新規作用機序を持つタダラフィル製剤として、日本では2014年1月に承認され、同年4月から「Zalutia®」として2.5 mgおよび5 mg錠が上市されました。これは良性前立腺肥大(BPH)に伴う排尿障害に対し、新たな治療オプションを提供します。
PDE‑5(ホスホジエステラーゼ5)阻害作用により、血管平滑筋を弛緩させ尿道や前立腺、膀胱頸部の緊張を緩めることで、尿の流れが改善され、膀胱からの感覚刺激を抑える効果が期待できるとされています 。
製薬会社として泌尿器分野に戦略的に注力する日新製薬(本社・京都)は、Zalutiaの導入によりBPH治療ラインナップを拡充し、高齢男性の生活の質(QOL)向上に貢献しようとしています 。
◆浜松町第一クリニックではザルティアは取り扱っておりません◆

ザルティアとはシアリスと同じタダラフィルを有効成分とし、2014年1月に日本新薬株式会社により「前立腺肥大症による排尿障害改善薬」として厚労省に承認された薬剤です。同年4月の薬価収載を経てザルティア錠[2.5mg][5mg]の2種類が4月17日に発売開始されています。
ED治療薬と同じPDE5阻害作用を利用した保険適用の医薬品はザルティアの他にシルデナフィルクエン酸塩を有効成分としたレバチオ、タダラフィルを有効成分としたアドシルカがあります。
ザルティアは製品名・規格・コーティングが違うだけで中身はシアリスと同じ薬剤です。
日本では健康保険制度があるため前立腺肥大症による排尿障害改善薬として健康保険適用とするには「健康保険適用外であるED治療薬シアリスの製品名」のままでは厚労省に承認を得ることはできません。
このような理由から同じ薬剤ではあるが製品名を「ザルティア」として厚労省に承認申請をする必要があったのです。
ED治療薬であるシアリスは、2022年4月からの不妊治療の保険適用に伴いシアリスも薬価収載され、「勃起不全による男性不妊」にのみ保険適用となりました。男性不妊治療以外は今まで通りどこの医療機関で受診しても保険適用外となり治療費は全額自費となります。
詳しくは⇒バイアグラとシアリスが保険適用に!?
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2020年2月17~19日に沢井製薬、東和薬品、あすか製薬、杏林製薬、サンド、日医工、ニプロ、シオノケミカル、日本ジェネリックがザルティアのジェネリック医薬品としてタダラフィル錠ZAの製造承認を取得致しました。各社、同年の6月頃には発売が開始されています。
販売名は沢井製薬の場合はタダラフィル錠2.5mg/5mgZA「サワイ」となります。東和の場合は「サワイ」⇒「トーワ」と販売会社によって「」の社名が変わるだけとなります。
また、2021年8月にはザルティアの発売元である日本新薬がザルティアのジェネリック医薬品としてタダラフィル錠2.5mg/5mgZA「シオエ」の製造販売承認を取得し同年12月より発売開始しています。先発品であるザルティア錠の包装と製品名だけ変更してザルティアのジェネリック医薬品として発売しているのです。このように先発品を発売する製薬会社から許諾を得て同薬品を後発品としても発売する薬のことをオーソライズド・ジェネリック(AG)といいます。
| 有効成分 | タダラフィル(2.5mg・5mg) | |
| 販売元 | 日本新薬株式会社 | |
| 効果効能 | 前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬 | |
| 服用方法 | 通常、成人には1日1回、5mgを経口投与 | |
| 併用禁忌薬 | シアリスの併用禁忌薬と同じ 硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アルミ、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)・sGC刺激剤(リオシグアト:アデムパス)・グレープフルーツ |
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| 服用禁忌 |
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| 副作用 | 消化不良(2.5%)・頭痛(1.5%)・筋肉痛(1.0%)・ほてり(0.8%)・下痢(0.5%)・胃炎(0.5%)など 日本を含むアジアで実施された臨床検査(5mg:601例) |
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| 新型コロナ ワクチン |
ザルティア錠による治療を既に始めている場合は接種しても問題ないが、これから始める場合は接種2日後からにする。(ザルティアの副作用なのかワクチンの副反応なのかが分からなくなることを避けるため) | |
| ジェネリック (後発品) |
10社から発売(2025年6月16日現在) | |
| 剤形 | 2.5mg:淡橙黄色のフィルムコート錠 5mg:白色のフィルムコート錠 |
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| 健康保険 | 適用 | |
| 作用機序 | 血管や尿道や前立腺の平滑筋細胞に分布するホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害することにより局所のサイクリックGMP(cGMP)の分解を防ぎます。その結果、cGMP濃度の上昇により血管平滑筋を弛緩させ、下部尿路組織における血流や酸素供給量が増加し、障害を受けた尿路組織構造の修復がすすみ、下部尿路症状が改善すると考えられている。また、タダラフィルには尿道・前立腺・膀胱頸部の平滑筋弛緩作用もあるので尿道抵抗の軽減および膀胱の過伸展の改善につながる。 | |
以下は、発売元である日本新薬の提供する。ザルティアの適正使用を目的とした服用する患者さんに日常生活で気を付けていただきたいことや、服用上の注意点名とがまとめられた小冊子です。 [PDF:6.73MB]
| 添付文書 医療関係者用 |
インタビュー フォーム 医療関係者用 |
患者向け 小冊子 |
くすりの しおり 5mg |
|---|---|---|---|
| ザルティア錠5mg くすりのしおり 外部リンク |
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| 482KB | 2.09MB | 6.37MB | 245KB |
そしてここからが重要です。
それはED治療を目的としてザルティアの処方を受けた際に処方を受けた側、つまり患者様にとって大きなデメリッットがある点です
医薬品副作用被害救済制度というのをご存じでしょうか?これは病院で処方された医薬品を適正に使用したのにも関わらず、ある一定以上の副作用にて健康被害にあった場合に公的機関より治療費の一部を負担してくれる公的な制度です。
これが以下のケースは救済の対象とはなりません。
厚労省はザルティアを「前立腺肥大症による排尿障害」の適応として承認したわけですからED治療の適応は認めていません。
よって上記対象外項目の 1. に該当するためザルティアをED治療目的にて処方されて重篤な副作用があった場合も副作用救済制度の適用になりません。
現状、ザルティアは、医療機関への卸値がタダラフィルとしての成分量単価で計算するとシアリス錠よりも安価になります。さらにシアリス錠よりも利益が取れる。
そのような理由から、一部の医療機関で自由診療におけるED治療を目的としてザルティアを処方しているところもございます。
まだ患者へのデメリットを説明して処方しているのなら良いですが、そのような説明を無しに、安くて便利ということだけを謳って処方している場合はかなり悪質であると判断して間違いないでしょう。
重要な注意点を以下にまとめておきましたので目を通しておいて下さい。