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ｜厚生労働省
【抜粋】⇒日本国内で正規に流通している医薬品、化粧品や医療機器などは、医薬品医療機器等法に基づいて品質、有効性及び安全性の確認がなされていますが、個人輸入される外国製品にそのような保証はありません。
つまり、厚労省より製造承認を得ていない海外医薬品は安全性の保証無しということです。

ここ最近、海外から個人輸入で仕入れた厚労省”未認可”の安全の保証のないED治療薬を処方するクリニックもありますが、服用するとリスクを伴うのでご注意下さい。

どれが有効なのか？

これに関しては、ヨーロッパの研究者達が19,724人の患者を対象にして行ったシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル、アバナフィルの有効性を分析した論文が参考になります。以下の質問を実施し、有効性を統計学的に集計しランキングを割り出したものになります。

• GAQ-1：治験薬を使用している間、勃起が改善したと感じましたか？
• IIEF-EF：国際勃起機能スコア-勃起機能ドメイランキング
• SEP-2：あなたはあなたの陰茎をあなたのパートナーの膣に挿入することができましたか？
• SEP-3：あなたの勃起は、性交を成功させるのに十分な長さでしたか？

参照元
⇒ European Urology Volume 63, Issue 5, May 2013, Pages 902-912
⇒ https://www.sciencedirect.com/topics/medicine-and-dentistry/mirodenafil

結果

「GAQ-1：治験薬を使用している間、勃起が改善したと感じましたか？」の質問でのランキングは、1位から順に3位までは「タダラフィル（シアリス）」「バルデナフィル（レビトラ）」「シルデナフィル（バイアグラ）」という結果です。要は、国内のED治療薬は現在ある厚労省から承認済みの３剤で充分ですので、個人輸入でしか仕入れることができず、厚労省未認可の海外製の安全性の保障もないアバナフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィルをリスクを負ってまで試す価値はないのです。

ED治療薬の有効性と服用の注意点

有効性

国内3剤のED治療薬の有効性は、80% 以上と非常に高く、多くのED男性の悩みを解決しています。これはEDと関係の不快生活習慣病の方も含まれておりますので、健康な方での有効率は、より高く95% 以上と推測されます。当院でも、60歳の方が、『勃起力は中学2年生の時に戻ったようだ！』と表現される方もいらっしゃるほどです。
後ほど触れますが、2022年1月に当院にて実施した調査ではED治療薬の使用で76.8％の男性の満足度を向上させ、74.3％の男性の挿入時間を長くさせる効果が期待できることがわかっています。

ただし、ここが重要です。薬をただ飲めばいいというものではなく、服用タイミングが非常に重要となります。ED治療薬は空腹時に服用することで効果を引き出すことができるので、覚えておいて下さい。服用タイミングは、問診時にしっかりと確認しましょう。

ED治療薬の使用で満足度はどれだけ上がる？

ED治療薬を服用して性行為をしたことのある男性311人と、ED治療薬を服用した男性と性行為をしたことがある女性180人を対象に、それぞれ「ED治療薬の使用で満足度に変化はありましたか？」とアンケート調査した結果、男性の76.8%、女性の58.4％が「満足度が上がった」と回答しました。また「変化無し」は男性19.0％、女性38.3％。「満足度が減った」は男性4.2％、女性3.4％ですのでED治療薬を男性が服用することで男女ともに性行為の満足度を向上させる効果は高いと言えます。

参照
⇒ ED治療薬の使用で満足度は上がる？｜中折れや治療薬に対する男女の「ホンネ」実態調査2022

ED治療薬で挿入時間も長くなる？

Q.ED治療薬を服用して性行為を行うと挿入時間に変化はありましたか？？

【回答者】ED治療薬を服用して性行為を行ったことのある男性「20代：141人」「30代：126人」「40代：144人」「50代：160人」「60代：151人」「70代：113人」　合計835人

ED治療薬を服用して性行為をしたことのある20歳～79歳の男性835人を対象に「ED治療薬を服用して性行為を行うと挿入時間は変化したか」という質問をしたところ、「挿入時間が長くなった」と答えた男性は68.9％、「変化なし：27.3％」「挿入時間が短くなった：3.8％」という結果になりました。ED治療薬の使用で80.8％の男性の満足度を向上させ、68.9％の男性の挿入時間を長くさせる効果が期待できるのです。

参照 ⇒ ED治療薬で挿入時間に変化はあるか？｜日本のED(勃起不全)有病者数調査2022

ED治療薬で射精を遅らせることが可能か？

Q.ED治療薬を服用して射精に至るまでの時間に変化はありましたか？

【回答者】ED治療薬を服用して性行為を行ったことのある男性「20代：141人」「30代：126人」「40代：144人」「50代：160人」「60代：151人」「70代：113人」　合計835人

ED治療薬を服用することで過半数以上の男性が「射精時間が遅くなった」と回答。変化なしが36.5％、早くなったが6.5％であるため、ED治療薬は早漏の防止の効果も期待ができるということです。
特に20～30代では267人中184人（68.9％）が「射精時間が遅くなった」と回答しています。若年層でEDと早漏で悩みを抱えている人にとっては、まさに一石二鳥といえるでしょう。

参照 ⇒ ED治療薬で射精を遅らせることが可能か？｜日本のED(勃起不全)有病者数調査2022

ED治療薬の安全性

『ED治療薬って心臓に負担かけるから危ない』『麻薬と同じで一回飲んだら飲まないといられなくなっちゃう』『飲んだら1日勃起しっぱなし』などとインターネットで一部言っている人がいますが、間違った情報です。ED治療薬は、体の血流を良くして、性器に血液が集まりやすくするお薬です。麻薬みたいに、脳に働くお薬ではないので、薬を飲まないといられなくなるなどの身体的依存性はありません。また薬が効いている間も、性的刺激がなければ普段通りです。

しかし、薬が効いている間に性的刺激があると、効果が発揮されて、あなたもパートナーもびっくりするほどの効果です。

血流がよくなると、心臓に負担がかかると思う人もいるかもしれませんが、ED治療薬を服用して普通の性行為をすることは、階段で1階～3階まで早歩きで上がるのと同じ位の心臓への負荷なので、普段通勤などで満員電車に乗っているなどしている方では、問題ないでしょう。心臓に持病があるなど、心配がある人は、問診の時に当院医師にご相談ください。

アバナフィル、ウデナフィル、ミロデナフィル、ロデナフィルは厚労省未認可の海外製であり、例え医療機関であっても個人輸入でしか仕入れることができず、安全性の保証も一切ないので試すのは控えるのが賢明です。

ED治療薬の作用機序

ED治療薬は、勃起をサポートする経口薬で「PDE5 阻害薬」に分類されます。少し難しい話になりますが、PDE5 阻害薬がどうやって働くのか説明します。

そもそも PDE5 は、海綿体に多く存在する酵素で、平滑筋を弛緩させる情報伝達に関わる勃起に必要不可欠な物質「サイクリック GMP」を分解する働きをします。この PDE5 が活発になりすぎると勃起機能が衰えるため、PDE5 阻害薬によりこの酵素を抑制し、海綿体内のサイクリック GMP 濃度を上昇させることで平滑筋が弛緩して血行が良くなり、勃起を促します。これにより、勃起のメカニズムを正常化させるのです。

ED治療薬の購入方法について

市販、薬局、通販での購入は可能か？

ED治療薬は処方箋医薬品に該当するため医師による処方箋の元、薬剤師によって処方される必要があります。よって薬局やドラッグストアー等で市販されていません。もしも市販されていた場合は違法行為にあたります。またED治療薬は薬価未収載薬といって薬価が決まっていないお薬なので処方を受ける場所によって値段が様々です。更に処方箋を持っていても調剤薬局によってED治療薬自体を扱っていないところもあるので事前の問合せが大事です。

ネットで個人輸入【危険】

インターネットで検索すると個人輸入代行業者の運営する通販サイトが数多くあります。価格も国内の厚労省から承認を得た正規ED治療薬より安価なため、ついつい試したくなってしまう気持ちもわかりますが、安易に手を出すのは止めましょう。
理由は偽造医薬品が数多くあり、中には汚染物質や不純物、健康被害をもたらす薬物が含有するものも報告があるからです。2016年にファイザー、バイエル、日本イーライリリー、日本新薬の４社で行った合同調査では全体の約4割が偽造品であったことが公表されています。以下に厚労省未認可の海外製のED治療薬を服用するリスクも参照して下さい。

一般的にはクリニックで処方を受ける

ED治療薬は全国どこの医療機関に行っても保険適用外ですので全て自費となります。通常は医師による診察の後に投薬が必要な場合は精算の時に処方箋を渡され近くの調剤薬局で薬を処方してもらうのが一般的です。しかし前項でも説明した通り、調剤薬局では取り扱っていないところもあるのでED治療を行う医療機関は院内にED治療薬の在庫を持ち、院内処方するケースが多いです。こういった医療機関は当院のようにWEB上にホームページを運営しているのでスマートフォンやパソコンで処方しているお薬の種類や費用を調べておくとよいでしょう。

専門クリニックでの処方がおすすめ

現在、日本各地にED治療やAGA治療の専門クリニックが点在しています。専門クリニックの利点は「男性スタッフしかいないから女性の眼を気にしなくてよい」「診察料が無料でお薬代金だけで処方しているところが多い」「駅から近い」「クレジットカード払い可能」「院内で処方（院内で薬を受け取れる）」等々です。
当院も専門クリニックに該当します。当院では電話による問診でお薬を郵送できるオンライン診療も行っていますので、そちらもご利用いただけます。